管弦楽曲
狂詩曲《シュロップシャーの若者》 Adrian Boult , Hallé Orchestra Rec.5 Mar. 1942
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1913年、ニキッシュによる《シュロップシャーの若者》の初演リハーサルに若き作曲家とともに立ち会ったのが、作曲家より4歳年少のボールトでした。 以来30年を経て録音されたのがこの録音です。 オケはボールトにしては珍しくハレ管です。 バルビローリ着任以前の、いわゆる「低迷期」のハレ管は、確かに限界を感じさせる部分が無くはないのですが、それでもボールトの棒によく反応しているようです。 作曲家の旋律美を、単なる甘い「夢」として描くよりも、もう少しドライに響かせているのは、指揮者と「時代」との相互作用なのでしょう。 [ 併収 VIA盤 ] Walton , RVW , Bliss , Elgar [ 併収 WARNER盤 ] とにかくいろいろ |
狂詩曲《シュロップシャーの若者》 Leopold Stokowski , NBC Symphony Orchestra Rec.13 Feb.1944 CALA : CACD0528 |
1936年にストコフスキーがNBC響に客演して全米初演を行ったこの曲の、アメリカでの2度目の演奏のライヴ録音です。 オケの響きがいささかドライなのは、録音というよりもこのオケの特徴なのでしょうが、そんな響きの中に夢見るような叙情を織り込ませる、ついつい忘れがちになりますが、ストコフスキーはここで立派に「イギリス」の指揮者をしています。 [ 併収 ] RVW , Antheil |
狂詩曲《シュロップシャーの若者》 田園詩曲《青柳の堤》 Adrian Boult , London Philharmonic Orchestra Rec.Nov. 1954 BELART : 461 3542 |
DECCA原盤の音源を、何の工夫もなく、ほとんどマンマで復刻したシロモノですが、これぞまさにボールト!とでも言いたくなるシャキシャキしたリズム感がたまりません。 ボールトらしさとバターワースらしさは相容れない部分も少なしとはしませんが、少しせかされるような部分も、生き急がされてしまった作曲家の人生を振り返っているものとして聴くことができれば・・・はまります。 [ 併収 ] Bax , Holst , RVW , Elgar |
狂詩曲《シュロップシャーの若者》 ジョン・バルビローリ指揮 ハレ管弦楽団 録音 1956年6月20日
EMI : CZS4577672 |
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メンバーを大幅に入れ替えて立て直したハレ管を歌わせたバルビローリは、ボールトとは随分異なったアプローチです。 素直にバターワースの歌謡性に寄り添って、心行くまで耽美の世界に浸れます。 テイチク盤はDELIUSの《田園詩曲》から始まり、バックスの交響詩《ファンドの園》を経て《シュロップシャーの若者》にいたる、至福の一枚です。 故・三浦淳史さんの懇切な解説とあわせて、忘れることの出来ない一枚です。 PRT盤はRVWの第8番の交響曲をメインに、バックスの《ファンドの園》を経て《シュロップシャーの若者》でアルバムを締めくくります。 M.ダットンのリマスターとなっていますが、テープ・ヒスなどはそこそこ聴こえます。 nixa盤はテイチク盤の曲目にさらにエルガーのエレジーがカップリングされ、収録順もかなり異なっており、バターワースはDELIUSの《田園詩曲》と共にアルバムの中核を担っています。 基本的にはPRT盤と同じリマスター音源だと思うのですが、テープ・ヒスはやや抑えられ、その代わりにオカの響きが少々ドライに聴こえます。 バルビローリ協会盤はM.ダットンの新しいリマスターによって従来盤より随分抜けの良い音になりました。 その分、年代相応のマスター・テープのアラも目立ってしまった感があります。 ライナー裏に収録された《シュロップシャーの若者》とバックス《ファンドの園》の初出盤のジャケット写真は一見の価値あり。 Pye/nixa系の音源は1990年代にEMIに吸収され、廉価盤の音源として活用されますが、《シュロップシャーの若者》がEMIからCD化されたのは2010年に発売された10枚組みのボックスが初めてです。 ボックス化に際して、新たにリマスタリングがされ、ライナーに録音データを1957年12月としていますが、これは同じPye音源のRVW/ロンドン交響曲のデーターと混同したものでしょう。 [ 併収 テイチク盤 ] DELIUS, バックス [ 併収 PRT盤 ] RVW : Symphony No.8, BAX : The Garden of Fand [ 併収 nixa盤 ]DELIUS , Elgar , Bax [ 併収 Barbirolli Society盤 ]Bax , Ireland , RVW , Elgar [ 併収 EMI盤 ] とにかくいろいろ |
