昔々、「エドワード・ヴァン・ヘイレン」というオッサンが「第5の指」、ライトハンド奏法をひっさげてハードロックギターの歴史に燦然と輝くギター・ヒーローとなりました(それ以前に既にJazz界ではジョー・パスなんかがライトハンドを行っているのですがね)。その後、多くのギタリストが彼の技を自分の物にしようと一大ライトハンド旋風が巻き起こったのです。現在では右手の指を4本とも使う、いわゆる「エイトフィンガー奏法」の確立がジェフワトソンやT・Jヘルメリッチらによりなされ、さらにマイケルアンジェロやスタンリージョーダンらによって洗練され、ライトハンド奏法は新しい領域に入ってきています。
さて、一般にライトハンドとタッピングという二つの言葉が混同されて用いられていますが、ここで明確な定義を述べておきます。次のように理解してください。
しかし、ヒトによってこの見解は曖昧で、教則本によってはライトハンドとタッピングがまったく同じ物として扱われているものもありますが、そのような教則本をみたら、とっとと燃やしてしまいましょう(爆)。
タッピングって役に立たない、そんなものは曲芸にすぎん、という先輩諸氏の方、ご忠告ありがとうございます(笑)、こういうのはピッキングだけで弾けるかな〜?(笑) |
練習曲として、MozartのKV.331第三楽章、俗に言うトルコ行進曲の中間部分(一番難易度が高いところね)を紹介しておきます。TAB譜って大嫌いなんですが(笑)、指使いを説明するのには不可欠なので、しょうがなくつけました(笑)。譜面はこちらから。
さらにもっと基本的な練習としてハノンなんていかがでしょう? |
さて、すでにギターを持っている方。タッピング用のセッティングは少々面倒です。まず、弦高は極限まで下げてください。低ければ低いほどよいです。ほとんどの場合、音詰まりが起こり、フレットのすり合わせが必要になるでしょう。また、ネックが反っているのは問題外で、毎日確認する必要があります。さらに、これは万人向けではないですが、アースをどこかに落とすことが必要です。通常は弦やブリッジなどに手が触れていますので体にアースが落ちてくるわけですが、タッピングの場合、手をまったくギターから離してしまう場合もあります。このようなときにハムノイズが出るわけですね。これを防止するために、出力をXLR端子に変更したり、サーキットから針金などを伸ばして体のどこかに常時触れるようにしたり、3点プラグのアースにケーブルからアースを落としたり、なんていう工夫が必要となるでしょう。