5月のヤンガー日記


2004年5月30日(日)

 これが、昨日のライブで購入しましたSSOMのCD「ever blue」です。日本語でいうと「常蒼」らしい。素敵なネーミングだ。ちなみに初回予約者限定のピクチャーレーベル(!)であり、何とシリアルナンバーと購入者の名前入り!というスペシャルバージョンです。当然サインも入ってます。デザインは元印刷会社勤務のエンディさんだけあってさすがの出来映えです。本業編集長のタカハシさんも監修という立場で、CDのプロデュース、方向性を定めたのでしょう。そんなお二人の遊び心満載のセンス、大好きです。さて、内容ですが、数あるオリジナルから厳選された名曲6曲が収録。沢田的には「蒼空」「メンゴ」最高です。東和町で初めて聴いて感動した「Two of us」も。次作CDを作ろうとしているKW2Uにはとても刺激&参考となるものでありました。

   

 CDネタでもうひとつ。右は私が高校時代から大好きだったイギリスのプログレッシブ・ロックグループ「Emerson Lake & Palmar」のライブ盤(公式海賊盤)である。何と8枚組!日本盤で1万5千円もしたので買いあぐねていたのだが、先日某Tレコードで輸入盤が5千円ぐらいで売っているのを発見。その差額なんと1万円!ジャケ等違うが、おそらくちょっとした解説書が入っているだけで、中味は音質の悪い昔のライブである(それもマニアにはたまらないのだが・・・)当然、即購入。日頃輸入盤は買わない主義のオレではあるが、今回ばかりは輸入盤サマサマである。やはり昨今のCDに関する法案(輸入盤禁止)には断固反対せねば(上の事例から考えると、いかに日本のレコード会社は法外な利益を得ようとしているか、わかるよねえ)。


2004年5月29日(土)

 今日は盛岡の「にっか亭SPIRITS」にライブを見に行きました。日頃親しくしていただいてる2ユニットが出演するので、これは見に行かねば、ということでした。ちなみに本日そのSSOMのお二人は北上河原でのストリートライブに出演予定でしたが、おりしもの雨でイベントは中止になりました。こちらにはアコベ担いで飛び入りに行こうと思ってたのに・・・残念。

 お店に入ると甚平姿のかずを氏発見。一緒にビールを飲みつつ、「in the storm of Life」を鑑賞。ブルーグラスを演奏するバンドで、とにかくそのハイ・テクニックはまさに名人芸でした。アカペラも実に美しい。洗練された大人の演奏でした。終了後、かめ登場。今のアカペラ、ぜひ聴かせたかったのにな〜。続いてはSSOMのステージ。何と、本日はCD発売記念ライブ、ということで「ever blue」からのオリジナル曲をメインにして、タカハシさんの透き通ったボーカルとエンディさんのリリカルなギターが独特なSSOMワールドを醸し出しつつも、笑えるトークで随分と楽しませてもらいました。次は「Big4」の演奏でした。こずかたアンサンブルという吹奏楽団体の有志の方々だそうです。ギター、キーボード、サックス、ドラムという一風変わった編成でなつかしのフォーク、ポップスを聴かせてくれました。さて、ラストはお馴染みの荒谷正勝社中です。ここに来てかずを氏のボルテージは最高潮に達し、「荒谷ー!」「つまらなかったら帰るぞー!」と、応援だかヤジだかが飛び交う。もちろん客いじりの巧みな荒谷さんに合わせての粋な計らいである。案の定荒谷さんは歌もトークもノリノリだった。荒谷社中お家芸の「リクエスト大会」では、これまたかずを氏の策略により、全員が荒谷さんのオリジナル「いつも僕が君のそばにいたじゃないか」をリクエスト。かずを氏や颯田さんのような昔からの荒谷さんを知る人にとっては、最近オリジナルを封印している荒谷さんは不満らしい。「何だよー!かずを君だなー!」と荒谷さん、照れつつも演奏を開始。これが・・・いい曲でした。一度聴くと忘れられないメロディー。思わずラストは会場中で大合唱。荒谷さんも感激の様子でした。

 

 

 終演後はそのままにっか亭で打ち上げに参加しました。最近は自分たちのライブに追われて余裕のない日々でした。たまには演奏を忘れて音楽を楽しむのも良いな、と思いました。


2004年5月22日(土)