田園詩曲《青柳の堤》 Adrian Boult , London Philharmonic Orchestra Rec.26 Nov. 1969 IMP : BBCRD9119 |
1937年にNight爵を得ていたボールトは、このライヴ録音の年にはCompanion
of Honourに叙せられ、その長い指揮生活の最終段階に入りつつありました。 この《青柳の堤》では、かつての《シュロップシャーの若者》の録音で見せた解釈性は後退し、かわりに円満で充実した響きに曲を乗せて、バターワース本来の甘い「夢」を再現しています。 [ 併収 ] RVW , Leigh , Warlock , Finzi |
狂詩曲《シュロップシャーの若者》 田園詩曲《青柳の堤》 ネヴィル・ディルクス指揮 イングリッシュ・シンフォニア 録音 1971年6月3日
東芝EMI : TOCE-6419 |
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ディルクスは設立10年目をむかえた手兵とともに、若々しく力つよいバターワースを聴かせてくれます。 少々早めのテンポで突き進む《シュロップシャーの若者》は、まるで早逝した作曲家自身を歌っているかのようです。 また、《青柳の堤》では一転して落ち着いたテンポをとり、オケの歌いすぎを抑制しながら、バターワースの管弦楽法と民謡《緑の茂み》の主題との絡み合いを美しく描き出しています。 初CD化は"GREENSLEEVES"と題された「イギリス音楽」のオムニバス盤。 バルビローリとボールトという大看板に挟まれて、ディルクスのバターワースがひっそりと佇んでいます。 と、思っていたら、オークションで見つけた英EMIのSTUDIOシリーズ盤も上記盤同様に(C)1988となっているので、前後関係は不明。 下の日本盤と同じカップリングです。 日本でのCD化は、《イギリス音楽の詩情を求めて》と題されたシリーズの第二弾の中の一枚で、おそらくこれがオリジナルのアルバムのカップリング。 第一弾ではビーチャムのDELIUSをはじめ、それなりに定評のある録音が多かったのに対して、この第二弾ではいよいよ「英国音楽」のマイナーさを実感させる、知られざる名曲ばかりでした。 [ 併収 EMI盤(左) ] RVW , DELIUS , Elgar [ 併収 EMI盤(右) ] Moeran [ 併収 東芝EMI盤 ] モーラン : 交響曲ト単調・小管弦楽のための2つの小品 |
2つのイギリス田園詩曲 田園詩曲《青柳の堤》 狂詩曲《シュロップシャーの若者》 Adrian Boult , London Philharmonic Orchestra Rec.Jun. 1973 Lyrita : SRCD.245 |
ボールトによるバターワース演奏の集大成。 English Idyll No.1冒頭ではボールトらしい律儀なリズムの刻みも聴こえてきますが、No.2やThe
Banks of Green Willowでの夢見心地な歌謡性、堪りません。 永らく復刻を待たされたLyrita盤ですが、CD-Rでの供給という点が少々残念。 [ 併収 ] Hadley , Warlock , Howells |
田園詩曲《青柳の堤》 アンドレ・プレヴィン指揮 ロンドン交響楽団 録音 1976年12月
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BBCの人気番組"ANDRÉ PREVIN'S MUSIC NIGHT"を基にセッションを組まれたアルバムの第2弾、いかにもクラシック入門らしい有名曲が居並ぶなかに、チョコンとバターワースが挟まれています。 プレヴィン時代の、という注釈が要らない位、ロンドン響がその持ち味を発揮して存分にバターワースの世界を歌い上げています。 本国のEMIからは、1970年代のプレヴィン/LSOによるイギリス音楽を集成したアルバムのなかの1曲としてCD化されています。 [ 併収 東芝EMI盤 ] グリンカ, バーバー, ファリャ, ドビュッシー, J.シュトラウスU [ 併収 EMI盤 ] RVW , Elgar |
田園詩曲《青柳の堤》 Norman Del Mar , Bournemouth Sinfonietta Rec. Jan. 1978 CHANDOS : CHAN6566 |
デル・マーとボーンマスのコンビは、同じCHANDOSレーベルへのDELIUSの録音で、実に渋い名演を残しているのですが、ここではもう少し気楽に、いくつかの主題の書き分けを楽しんでいるかのようです。 弦セクションの薄さと腰の弱さが惜しまれます。 [ 併収 ] Bantock , Bridge |
狂詩曲《シュロップシャーの若者》 2つのイギリス田園詩曲 田園詩曲《青柳の堤》 ネヴィル・マリナー指揮 アカデミ室内管弦楽団 録音 1978年
