もりげきライブ. No.111

SSOMの「どフォーク大全集」

SSOMさんのお誘いで、「もりげきライブ」に出演させていただくことになりました。「もりげきライブ」とは盛岡劇場タウンホールにおいて月一回開催されるライブイベントです。主に盛岡市内の有名ミュージシャンが出演し、そのクオリティの高さはかなりのもの。花巻市を拠点とするKW2Uには出演など及びもしなかったところ、ゲストとしてお招きいただきました。気合いと緊張感タップリで臨みました。

SSOMさんのタカハシさん、エンディさんとは昨年夏の「中津川べりフォークジャンボリー」から東和町ライブ、フラニーライブを通じて仲良くなった間柄です。今年になり新設された「SSOM四畳半トーク」という掲示板では「四畳半部屋を模したステージを作って、そこで懐かしいフォークを歌いたいねえ」というライブ構想が盛り上がっていたのでした。それが、たまたま進行中だったSSOMの「もりげきライブ」出演にリンクしてこの企画の実現となったわけです。企画に早くから大乗り気だった盛岡フォーク界の大御所、荒谷さん率いる「荒谷正勝とその社中」も共にゲスト参加です。

場面設定は1978年、二人の若者が女の子にモテたい一心でフォークイベントに出演するために四畳半部屋であれやこれや練習をしているところに、お客さんが遊びにやってくる、というものです。この舞台コンセプト自体がなつかしの「欽どこ」みたいだ。客入れ音楽は沢田選曲の70年代歌謡ヒット集。気分は70年にトリップしたところで、いよいよ開演です。

 

ステージには四畳半の畳とコタツ、なつかしのLP盤などがセットされ、どてら(綿入れ)姿のSSOMの歌う「神田川」でスタート。今回SSOMは彼らのオリジナルをまったく捨て、なつかしのフォークソング一本で勝負。もったいないというか、潔いというか、とにかくコンセプトを非常に大事にしている。フォークはトークも大事だ。78年ということで二人の年齢は18才という設定。「その割に頭の毛が・・・」というタカハシさんに、エンディさんは「だってオレ、野球部だもん」と切り返す(笑)。その他、時事ネタの「口裂け女」とか「な〜ンちゃって」とかの流行語を交えてのトークは大受けだ。

曲はエンディさんのスライドが良かった「赤ちょうちん」、昨日LP買ったんだよね〜と実物を取り出してNSPの「北北東の風」「夕暮れ時はさみしそう」続いてちょっとシブ目に「白い冬」「雨の一日」、個人的に大好きな「思えば遠くへ来たもんだ」そしてタカハシさんとは個人的に交友のあるあんべ光俊(飛行船)の「遠野物語」をやったあと、「じゃ、牛丼でも食いに行こうか」ということで第一部は幕を閉じた。

SSOMの流暢なトークとうまいムードづくりで会場は和やかな雰囲気となっている。そんな中で唯一焦っている男はkatsuだった。「言おうと思ってたオイシイネタ、全部使われてしまった・・・」と落胆気味。「口裂け女」とか使いたかったらしい(笑)。

   

余裕のかめ、テンパる宮澤勝彦       じゅんじゅんが観に来てくれました           

さて、第二部はSSOMが一曲やったあと、「こんばんはー」ということで舞台には荒谷社中が登場する。KW2Uは打ち合わせのため、その一部始終を見ることは出来なかったが、なにしろあの荒谷さんのこと。充分にお客さんのハートをキャッチしたに違い無い。二部舞台ではトークはマイクの関係ですべて生声に。それでもよく通る荒谷さんの声は響きわたっていた。曲は「春のからっ風」「翼をください」を演奏。大御所らしい素晴らしいステージであった。

 