 さて、5月のフラニーライブです。「宮澤勝彦ライブ」のメンバーから「Katsu with 2U」という正式なバンドとなってちょうど1年になります。1年の間にいろんなことがあったなあ・・・と、じっくり回想・・・する暇もない状態で、ライブ当日を迎えた我々でした(そろそろ考え治そう)。

 今回はゲストに江刺在住のブルースシンガー「やなぎ」さんを迎えました。オープニングにまずkatsuがスライドギターによるブルースを披露した後、やなぎさんを紹介。やなぎさんは年代物のギブソン「ダブ」を弾きながら、カントリーブルースに乗せて、味わい深い歌詞をじっくりと聴かせてくれました。katsuのハープ、小川氏がジャンベで飛び入り、ステージはどんどん盛り上がりを見せ、ラストは名曲「おいらとギターが歌う時」で見事に締めくくりました。

 続いては、今夜のスペシャルイベント(?)testuoオンステージ。ニューシンセ「TRITON」の素晴らしいサウンドとシーケンスを使って、KW2Uのアコースティック・サウンドではなかなか披露出来ない派手なシンセストのステージを見せてくれました。

  

 休憩を挟んで、第2部KW2Uステージがスタート。今回も本ステージでは特別真新しい曲はありませんでしたが、古い曲をやりくりしてなんとか。新しい大きめのジャンベを購入したかめは座って演奏することに。ニュージャンベ、これから使いこなしてますますいいサウンド、リズムが期待出来そうだ。「mamoland」は小川氏サンプリングのHIPHOP風のループサウンドに乗せて展開。前回よりかなりまとまったサウンドとすることが出来た。ステージはお客様にも喜んでいただけたようで、多くのアンコールの拍手を貰った。バンドの調子があまり良くない時だっただけに、とても大きな応援となる。アンコールはやなぎさんを迎えて、ザ・バンドの「ウェイト」と「アイ・シャル・ビー・リリースト」を。そう、これが今回のまったくの新曲だったのだ!「ウェイト」はkatsu→かめ→沢田→やなぎ→全員と、「ラストワルツ」さながらのボーカル回しをとった。久しぶりに音楽をやっていて純粋に「楽しい」と感じた瞬間だった。この感触を大切にして行きたいと思った。

 

 終演後はやっぱり楽しい打ち上げ。とても沢山の方が残ってくださり、一緒にライブの労をねぎらっていただいた。とても嬉しいことだ。あまり人が多くて、フラニーのメインテーブルでは全員が座れない状態だ(珍しい)。宴会の序盤で照明が落ち、ハッピーバースデーの歌とともにまほちゃんが手づくりケーキ、かめが花束を持って出て来た。恥ずかしながら、明日は私の誕生日なのだ。この歳になってこんなに多くの人に祝ってもらえるのはなかなか珍しいことだと思う。幸せを感じる。

   

 今回のライブにも多くのミュージシャンの方たちが来られたので、自然発生的に「第3部」スタート。ふじね夫妻の紹介でやって来たジョージさんは、地元歯科医の先生にして、県内でも活躍中のジャズピアニスト、沢田個人的には中学時代憧れであったミュージシャンの先輩なのだ。「音楽は楽しくやりたい」と熱く語られるジョージさん、未熟な我々の演奏ではあるが、その楽し気な様子はとても気に行っていただけたようだった。私とのデュオでいきなりの共演となった。緊張する〜。まずはお約束のFのブルースを。ジョージさんの熱いソロが炸裂。そしてジョー・サンプルの「メロディーズ・オブ・ラブ」を。私も大好きな曲だったんで、コードを探りながらもサポートする。店内はジョージさんの素晴らしいピアノに大拍手であった。

  

 その後もミュージシャンがオンパレードの充実の第3部となりました。北上のバンド「ギターショップ」の福盛田夫妻の珍しいアコースティック・パフォーマンス、そして再び熱唱するやなぎさんとkatsuのハープ。お馴染みの「りぼかめ」も大好評でした。今回はミュージシャンの演奏となったけど、基本的には第3部はまったくの無礼講、やったもん勝ちなんで誰でも何でもやってください。伴奏もするからカラオケ気分でOKですよ。


2004年5月16日(日)