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マリナーは残されたバターワースの管弦楽作品を全て録音しています。 巷間その曲作りにいろいろ言われることの多い指揮者ですが、このレコードは文句なしにお薦めです。 私にとっては特に《シュロップシャーの若者》はベスト盤です。 バルビローリのように情緒たっぷりに歌い上げるのではなく、この小品の曲の構造を浮かび上がらせるように、それでいて堅くはならずにじつに巧く歌い上げています。 マリナーのこう言った手法がどのような曲でも成功しているということはないのですが、このバターワースは大成功といってよい例でしょう。 おそらくargo原盤だとおもいますが、このころのマリナーのこの手の仕事は、きちんと意味のとれるものも多いように思います。 [ 併収 ポリドール/LONDON盤 ] ウォーロック・ブリテン [ 併収 DECCA盤 ] Six Songs from A Shropshire Lad , Bredon Hill and other songs |
イギリス田園詩曲 第1番 Carlos Kleiber , Chicago Symphony Orchestra Rec.2 Jun. 1983
MEMORIES : ME1010 |
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クライバーがシカゴ交響楽団に再演した際のライブ録音です。 初出のARTISTS盤は日付を1978年としていますが、これはシカゴに初客演したデータで、そのときはシューベルトとベートーヴェンだったはずです。 なぜこの顔ぶれで、この曲を・・・というのは謎なのですが、軽めのテンポをとりながらも、ときおりゴージャスな響きを聴かせているあたり、このオケらしくて微笑ましくさえあります。 Golden Melodram盤はARTISTS盤からのコピーのようですが、上記の日付の誤記をそのまま引き継いでいるあたり、いかにも海賊盤らしくてほほえましい感じがします。 音質改善を期待して三度目の正直で購入したMEMORIES盤は、データのミスはようやく修正されましたが・・・ノイズを抑えた分、少々ピントの甘い音像となってしまったのが残念。 [ 併収 ARTISTS盤 ] Verdi , Berg [ 併収 GOLDEN Melodram盤 ] Schubert , Beethoven , Haydn , Borodin , J.Strauss , Mozart , Mahler [ 併収 MEMORIES盤 ] Schubert , Beethoven , Mozart , Brahms |
田園詩曲《青柳の堤》 2つのイギリス田園詩曲 Jeffrey Tate , Enslish Chamber Orchestra Rec.15&16 Aug. 1985
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《イギリス音楽の詩情を求めて》の一枚として国内盤で出たときは、「内田光子の伴奏指揮者がなんで?」と訝ったきりでした。 当時はそれくらい内田光子とのモーツアルトの協奏曲録音が脚光を浴びまくっており、なかなかそのイメージから抜け出せませんでした。 ようやく再会したこの録音、出会うまでに遠回りをしたことが悔やまれるくらい、良い出来です。 小編成オケとしてのイギリス室内管の腕達者はブリテンとの共演の頃から変わっていないようで、テイトもオケの腕を信じきっているようで、実にのびのびとした演奏を聴かせてくれます。 下のジャケットはEMIの音源から集められた"THE VERY BEST OF BRITISH"と題された"CLASSSIC CD"誌の付録です。 DELIUSは一曲も選ばれずに、バターワースの《青柳の堤》が選ばれているあたり、一つの見識なのでしょうか。 [ 併収 EMI盤 ] Moeran , Bridge , Bax [ 併収 CLASSICAL CD盤 ] Sullivan , Parry , Sridge #FFFFE0;ford , Elgar , Wood , RVW , Britten , Turnage , Maw |
イギリス田園詩曲 第1番 Carlos Kleiber , Bavarian State Orchestra Rec.10 Mar. 1986 VIBRATO : VLL217 |
クライバーがバイエルン国立管に客演した際のライブ録音です。 シカゴ響以上にオケが苦労している感じが・・・。 それにしてもクライバー、よほど好きだったんでしょう、バターワースのこの小品が。 ちなみにこのCDはCD-Rで供給されているいわゆる「海賊盤」。 同日の全プログラムが収録されていますが、シューベルトがそこそこの他は、自分にとっての大本命のバターワースも、ほとんどの人にとっての大本命のブラームスも、かなり持続ノイズがのっており、電波状態の悪いラジオ放送そのもの。 もう少しマシな状態の音源が出れば盤全体の印象も変わると思いますが・・・現状では、あくまでバターワースのコレクター向け。 [ 併収 ] Schubert , Brahms |
