L'Arc-en-Ciel,and Me

「DIVE TO BLUE」がすべてのハジマリだった。
新学期が始まりバスケにのめり込んでた頃。


その当時私はバスケをやっていまして。
準備運動のときに先生が音楽をかけてくれて。
いつも同じテープをかけるから曲は覚えてる。
その中に入っていたのが、くだんの「DIVE TO BLUE」でした。
さわやかでポップなのにボーカルの声がなんだか特徴的で、
この曲を誰が歌ってるとか知らなかったけど、いちばん好きだったんです。

ある日テレビからDIVE〜がかかってきて、いつもバスケん時かかってる曲だー!と
目を向けるとそこにはなんか綺麗なオニイサン。眺めているうちに曲は終わり、
バンド名と曲名がテロップに出る。なのに曲名はおろかバンド名すら読めない!
友達に聞けばなにかわかるかなと、気にもとめずにその日は終わり。


バスケは私の生活の中心で、
すべてをつぎ込んでいたといってもおかしくない存在。
事実、休みの日はバスケバスケという一年でした。
全国大会出場という目標を掲げて毎日のように練習して。
そんな中で忘れられなかったのは、運命なのかもしれない。


いつものように準備運動をしていたら例の曲が。
ふと隣にいた友達に聞いてみたんです。
この曲って誰が歌ってんの?名前読めなかったーとか言って。
本当に偶然なのだけれど、その子がラルクのファンで。
ラルクだよーラルクアンシエル!と教えてくれて。

でも一回じゃ覚えられず。は、らるく、え、あ、もう一回言ってという始末。
好きなの?と聞かれてこの曲は好き。
なんか綺麗なオニイサンが歌ってるんだねーと言ったら
そこから彼女によるラルク講義が始まり、興味が湧いてきたわけです。
L'Arc-en-Cielとやらに!


時は流れて1998年7月。時代を巻き込んだ3枚同時リリースの時。
あまりにも衝撃的だった。

世間ではGLAY現象だとか言われていたけれど、私の目に飛び込んできた、
L'Arc-en-Cielという存在は今まで見たこともないかっこよさと空気をまとっていた。
全然色の違うシングル3曲に引きつけられた。

改めて見たhydeというボーカルに魅せられたというのも大きい。
あの時、綺麗なオニイサンだと思った人はかなり好きな声をしていたのだから。
何とも言えぬ雰囲気に惹かれた。

けれど、小学生の財政ではCDを買うなんてとても無理で。テレビで聞けたらいいとこ。
なかなか手が届くようなものではなく、好きだなってくらいだったんです。
そんな私が今のような愛し、病んでいる状態になったのは、
翌年1999年7月にリリースされた「ark」「ray」という2枚のアルバム。
双生児のようでまったく違う性質を持ったこのアルバムは運命のアルバムだった。


偶然にも私の誕生日は7月。アルバムの発売日も7月。
誕生日プレゼントにねだるしかないでしょう!と親に頼んだんです。
アルバム名をメモに書いて渡して、学校から帰ってくるのが楽しみで。

あの日のことはすごく鮮明に覚えてる。山野楽器の紙袋に入ってたな。
暑い夏の午後、蝉時雨をBGMに袋から取り出したときの嬉しさは忘れられない。
初めて手にしたラルクのCD。世界があの日から少し違って見えた。


少し脱線するが、普段まったくと言って良いほどラルクに感心を示さない母親が
このアルバムを買いに行ったことだけは覚えているようで、未だに言われている。
彼女は感心はないけれど私のラルク好きを理解してくれていて、
遠出するときもなんだかんだ言いつつ協力してくれている。
これもあのアルバムがなければあり得なかったことなのかと思う。


話が逸れた。そこからは急降下していくようにラルクにのめり込んでいきました。
生活の一部になっていくのがよくわかった。一つ何かを知れば2倍になって好きになる。
今のような、音楽漬けの生活になっていったのもこの頃から。
彼らに触発されたのか、いろいろな音楽を聴くようになっていったんです。


聞けば聞くほどクセになる音楽。
ライヴでの圧倒的な存在感も、体を支配されるような、音に呑み込まれるような感覚も。
彼らはパンドラの箱のようだ。開けるまで何が起こるかわからない。


2003年7月6日。L'Arc-en-Ciel shibuya sevendays 最終日。
あの日ほど嬉しかった日はない。「ラルクがまた動き出す」その事実がただ嬉しかった。
期末テストと被ってしまい、それでも意地で参加した29日は特別な日。
kenちゃんの、メンバーみんなの、笑顔がやさしくて、やさしくて、うれしくて。
あの知らせを聞いて、パソコンの前で大泣きしたんだよ。嬉しすぎて涙が出たんだよ。


きっと私の心は12才だったあの日から何も変わっていない。
運命の7月。
自分の誕生日をもっと好きになった。
でもこれから先、もっと好きになれるような気がしてる。