ダークマター

暗黒物質ダークマター

 宇宙には銀河、恒星、惑星等の数多くの天体が存在しています。実はこれらの「目に見える」物質の質量は、 宇宙全体の質量の4%にしかならないというのです。宇宙全体のおよそ20%は「目に見えない」ダークマターと呼ばれる暗黒物質、 残りの70%強は暗黒エネルギーだといわれています。宇宙はこれらの暗黒物質や暗黒エネルギーに満たされていると考えられています。

なぜダークマターは考えられたのか?

 その昔アインシュタインが宇宙の膨張の速度を計算しようとしました。しかし、どのように計算しても宇宙は縮んで一点に集まってしまう計算にしか到達できなかったのです。 そこで彼は「宇宙にはまだ正体不明の見えない物質やエネルギーがあるはずだ」ということで、その不明な部分を宇宙定数(ハッブル定数ともいう)として定めました。 彼はこの宇宙定数を付け加えたことを「生涯最大の過ち」としていたが、近年の観測技術の発達により、この宇宙定数は脚光を浴びるようになりました。
 

ダークマターによって宇宙の年齢が分かる。

 ダークマターの存在により、宇宙定数の値がおよそ71であることが、変光星や超新星を用いた観測により求められました。 その宇宙定数より、宇宙の年齢を計算すると約137億歳(±1.5%)となることがわかりました。もし仮にダークマターや暗黒エネルギーを計算に入れなければ、 宇宙の年齢は100億年を切ってしまい、古い銀河や遠方のクエーサーよりも若いといった矛盾が生じるのです。

 現在はダークマターや暗黒エネルギーの正体は明らかになっていません。超巨大なブラックホールという説や、真空のエネルギーという説、 エーテルではないかという説と様々な仮説や推測がなされています。宇宙はまだまだ謎に包まれています。
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