狂詩曲《シュロップシャーの若者》 田園詩曲《青柳の堤》 2つのイギリス田園詩曲 William Boughton , English String Orchestra Rec. 27-29 Jun. 1986
isis : CDN02 |
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ボートンと手兵によるこの演奏は、えらくまた雄弁です。 ボートンが育て上げたこのオケは、弦の響きに独特な透明感がありますが、このCDではその中から叫ぶように浮かび上がってくる管が、少し唐突な印象を与えます。 あるいはバターワースの「若さ」を強調したかったのでしょうか。 が、かえってバターワースの構成力の少々物足りない点が目立ってしまったようにも聴こえます。 それとこのCD、録音のボリュームがヘンに小さいので、勢い普段よりボリュームを上げての鑑賞となりますが、そうするとまた上記の特徴がヒトシオです。 "THE SPIRIT OF ENGLAND"と題された4枚組みのボートンのオムニバス盤には、《シュロップシャーの若者》と《青柳の堤》が、DELIUSとフィンジに挟まれて収録されています。 isis盤は《青柳の堤》だけを借りたナショナル・トラストの資金集めCDです。 こちらでは常識的な音量で収録されています。 [ 併収 Nimbus盤(左) ] Parry , Bridge [ 併収 Nimbus盤(右) ] とにかくいろいろ [ 併収 isis盤 ] RVW , Coates , DELIUS , Elgar |
田園詩曲《青柳の堤》 Charles Groves , English Sinfonia Rec. 22&23 Sep. 1988 IMP : PCD2017 |
晩年のグローヴスがその育成に全力を傾けた手兵との録音です。 おおらかな暖かさを感じさせる演奏は、きちんとした技術が伴ってこそであるということが、この録音からは良く判ります。 少々あざとい選曲のこのCDのなかで、グローヴスの適性がどこにあったのかを、バターワースが教えてくれます。 必ずしもポストに恵まれたとはいえないグローヴスが最後に辿り着いた手兵との、穏やかな幸福がここにはあります。 [ 併収 ] Faure , Elgar , DELIUS , Ravel , Warlock , Satie |
2つのイギリス田園詩曲 狂詩曲《シュロップシャーの若者》 田園詩曲《青柳の堤》 グラント・レウェリン指揮 ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団 録音 1991年9月 DECCA : UCCD-8011 |
たった4曲しかないのに、なかなか一堂に会することが無いバターワースの管弦楽作品がこのように並べられるのは、マリナー盤以来2度目なのではないでしょうか。 ともにargo原盤で、DECCA(LONDON)名義に書き換えられるなど、因縁を感じさせます。 レウェリンはオケの規模を生かしたゆったりとした演奏を聴かせてくれますが。 手元のCDは近年の再発盤ですが、ライナーはargo盤初出当時の三浦淳史さんのものがそのまま残されています。 一部事実誤認があったりもしますが、晩年になってもかわることなくバターワースを愛しつづけた三浦さんらしい文章は、このままいつまでも使いつづけて欲しいものです。 [ 併収 ] テイラー・マッカン |
田園詩曲《青柳の堤》 Kenneth Page , Orchestra da Camera (C)1996 Meridian : CDE84330 |
"Music for England"の副題の下、錚々たる名作曲家の作品を集めたアルバムのタイトルとして謳われたのがバターワースの"Banks
of Green Willow"。 厚みの有るオケではありませんが、そこは思い入れでカバーしているかのようです。 [ 併収 ] Handel , DELIUS , Elgar , Parry , Jeffreys , Clementi |
田園詩曲《青柳の堤》 Richard Hickox , London Symphony Orchestra Rec. 18&19 Dec. 2000 CHANDOS : CHAN9902 |
RVWとバターワースとのかかわりについては別に触れましたが、そのRVWが後に若くして散った友人の追悼に捧げた曲
― ロンドン交響曲 ― の初稿版とのカップリングです。 マーケットの需要から考えれば、当然メインはRVWの作品なのですが、初稿版の再構築へのかかわりと、その後の献呈とを考えれば、このアルバムの真の主役はバターワースとして捉えることも出来ます。 格別な解釈を持ち込むことなく、純粋に音として再現された時に曲自身が放つ美しさを、ヒコックスとLSOとが教えてくれます。 [ 併収 ] RVW : A LONDON SYMPHOHNY |
田園詩曲《青柳の堤》 Christopher Warren-Green Royal Philharmonic Orchestra Rec. 20&21 May 2002 apex / Warner : 2564 61437-2 |
