Don't worry
「今以上あなたを愛してる」
なんか怖そうな人たち。髪長いし、男の人なのに化粧してて気持ち悪い。
それが第一印象。最悪じゃん。
でも違和感を与えたのは見た目とは裏腹なBELOVEDというあたたかな響きでした。
初めて見たときから2年後。世の中はGLAYで溢れていた。
どこを見てもGLAYという状況の中、私は彼らのことはあまり好きではなかった。
むしろ嫌いだったぐらいだった。どうしてもあのビジュアルが受け付けなくて。
JIROさんとHISASHIさんの濃いメイクがダメだった。
どうしても受け入れたくなかった曲に「HOWEVER」がある。
97年の夏にすごくすごく大切な人を失ったんです。
それはHOWEVERの発売から10日後のこと。
流れ続けるメロディと歌詞がどこかリンクしてしまって、
どうしようもない感情だけがあって。
聞くと彼のことが思い出されてイヤで仕方がなかったんです。
記憶がスッポリと抜け落ちてしまったあの時期の記憶として思い浮かぶのは、
彼の笑顔と父親の涙、そしてやけにリアルだったTERUさんの声、だ。
拒絶してしまった心に再び聞こうと思わせたのは「ONE LOVE」発売時のTVスポット。
今でも素敵なCMだったと思う。
シンプルで、でも何を言おうとしているのかがすごく伝わってきた。
中でもALL STANDARD IS YOUの、「あなたの幸せ願わない日はない」という言葉。
驚くほどかんたんに私の中に吸い込まれていった。あれだけ拒絶していたのに、だ。
タイトルがひとつずつ浮かび上がる。一つ、気になるタイトルがあった。
「君が見つめた海」何度も目にしたCM、どうしても気になるタイトル。
海が怖かった。彼の命が果てた場所だから。その畏怖が私には根付いている。
彼がどういう風に海を見ていたのか知りたくなったのかも知れない。
THINK ABOUT MY DAUGHERのメロディを聴いて、本当になんとなく
これが君が見つめた海って曲かもって思った。
春風という単語がそれを思わせたのかはわからない。
心に積もっていくおりが少しずつ高くなっていくことだけはわかっていた。
発売日から一ヶ月後。まがりなりにも高校受験を控えた受験生で。
冬期講習に毎日通い、勉強がすべてだった。
自分に対するご褒美でなにか買おうと思ってCDショップに寄った。
それが今に至るハジマリで。
最初はラルクのカレンダー買うかで迷ったんですよ。
今だったら店頭なんかで買わないけど、若かったからね!
考えに考えて「ONE LOVE」を購入。
あの時買わなかったら、と思うと不思議な気持ちになる。
何もかもが衝撃的。
GLAYってこんなにいい曲歌ってるバンドだったんだ。
もっと早く聞いてれば・・・
そう思わずにはいられなかったんです。
すんなりと受け入れている自分にも驚いたし。
ひとひらの自由を聞いて、初めて音楽聞いて泣いた。
メロディだけで泣いた。
共に笑ってた 共に戦った君が
そっと眠るように息を止めた
僕は悲しくて でもなぜだか泣けなくて
ただ安らかであるように祈るばかり
彼を亡くしたときの心情を言い当てられてしまった気がした。
本当にその通りだったから。現実だって認められなかったから。
なんで泣かないのかって影で言われてたの、知ってたし、泣けない自分がイヤだった。
どうして彼を想って泣けないんだろうって。
それを肯定してくれた気がしたんです。TAKUROさんなら分かってくれる気がした。
大袈裟かも知れないけれど、救われた。ちゃんと事実を受け入れられるって思った。
自然と涙がこぼれた。知らない間に付けてしまっていた枷が外れた気分だった。
GLAY RADIO COMMUNICATIONも私にとっては欠かせないもの。
この番組とONE LOVEがあったから今の私がいる。
なんとなく聞いてみたラジオ。あったかくて、すごく面白くて、すぐに好きになった。
卒業まで、あと少しを初めて聞いたときに聴いて。
泣いたよ。何回泣かせれば済むのよ。こんなん初めてだっつーの。
エキスポに初めて参加してみて、大好きすぎてヤバイ。
あんまりにも楽しすぎて、優しすぎて、ずるい。
彼らの優しさが好き。
彼らのあたたかさが好き。
彼らが、好き。
嫌いだったことを覆せるほど、彼らが大好き。