小さな、華奢な背中が夕闇に溶けてゆく。


振り返らないあなたのその強さが好きだと思った。
誰かの幸せそうなラブソング、お手軽な愛の偽造。
うっとうしい。聞こえる音すべてが耳障りだ。

空は太陽に染められドレスに着替える。
こんなにも眩しいのに。
今日だけは、空のせいにして子供のように泣いてもいいですか?


永遠なんてない。口ぐせのように口の中で繰り返す。
グッバイ・イルミネイション。
街の灯は人々の幸せを願っているようだ。

世界のどこかで朝が始まってゆく。
一日は朝のリレーだ。
僕たちは夜におびえはじめる。
空が逆さまになってしまえば、泣かずに済むのに。


あの人も、今頃空のせいにして子供のように泣いているのかな。