★デスベアCDレビュー★

さよならガール


SentimentalBus:さよならガール


07. WEED CROWN
08. YELLOW TRAIN
09. Silver Snow
10. 月の空ライダース
11. マニアック問題
12. 半ズボン


01. SunnydDaySunday
02. サイクリングビート330
03. さよならガール
04. SUMMER TIME KIDS STORY
05. 飛行機雲とチワゲンカ
06. 400.000.000ロック


センチメンタルバスのセカンドで、ラストアルバム。一部のファンにはDMが届いたが、ほとんどセンチメンタルバスの解散はフェイドアウト同様かもしれない…
このアルバムを聴いたら解散の事実が非常に惜しまれる。いい作品だ。
前作ではやりたいことをやって、幅広い顔を見せたが、裏を返すとそれは「散漫」だった。ということで、今回は「鍵盤ロック」というコンセプトを掲げた作品である。

まずポカリスエットタイアップから、果ては甲子園の応援歌にまで。大ヒットシングル「SunnyDaySunday」から幕を開ける。このギターにはなんとローリーも参加しているのでエンディングのギターソロは必聴!
続くサイクリングヒート330はその名のとおり自転車ソング。軽快な調子で飛ばしていく。アキノリのピアノがその影で結構激しくて、ラストのあおりもあり、ライヴでは盛り上がる。
そしてアルバムタイトルにもなっている「さよならガール」。ガール(少女)に別れを告げて「大人の女性」といわれる年齢に差しかかるNATSUの微妙な女心を描いた曲。同姓ならこの曲の良さが倍増するのではないか?この曲に代表されるようにNATSUの歌詞は凄く小さな、繊細な「こころ」を唄っているのがおおい。
男ながら歌詞に胸を打たれることも少なくない。

シングルとしてスマッシュヒットを飛ばした5,SUMMER TIME KIDS STORYはサウンドの随所にアキノリのこだわりが垣間見れ、サーフギターを導入した「サーフ・パンク」に仕上がっている。センチバの持つパンキッシュな部分、キュートな部分、そしてメロウな部分というのが細かく散りばめられた曲。
SEとして受け取っていいのか1曲として受け取っていいのかよくわかんないが、4億ロック。これは意図的に歌詞が掲載されてないのでイマイチ難解だが、まさか!?と思えるほどライヴで盛り上がる。
…ライヴで盛り上がるといえばSunnyDaySundayか「これ」か…「WEED CROWN」である。暴走タイフーンな感じ。これをシングルにもってくるあたりこのバンドのセンス凄い。
5、飛行機雲と、8、YELLOW TRAIN、9、SilverSnowはどっちかっていうとNATSU色が凄く前面に出ている。テンポはミドルだから、余計に胸にすんなり言葉がはいってくる。特にYELLOW TRAINは大好きだ。
10、月の空ライダースはまさかまさかのアキノリがメインヴォーカル。歌詞もアキノリが唄うことを考えて書いたそう。特に盛り上がりもないが、新鮮で、やはり「センチメンタル」を感じる。NATSUもしっかりとバックコーラスでちゃんと入っている。唄入れの時に役作りのためにライダースを着てきたアキノリだが、服のスレる音がダメだという事で結局脱いで唄ったらしい(笑
終了と同時に入ってくるイントロはSOTECのCMでヒットした「マニアック問題」。WEED CROWNほどではないが、暴走パンクポップチューン。SunnyDaySundayの次ぐらいに耳にしたが多いのではないか?男女の気持ちの行き違い。オタクな男に意地っ張りな女。なんともみてて微笑ましいじゃないか。…どちらかというとこの中に出てくる男が自分とかぶってしまうのがやや不安だが…

ラストは前アルバム「花火」と同じようにスローテンポで締めくくる。
小学生ぐらいの「転校」を描いたセンチな曲である。暖かい、暖かい、そして小さいけど、本当に大切な少年少女の友情?愛情?が日本地図のどこかに行ってしまう。何気ない出来事が切ない思い出に変わってしまう。強がりの下の寂しさ。なんて切ないんだろうか。

このアルバム制作時には解散のことはおそらく考えてなかっただろう。だけど結果としてこのラストは解散当時少し辛かった…
ちなみに今聴いても全然色褪せてません。ガールズポップ・パンクが好きなら是非。