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トム・ウェイツ 素面の、酔いどれ天使 / パトリック ハンフリーズ著、Patrick Humphries原著、金原 瑞人訳 東邦出版 2008年に出版された現在(2012年1月)のところトムに関する最新のバイオグラフィー作品。幼少期から2008年までを網羅しています。 「俺に酔うなよ!」や「酔いどれ天使の唄」の続編というよりは、これらの本で出てきたエピソードから厳選した上で(そして新たなエピソードも盛り込んだ上で)、トムの経歴を追いやすいように並べています。 ジャック・ケルアックをはじめとするビートニク詩人(と彼らに対するアメリカでの反応)など、トムが影響を受けたものの背景についても説明を加えることで、トムの目指したキャラクターがより分かりやすくなっている点も本作の特徴です。 エピソードの中には、「俺に酔うなよ!」に書いてあった1977年に警察といざこざを起こした際の裁判シーンなど、「面白いのになんで削ってしまったんだろう?」というものもあります。 また同じく「俺に酔うなよ!」にあった"Tom Traubert Blues"を作った際のエピソードをトムから聞いたというボーンズ・ハウの証言も削られていますが、これは恐らく信憑性の問題ではないかと思います。(本作では同曲をヨーロッパツアー中に書いたと記述されていますが、ハウの証言だとロスにいる時に書いたことになっています) そんなわけで、現時点で最も信用できるエピソードが満載のトム本がこれです。 なお本作のプロモーション・サイトに城山隆さんによる2008年パリ公演のレポートも掲載されています。 Tom Waits [トム・ウェイツ 俺に酔うなよ!] / ジェイ・S・ジェイコブズ著、山本安見訳 DHC フリーランスのライターとして「C.D.レヴュ―」や「クリーム」等の音楽誌に執筆している著者が、デビュー前から2000年までのトムのキャリアを追った作品。 本人や関係者のインタビューも多いのが、嬉しい1冊。 Mr.トム・ウェイツ / 城山隆編 東京書籍 トムに影響を受けた人々のエッセイ(佐野元春さんのエッセイもあります)や山西治男さんによる歌詞の訳、ディスコグラフィー、フィルモグラフィー、バイオグラフィー等が掲載されていますが、最も興味深いのが、トムスキャビンの麻田さんが、書かれているトムの初来日公演(JAPAN TOUR 1977)の様子です。 来日公演の写真等も載っていて、読む価値有りです。 トム・ウェイツ全曲解説 / ケン・ブルックス著、山本安見訳 東京書籍 アルバム"Mule Variations"までのトムの全曲解説がなされています。 また、トムが影響を受けた作家に関する解説もあります。 注目は、1番最後に収録されている城山さんが1999年に行った、トムのインタビューでしょうか。 [トム・ウェイツ]酔いどれ天使の唄 / パトリック・ハンフリーズ著、室矢憲治訳 大栄出版 デビュー前から1990年頃までを追った半生記。 Lost and Found vol.2 すでに廃刊になった雑誌ですが、1999年の最新インタビュー、1985年"Raindogs"発表時のインタビュー、1981年ロンドン旅行記の他、ジェリー・イエスター、チャックE.ワイス、マーク・リボー、グレッグ・コーエンのインタビューも掲載されています。 Switch vol.20 No.7 雑誌"Switch"で組まれたTom Waits特集で、2002年のインタビューが掲載されています(Switchでは、過去に数回、Tomの特集があるようです) ピアノ曲集 トム・ウェイツ PIANO SOLO "Closing Time"から"Rain Dogs"辺りの楽曲から代表的な30曲を収録したピアノ曲集です。 初期の楽曲はピアノが基調となっているので、"弾きたいけど楽譜が無いと・・"という方にオススメ。 レコード・コレクターズ 2010年 04月号 Tom特集が掲載されています。 ディスコグラフィー、ゲスト参加作品、初来日公演回想(麻田浩さん)など。 |