ホワイトホール

ホワイトホールとは?

 ブラックホールという天体はご存知かと思われますが、ホワイトホールという言葉は聞いたことがあるでしょうか? ブラックホールとは、すさまじい重力によりあらゆるものを吸い込むようになってしまった天体です。 ホワイトホールはその逆で物質を放出しつづける天体として考えられてきました。 その候補として近年宇宙のはるか彼方に非常に高エネルギーを放出しつづけいている天体が続々と発見されています。 その天体をクエーサーといい、この天体ひとつで銀河ひとつに匹敵するほどのエネルギーを放出しているというのです。

ホワイトホールはブラックホールの出口?

 エネルギー保存の法則や質量保存の法則がある限り、物質を放出しつづけることなどはありえません。 そこでクエーサーと呼ばれる天体のエネルギーの供給源はブラックホールではないかと考えられたのです。 ブラックホールは非常に重力の強い天体です。その強すぎる重力のためブラックホールの中では時空間に歪が生じ ワームホールという時空の虫食い穴ができるのではないかといわれています。このワームホールというものは 「同じ時間の違う場所をつなぐトンネルのようなもの」といわれています。SFでよく言われるワープトンネルのような ものです。この出口がクエーサーではないかと考えられていました。

ホワイトホールは巨大なブラックホール?

 最近になってホワイトホールは、「実は超巨大なブラックホールではないか」という意見が出るようになってきました。 その意見では、物質はブラックホールに近づくにつれ運動エネルギーが爆発的にまし、事象の地平面付近では莫大なエネルギーを放出するらしいのです。 そのエネルギーはブラックホールの規模が大きければ大きいほど莫大なものとなるようです。 クエーサーがブラックホールであるとなると、その大きさは太陽系並になるそうです。 現在最も近い距離にあるクエーサーで8億光年彼方と言われています。つまり今見ているクエーサーは8億年前の姿なのです。 もしこの意見が正しいとするなら、この超巨大ブラックホールは辺りの物質を吸い尽くしてクエーサーは消滅しているかもしれません。
 現在の段階ではなんともいえませんが、ホワイトホールの存在にはブラックホールが密接に関係しているようですね。
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