殿の今後に何を期待するか




 さて、おこがましくも殿に何を期待するかって事で、結びとなるんですけど、7でも触れたように、もっとライブが楽しめるセットリストになればなと思うのです(今のセットリストで最高だと思ってらっしゃる方には申し訳ないですけど)。
 あと、殿の音楽性についてですけど、それはもう
殿の為すがままに任せるしかないと思います。ブルーマーダーの1stが最高だったと思っている人、ホワイトスネイクの時が最高だったと思っている人、僕みたいにバラードこそがジョンサイクスだと思っている人、それぞれあると思います。なによりも、そんなファンの気苦労を殿ご自身は知ってか知らずか、お構いなしに、聴く者に「これがジョンサイクスなんだぜ!!」って、作品ごとに殿は主張なさっているし、またそれをファンに納得させちゃうのが殿だと思うんです。だから、殿に何を期待するかって言うよりもむしろ、殿が曲を書く限り、ファンはあらゆる意味で期待し続けることができると思うんです。(1999年4月)

 と以前は言ってみたものの、結果として殿の為すがままではあるけれども、それにファンがついていってると言えるかというと、そうではないのが現実。ここ最近の数作においてそれがどれほど聴く者に影響を与えたかというと・・・。僕個人の正直な感想と言えば、「期待はずれ」としか言い様が無い。
 でも、それが期待通りであるか、期待はずれであるかは議論してもあまり意味のないこと。期待通り、という意見が多数であれば、それは成功、ということになるだろう。
 とすれば、やはり殿の最近の数作は、やはり成功したとは言い切れない。アルバムで「これがジョン・サイクスなんだぜ!!」という主張がどれほどファンには届いているのだろうか?確かにパワーはある。ロックしてる。でも楽曲それぞれの魅力は・・・。
 んー、でも現在の音楽シーンで、どんなに過去の傑作に匹敵するようなアルバムをリリースできたところでどれほど反響があるか。そういったシーンの背景が、殿に売れ筋を狙うよりも、好きなこと(THIN LIZZYでのツアーなど)をして「音楽を楽しむ」活動中心になっている原因なのかもしれない。ただ、「音楽を楽しむ」『だけ』の活動に陥っていないか?それでは、「John Sykes伝説」は風化する一方で、さらにHR/HM界を盛り上げる機会を失する一方になるのではないだろうか。どうやら、そうなる危険が大きいような気がする。たんなる杞憂であってほしい。

 こんなことを思うなんて、わがままになったもんだ、と思う。そして、考えてもしょうがないことを考えているなと思う。僕自身、最近の音楽シーンを素人がわかったように語るのは好きじゃないし、議論の実益も無いと思う。ただ、ファンが苦言を呈することはなかなかできないことなので、愚痴を自身のHPで述べる次第である。(2003年2月)