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Dizzy Up The Girls


DIZZY UP THE GIRLS:Dizzy Up The Girls




01. Intro
02. プレスプートニック
03 . アンソロジー
04. 月夜
05. LEFT BEHIND
06. 体温  


DizzyUpTheGirlsのライヴ会場限定のミニアルバム。1000円で6曲(1曲インスト)とはなんとリーズナブル。音質も結構よく、当然手作りではなくきちんとしたプレスだ。
これはどういう経緯で流通にのらなかったのかはわからないが、こんないい楽曲たちが世に出る出口が凄い狭いことが悔やまれる。

伸びのあるヴォーカルが凄い印象的で、ヴォーカル國分 祐の迷走詩人っぷりがよく見える、暗闇をもがいて必死に先を開こうとしているような前向きさがすごいある(正味の)オープニングソング「プレスプートニック」から始まる。
そのままリフが印象的で、ライヴ映えするであろう「アンソロジー」へと続く。イントロのリフもさることながら、「プレスプートニック」以上に伸びるさびのメロディのバックでなるギタープレイも必聴だ。
展開も豊富で不思議な情景が浮かぶ。
こういうバンドでは音がパートによっては潰れるのも多いが、Dizzyは録音の技術も良いのか、ドラムの音のヌケが軽くなく、でも良く抜けていい感じである。
個人的にサビ後半のヴォーカルとコーラスの掛け合いとハーモニーは大好きだ。

最近の若手では勢いだけのバンドが多い中、きっちりと聞かせる「月夜」。この曲は7分にも及ぶ大作だが、その長さを感じさせないバラードに仕上がっている。
「プレスプートニック」「アンソロジー」とは少し違う、ややかげりのある「LEFT BEHIND」へと続く。
「LEFT BEHIND」はいい曲だが、國分君のセンスであれば、あえて英語の箇所は英語にせず、日本語のもっといいセンスのある言葉を使ってドキッとさせられたいと思った。あくまでも欲を言えば、であるが。

最後はディスコ風サウンドでのったりしたリズムが気持ちがいい「体温」である。
ギターが細かい技を見せ、ベースも一番来て欲しいところのつぼを押さえている。前半の曲ほどは前に出てきてはいないが、地味にボトムを締めているドラムも中々である。
ややメランコリックなメロディで淡々と進んでいって、後ろ向きさをみせながら流れ込むサビのメロディにはいるポイントがたまらなく気持ちが良い。この曲はDizzyの王道かどうかわからないが、アルバムの一曲で収まるレベルの曲じゃない。

本当に出るところに出たらバカ売れするんじゃないかというぐらい間奏の展開もドラマティックだし、とにかく良いのだ。
最初にも書いたが、幅広い層に届く流通にのっていないのが本当に悔やまれる。(2004年11月現在)サイトでの視聴もできないし、気軽に購入はできないが、それでもやはり多くの人に聞いてもらいたいと強く願うアルバム(バンド)である。