 GW後半にビデオ100円レンタルの日があったので、数本借りたのだが、ことごとく外してしまった。「×ーミネー×ー3」、「2」の単なる焼き直しじゃん。「×ード・オブ・ザ・×ング/×つの塔」後半寝てしまった(実は面白かったらしい)。「13×段」ミステリーの謎解きの中味が浅い感じがした・・・。「あ×み」これが最悪。原作を読んで是非観てみたいと思ったのだが、監督は原作読んでんのか!といいたくなるほど人物像が異なっている。200人斬りが見どころらしいが、主人公の女剣士は無駄な殺生はしない人格なのだよ。ましてやスキを見て見張り番をこっそり殺すなんて絶対やらないよ。この原作の言わんとしてる「切なさ」がまったく描けてないなーと憤慨。

 んなわけで、何をいいたいかというと、今日DVDを買って「ラスト・サムライ」を観た・・・。これは・・・良かった。この間までの映画的な不満タラタラを帳消しにしてくれるカタルシスが得られた。

 オールグレン(トム・クルーズ)は南北戦争の英雄であったが、時代に取り残され、さらに戦争で女子供を殺め、仲間を失ったトラウマを背負いアルコール漬けの日々。そんな彼が日本政府に雇われ、近代軍隊の教練、及び反乱分子の制圧に向かう。ところが教練の不十分な政府軍は敗れ、オールグレンは反乱軍の捕虜となる。首領の勝元(渡辺謙)は、仁、義、忠を重んじ、侍の尊敬を集める男だ。急速な近代化が進む日本の中で古き良き侍の魂を残すその一族の中でオールグレンは癒されていく。やがて勝元を騙し討ちにしようとした政府からオールグレンは彼を救い、共に「最後の闘い」へと身を投じて行く・・・。

  

 注目すべきは監督(エドワード・ズウィック)は日本の歴史と文化を良く研究してるな、という点だ(某「あ×み」の監督にも見習ってほしい?)。ラスト・サムライとは勝元のことであり、勝元はいわば史実でいう西郷隆盛がモデルなのだろう。明治維新の英雄にして新政府の参議、天皇に愛された西郷は、一方で不要となり、職にあふれた武士たちの旗頭として担ぎ出された。聡明な西郷は武士社会の終わりを知りつつも、近代日本の礎となるため、自らが犠牲となり田原坂でその命を落とす。映画で勝元がオールグレンに渡す刀の銘「我は古きと新しきに和をもたらせし者の刀なり」は西郷、もしくは勝元のメッセージそのものである。 

 「かつて世界がうらやむような、まばゆい男たちが日本にいた」とDVDの宣伝コピーはいう。今現実に日本にこんな男たちはいない。誰もが会社への忠などよりも自分の権利を要求する。そもそも政治家自身が年金もおさめずして高額な議員年金を得ようとしている。自衛隊の派兵は論議を呼んでいる。自衛隊員は大きな決意を持って戦地に赴いているのだろうが、問題は、彼らには「戦う」権利が許されていない、ということだ。戦地において彼らはこれで自分たちの任務が全う出来るのだろうか?

 我々が日頃接している文化、とはまさにアメリカそのものなのだ。個人の自由、意志が尊重される世界ではあるが、「自由」とは大いなるプロパガンダである。我々は巧妙に「自由主義国家」という枠の中に納められ、抵抗する国々を「異端」として排斥する。テロを容認するつもりはないが、超大国のあり方にも疑問符は尽きない。

 いやいや、話が過激に脱線した。そんな我々日本人であるが、この映画にはやはり日本人としての「美しさ」を郷愁のような思いで発見するのだろう。アメリカから文化的に与えられた「刷り込み」ではなく、日本人の「血」が持っている「魂」の中で。


2004年5月12日(水)

 今日は盛岡クラブチェンジ、3回目の出演である。共演者は前回も御一緒させていただいた山口晶、そしてあの山本司!という両プロ。そして江刺在住のスーパーギタリストシンガーの高橋学、という超強力ラインナップだ。

 KW2Uは正直、新年から怒濤のようにやってきたライブ三昧にかなり疲弊している。この日はそんな疲れからか悪いところがたくさん出てしまい、とても納得の行くライブに出来なかったことが残念だ。どうダメだったのかはまたの機会にでも書く事にしよう。地元バンドとしてプロにいい感じでステージを渡すことが出来なかったのが悔やまれる。思えば、去年のこの時期は世間的にまったく無名な我々だった。その後わずかずつ存在が知れる、ライブの誘いがあると、何を差し置いても飢えたように出演して来たものだった。今後は自分達の実力やペース、生活や健康状態、そして音楽的欲求(これが大事)を充分考慮したうえでステージに臨みたいと強く感じた。

