Epic
Records (ESCA-8325) 2310円(初回限定プライス) '00年6/6発売
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Track (Bonus
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『THE INVISIBLE BAND』 〜インヴィジブル・バンド〜
TRAVIS百年構想
月並みで申し訳ないが、感心するぐらい良い曲が揃っている。重ねてお詫びしておくが、本当にそうなのだ。トラヴィスのメイン・ソングライターであるフラン・ヒーリーは、例えばトム・ヨークのようなミュージック・シーンに衝撃を与える影響力を持った楽曲を作り出すタイプではない。だが多くの人の記憶に残り続けて、ある瞬間ふと壊れていたと思っていたテープレコーダーが動き出すような感じで、頭の中にサウンドが流れてくるような曲。そういった普遍性を持った優しく美しいメロディを作らせたら、現在フラン・ヒーリー以上のソングライターはそうはいない。『グッド・フィーリング』『ザ・マン・フー』と、フラン・ヒーリーのソングライターとしての才能はアルバム・リリースを重ねるごとに磨きがかかっていった。その証明として、デビュー間もないにもかかわらず『カミング・アラウンド』はチャート初登場7位を記録し、『ザ・マン・フー』はイギリスだけで250万枚を売って'99年のイギリス国内最高セールスとなったわけだが、今作は今までと変わらないメロディの普遍的な美しさという要素に加えて、楽曲1つ1つにとても深みが加わった。なんというか、『ザ・マン・フー』ほどの即効性はないが、聴き終わってしばらくしてからメロディがゆっくり時間をかけて体中に染み込んでいくような感覚なのだ。 アルバム・タイトルそのものを“目に見えないバンド”−
バンドが存在しなくなっても生み出した楽曲はいつまでも世の中に残り続ける
−とした彼ら。デビューから何度も自分達の理想として掲げてきた、トラヴィスというバンドの在り方。エゴの否定ということ以前に、“歌”が持つ力を信じているフランだからこそ創ることができた新しい“いい曲”達は、その夢のような話に現実味を帯びさせるだけの説得力を持っている。
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