「荒谷正勝とその社中」左から斉藤さん、みゆきちゃん、荒谷さん             

ここでエンディさんが「あれ、綿入れ吉野屋に忘れて来た」と、退場。入れ代わりに日頃エンディさんと似ているといわれている私が綿入れを着て入場する。「こんばんはー」ここからネタ開始。「エンディさん随分早かったねえ」と、タカハシさんは訪問して来た私をエンディさんと間違えているという設定。「あれ・・・えーと・・・」とどぎまぎする私。そこにエンディさんが帰って来て「あれ〜!?」と、二人で鏡芸。なかなかウケている。そしてkatsuとかめが「いや〜、沢田さんとはぐれちゃって」と登場。エンディさんに向かって「あ、こんな所に!どこ行ってたんすか!」と。もうダメ押しだな。そんなネタの応酬からKW2Uステージへ。適当な70年代トークをこなしながら曲へ。井上陽水の「桜三月散歩道」、イルカ「なごり雪」再び井上陽水で「帰れない二人」を演奏した。katsuは厳密にはフォーク出身ではなく、この場におけるジレンマがややあったようだ。だがソウルフルなkatsuのボーカルの存在はこのフォークの場にあって逆に異彩を放つ結果ともなったようだ。

  

  

KW2Uの演奏が終わると、帰ったはずの荒谷さんが「いや〜、忘れ物しちゃってさ」と戻って来た。せっかくだからみんなで1曲演ろう、ということになり、荒谷さんが「じゃオレ今22才だから・・・」と。すかさずタカハシさんが「老けた22才だねー」とツっこむ(笑)。ステージにはSSOM+荒谷社中+KW2Uが並び、豪華ラインナップで「22才の別れ」が演奏される。1番荒谷さんボーカル&かめハモ、2番katsuボーカル&タカハシさんハモ。エンディングはエンディさんと斉藤さんのギターソロ掛け合いで。大好きなこの曲をこんなメンバーで演ることが出来てとても嬉しい。お客さんにもかなり好評だったようだ。最後にSSOMが「さようなら」を演奏。閉幕してからもアンコールの拍手はずっと続いていた。

幕が開いて、タカハシさんが御礼の挨拶を。ここでやっと今までの設定を終えて素の我々に戻ったこととなる。「ではアンコールということで今回のテーマにふさわしいナンバーを」と、中島みゆきの「時代」を演奏する。リードをとるのはかめである。SSOMのライブなのに・・・。皆の粋な計らいか、この大きなイベントのオーラスを彼女が締めることになった。思えばかめには誰もが彼女を歌わせたいと後押しさせる天分みたいなものがあるようだ。ボーカリストとしてとても大事な要素だ。かめは見事に歌い切り、ステージはすべて終了となった。

打ち上げはもりげき恒例の「豚馬亭」で。出演者全員とタカハシさんの実家「海ごはんしまか」御家族、常連ご一行さま、かめ母、そして特別ゲストのじゅんじゅんを迎えてライブの熱気をひきずって賑やかに行われました。フォーク仲間として多くのライブでこの面々と共演して来たじゅんじゅんは大学卒業、就職で横浜へと行ってしまう。この日はじゅんじゅんの壮行会も兼ねたものとなった。ライブの成功に皆の気分も良く、ビールのピッチも進みがち(私は車なのでウーロンだが・・・)。宴もたけなわ、お客さんの中に転勤で盛岡を去る方がいて、荒谷さんに曲を送ってもらいたいとの事。荒谷さんは店のギターを手に「乾杯」を歌った。なぜか私が横でリードを弾いている。エンディさんや斉藤さんもいるのに図々しい?その後もじゅんじゅんが歌い、タカハシさんが歌い・・・かめはやっぱり子供たちにカラマれていた(笑)

それにしても結成1年で盛岡での大舞台、しかも大御所のミュージシャンの方々とこんな暖かいおつき合いをさせていただき、本当に嬉しいものだな、と思ったものでした。皆様、本当にどうもありがとうございました。(沢田真人)

 

かんぱ〜い!                           かめ母からいただいたモエを持って

 

  

ひよちゃん可愛い〜         荒谷さんここでも熱唱?       弾きながらもカメラ目線

  

DNA(?)結成              ピッチャーでかんぱ〜い          かめ母お帰りです。気をつけて〜

  

ボクちん登場               メガネが同じことが判明         じゅんじゅんは斉藤さんのギターにいたく感動

  

ボクちんにも弾かしぇろ〜         リクエストで「言葉にできない」を    じゅんじゅん、横浜に行っても元気で!