  

 

 そんな中でも良いこともあった。盛岡にもかかわらずわざわざいつも来てくれるふじね夫妻には感謝だ(まほちゃんは晶さんと写真をとって大喜び)。学くんとはお互いかなり仲間意識が出来てきたし、司くんともだいぶ親しく話せる関係になって来た。晶さんはステージで我々の名前を挙げて「また一緒に演ることが出来て嬉しい」といってくれた。そんな暖かい周囲があるので、なお精進しようと思うのだ。


2004年5月3日(月)

 ゴールデンウィーク3日目。北上アメリカンワールドではこのGW中いろいろなイベントが開催されている。KW2Uはこの日の「アマチュア・ミュージシャン・ライブ」に出演する。11時に仕込み、リハのためMJステージ前に集合。PAの方々は準備に余念がない。

 司会の方らしい女性が現れ、katsuにいろいろバンドのことを聞いている。MCのための情報収集なのだろう。katsuが準備のため去ったあと、私のところにも聞きに来た。とても綺麗な女性だが・・・どこかで見た記憶がある。ある女性に似ている。あまり気になるので質問の答えが何かあやふやになり、たまらずに聞いてみる。「え〜と、お名前はなんておっしゃるのですか」「テレビ岩手の石川志保と申します」ガーン、そうだ!やっぱりあの「コンビニNight」(岩手ローカルの深夜番組)の石川アナだったのだ。ヒー、そりゃ綺麗なわけだ。突然、今まで近くでボケーとつまらなそうな顔をしていた小川氏が飛び跳ね、「あ〜!ごきげんテレビの!」と急にニコニコとして騒ぎ始めた。有名人とわかると急に・・・調子良すぎるよ。お願いして写真をパチリ。とても気さくで感じの良い方でした。この後も出演バンドのメンバーに声をかけて情報を収集、自ら動いてMCネタを作っているのだろう。このへんはさすがのプロのアナウンサーたるところである。

  

 さて、昼食をとり午後2時から演奏開始。トップは江刺の「ぬ」今までネット上でおつき合いしていただき、また北上でのライブに時々いらしていただいたが、演奏を拝見するのは初めてだった。ギターとジャンベからなる編成はとにかく珍しく、それだけでサウンドは個性的である。オリジナル曲のボーカルも切れ味のあるシャープさがあり、魅力的だった。続いては中小路士幸。おなじみリボルバーのボーカルである。本日はソロで登場。残念ながら我々の出番が次なのであまり聴くことが出来なかった。

   

 続いてKW2Uの登場。石川さんの紹介MCにのって「Come Together」からスタート。本日は小川氏、鎌ちゃんを加えフルメンバーで。「The Rose」「Redemption Song」「Top of the World」「Stay with You」などを演奏。「午前0時のClock Rabitts」では鎌ちゃんのパーカッション、笛などの小道具がとても楽しい味付けとなった。フルメンバーでこそ実現する「mamoland」のソロパフォーマンス。そしてエンディングは「Sweet Maria」で。katsuは「今年はこの曲を盛岡で流行らせようと思います」ってここは北上だよ!「あ、そうか」だって。MJステージは通りすがりのお客さんをメインに演奏する場所なので、いつも盛り上がりに欠けるきらいがあったが、終わってみればなかなかの反響であったようだ。

   

 我々の後にはアメワイベント担当者のM氏がドラマーとして参加していた(当日まで知らなかった)AUSSIE-SUNSが演奏した。60年代のR&R中心の明るいサウンドのバンドだった。それにしてもM氏本人がミュージシャンだったとは。何か以前より身近に思えて来た。アメリカンワールドはこのGW中、ストリートミュージシャンに場所を開放。最近は盛岡駅地下で演奏禁止の風潮にともない場所を無くしつつある路上人の需要に相まって、このイベントには多くのストリートミュージシャンが集まったらしい。みちのくジャパン、なかなか粋な企業である。最後に「ぬ」の〆くんと本日写真を撮ってくれたギターショップのみゆちゃんをパチリ。

 

 午後7時からの夜の部もあったが、katsuが用事との事で夜の部は出ずに解散。一回の演奏でも結構しんどいので丁度良いぐらいか。家に帰り、夜は中学時代の友人たちと飲みに行った。カラオケも歌った。