★デスベアCDレビュー★

Light Beyond


ObscureFirm: Light Beyond


06, CAVE
07, Sound Effect
08, Voice
09, Vain
10, Idiot


01, Wipe Door
02, Light Beyond
03, Rest
04, Walkin'
05, Blue Flame


OBSCURE FIRMのインディーズファーストアルバム
ノイズ+アンビエント+柔らかなVoiceが入り混じる混沌とした作品に仕上がっている。
ヴォーカルレスで始まるSEはビデオテープの始まりのような雰囲気で、真っ黒な空間に一筋の光が入る。徐々に光は強さを増してきて2曲目の「Light Beyond」へとつながっていく。

ワイヤブラシのようなサウンドが平穏な波のような中、意外にノイジーなギターが違和感なく絡み合い始まる「REST」
ぐちゃぐちゃな「困惑・疑念・混沌」というようなサウンドのオープニングから一転リズムと、声とシンプルな楽器しか鳴っていない落差。柔らかな声を押し上げるような深みのある暖かな木琴のような音。かと思えばノイズギターが挿入される。とことん困惑を極めたすばらしい「あるがままの人間」の姿が「Walkin'」のサウンドはあらわしてるように思う。

ディレイとリヴァーヴが深くかかり、奥行きと性急さを感じる「CAVE」
一方のギターは延々アーミングのような効果でベンドしまくっていて、もう一方では残響音を残して奥行きを表現している。
ヴォイスのリズムは一定ではなくフィーリングで歌っているような雰囲気だ。気持ちのいい渦巻きにはまっていく気分である。アルバムの中でかなり好みだ。

WipeDoorとは雰囲気の違うインストゥルメンタルの「SoundEffect」スパンスパンと軽快なアタック音と、民族楽器のような音がいりまじり不思議な疾走感を放つ。
そして「Voice」。雄大な優しさが包みこんでくれる。やや舌ったらずの、甘い声に包まれる感覚はまるで母親にゆっくり抱かれるような感覚。人肌の温かさを感じる名曲である。
ラストはファンの間では1番人気とも言える「Idiot」。アコースティックギターに乗せて落ち葉のような、だけど寂しさはあまり感じないメロディ。ダレもがこの曲を「いい」というのは聴けば分かる。良さに理屈はないのだ。いいのだ。
…ただし、この曲の歌詞を見ると少し驚いてしまう。まさかそういう内容とは。気になる人はCD買って確認して見てください。

10曲中唄が入ってるのは8曲だが、物足りなさは感じない。
全体的に混沌とした世界が広がっているがそれだけではない。暖かな深みも感じれるはずだ。
ジャンルでいうといわゆるアンビエント(空間音響系)だが、ダレでも聴けるような作品だと思う。
SUNCOさんのセンスと、Naoyaさんのセンス、ミカミさんのセンスが交じり合い生まれるものは素晴らしい。