指揮者のウォーレン=グリーンが、というよりも、オケがノビノビと自分達の音楽を楽しんでいます。 明るく歌い上げる弦楽合奏に絡む管楽器ソロの音色の絶妙さ、優秀な録音も手伝って、十分に堪能できます。 [ 併収 ] RVW ,Britten , Elgar , Holst |
狂詩曲《シュロップシャーの若者》 2つのイギリス田園詩曲 田園詩曲《青柳の堤》 Mark Elder , Hallé Orchestra Rec. 11&12 Oct. 2002 Halle : CDHLL7503 |
《シュロップシャーの若者》でエルダーは意外にゆったりとオケを歌わせ、じつに儚げな風情を湛えた演奏を聴かせてくれます。 DELIUSがフィルアップされているので、オーケストレーションという点ではどうしても聴き劣りする部分がありますが、代わりにDELIUSのように世界観を突き抜け切れなかったバターワースならではのほろ苦い人生の息吹を感じさせてくれます。 [ 併収 ] DELIUS,Grainger |
2つのイギリス田園詩曲 John Wilson , Royal Liverpool Philharmonic Orchestra Rec. 7-8 Apr. 2010 AVIE : AV2194 |
"Idyll"〜《田園詩曲》のタイトルに流されること無く、曲の持つコミカルな側面を際立たせた楽しい演奏です。 アルバムの中ではウォルトンの快活な序曲からDELIUSの《楽園への道》へとつなぐ役割をしているので、いっそうそう感じられるのかもしれません。 [ 併収 ] Walton, DELIUS,Bax, Elgar, RVW ,German |
田園詩曲《青柳の堤》 Keith Lockhart , BBC Concert Orchestra Rec. 14 Feb. 2013 狂詩曲《シュロップシャーの若者》 2つのイギリス田園詩曲 Andrew Manze , BBC Scottish Symphony Orchestra Rec. 1 Nov. 2012 , 20 Oct. 2011 BBC music : Vol.24 No.4 |
バターワース(とマッカン)の100年忌のために編集されたBBC musicの付録CDです。 マンゼの《シュロップシャーの若者》はえらく盛り上がっていますが、ライヴだから・・・なんでしょうか?。 [ 併収 ] MacCunn |
狂詩曲《シュロップシャーの若者》 ヒラリー・ダーヴァン・ウェットン指揮 ロンドン・モーツアルト・プレイヤーズ Rec. 11 & 12 July 2014 NAXOS : 8.5734264 |
"FLOWERS OF THE FIELD"と題された、第1次世界大戦にまつわる作品を集めたアルバムの嚆矢を飾るのがバターワースです。 声楽を伴う作品ばかりの中で、純管弦楽曲である《シュロップシャーの若者》こそ見せ場!とでも思ったのか、LMPが大いに張り切っています。 が、LMPの編成の小ささは万人周知のこと、小編成の良さを生かした演奏のほうが良かったのかもしれません。 フィンジの室内レクイエムの前奏を聴くにつけ、そう思います。 [ 併収 ] フィンジ, ガーニー, RVW |
田園詩曲《青柳の堤》(室内楽版) 弦楽四重奏のための組曲 ホーレンシュタイン・アンサンブル Rec. 2014 ACOUSENCE : ACO-CD12315 |
"LOST GENERATION"と題された、第1次世界大戦で若い命を散らした3名の作曲家に焦点を当てたアルバム。 アルバムを企画したホーレンシュタイン・アンサンブルのためにフェリックス・コリンスによって編曲された《青柳の堤》、そして秘曲《弦楽四重奏のための組曲》、ともに初録音曲となります。 編成をそぎ落とされた《青柳の堤》は、よりノスタルジックに、《シュロップシャーの若者》よりの表情を見せてくれます。 5楽章からなる弦楽四重奏のための組曲は、無理につじつまを合わせてソナタ形式にしないことで曲想の自在さが引き立っています。 [ 併収 ] ルディ・シュテファン, セシル・コールズ |
管弦楽のための幻想曲(Martin Yates版) Martin Yates , Royal Scottish National Orchestra Rec. 24 & 26 Aug. 2015 DUTTON / EPOCH : CDLX7326 |
バターワースは出征前に草稿類を全て処分した・・・はずだったのですが、オックスフォードのリイブラリーに93小節分のオーケストラ・スコアの断簡が残されていたそうです。 これをもとにYates(←なんて読むのでしょうか?)が補筆・完成させた、演奏時間にして16分を越える大曲です。 時々「おっ!」と思わせるおなじみの節が顔を見せたりして、全てが全てバターワースの作品とは認められないものの、バターワース好きを十分に楽しませてくれる作品です。 [ 併収 ] Cyril Scott, Bax |