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ベテルギウスはもう無いかもしれない

君と君の好きだったあの星はもう無いかもしれない

君のパパが子供を殺した
君もこの町から突然消えた
一度だけ二人で見上げた星空
願いは叶わなかった

暴かれる家族のアルバムと
燃え上る解体のバスルーム
君の顔も名前も変わるだろう
たぶん二度と会えない

泣くな　生き物だろう
生まれ生まれ始まりに暗く
死んで死んで死の終わりまた冥く
なお冥く

愛別離苦をつみ重ねながら
怨憎会苦の日々が流れていく
忘れないと決めたことさえ忘れ
百年前の光を観ている
聞こえた音は鳴りやんでいるんだよ
届く報せも色褪せているんだよ
解る前に命など尽きるだろう

君と
ベテルギウスはもう無いかもしれない

wrote 2020.05.28

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