キーボードの技法 (レパートリー表付き) 合唱団の練習でピアノが無い部屋で練習するときにキーボードを使うことがたびたびあった。 怪我の功名?これによって新しい世界を発見した。 要するに、ピアノは「減衰音」であるのに対し、キーボードは「持続音」を含む様々な音色が使える。 これによって、その「持続音」が織り成すおとの世界を再発見したのである。 テクノロジーの発展でそんなに高価でなくてもそれなりに妥協できる楽器が今はあるのだ。 21世紀、ポリフォニーの克服と管弦楽法の習得が課題になっていたので、 早速 CASIO CTK-631 を購入して実験を始める。 するとこれがなかなか面白い。 特にメモリー機能を使って、「平均律」なんかこれでリアライズすると、これはもう全然違う曲だ。 「キーボードのメモリー機能による対位法的作品のリアリゼーションとスコアリーディング」 という新たなジャンルができた。合唱・弦楽四重奏・管弦楽の疑似体験 がこれでできる。各声部一つずつパート練習して音楽全体を自分のものにする可能性がある。 さあこれで様々なジャンルに挑戦してみよう! キーボード使用の利点 1.メモリー機能 ポリフォニーの曲(バッハなど)を1声部ごとに入力して、音の重なりを味わいことができる。またオーケストラ作品も楽しめるし、何度も繰り返して聞くことができる。 2.音色の選択 様々な楽器の音色を楽しむ事ができる。メモリー機能を使えばいくつもの音色の組み合わせも可能。デュナーミクは指の圧力でコントロールできる。 3.速度の選択 適切な速度をメトロノームひとメモリ単位で探す事ができる。 キーボード使用の限界 1.メモリーできるのが6トラックまでなので、6声以上のものは2声以上一緒に入力するなどの工夫が必要になる。 2.総音数のリミットがあるので1曲まるごとは入らないこともある。 3.音色は機械であることの限界がある。上手くいっているものもあれば、使えないものもある。 キーボード使用のコツ 1.多声の作品を入力するときには最初メトロノームを使って何回かインテンポで練習してから、メトロノームなしで入力する事をすすめる。 2.[049 STRINGS 2] がおすすめの音色。音の立ち上がりに時間がかかるので、ドルチェカント式に少し前から弾くと上手くアンサンブルができる。 3.多声の作品は入力の順序を変えると異なる局面が広がる。 2003年7月28日 見上潤 |
※ レパートリー表 (作曲家アルファベット順)
Bach
Chaikovskij
Faure
Palestrina
Ravel
Shostakovich
Verdi
トップページ ドルチェカントの技法 目次