2004年3月20日 BACKYARD BABIES ライブ・レポ

1 イントロダクション

 3月20日土曜日、大阪心斎橋、「心斎橋クラブクアトロ」。この日はBYBの日本クラブツアー最終日となる。

 僕は16時半に大学院の修了式を終え、速攻、大学から阪急西院駅まで自転車を飛ばす。自然と口ずさんでいたのは、「STOCKHOLM SYNDROME」の日本盤ボーナス・トラック、"Please! Please! Please!"だった。

 開演10分前になんとか会場に着いた。もう会場はほとんど観客で埋め尽くされ、熱気で溢れていた。クラブクアトロはホント小さな会場で、憧れのミュージシャンが間近で観られるから良い。
 僕が会場に入った頃はみんな立ち位置を決めていて、あまり会場の中央に入り込む余裕はなかった。見る場所を探すために会場の左右を行ったり来たりしたが、結局、ステージの真横に陣取って観ることにした。僕は白いシャツにネクタイという格好でウロウロしていたわけだが、こんな格好は僕一人だったため、かなり浮いていた(苦笑)。

 正確な時間は確認しなかったが、開演予定時間18時に遅れることなく、ライブはスタートした。
 会場は大きな歓声(というより雄叫び/笑)に包まれる。BYBもそれに応えてくれるように、オープニングからハイ・エナジーで曲を観る者にぶつけてくる。

 さすが、ライブ・バンドとして経験が豊富ということもあって、演奏がすごくタイトだ。メンバーそれぞれの出す音がバラけることなく、大きな塊として、ガツンとこっちに伝わってくる。

2 私的BYB
 
 僕はBYBのライブは初体験で、また、BYBのブートも聴いたことがなかった。そして、ロックン・ロール・バンドのイメージから、演奏はかなりラフなものなんだろうなぁ、と勝手なイメージを持っていた。しかし、この日に観たBYBのライブの音は、先に言ったような、大きな一つの塊として、こちらに伝わってくるものだった。
 ペダーのドラミングは正確で乱れることなく、リズムを刻み、ヨハンもボトムを補強し、時にメロディアスなベース・ラインを入れることを怠らない。ニッケ、ドレゲンもヘヴィ&ポップなリフを刻む。
 なにより、感動したのは、ニッケ、ドレゲンの刻むギターだった。「TOTAL13」、「MAKING ENEMY IS GOOD」、「STOCKHOLM SYNDROME」の3枚のアルバムを聴いた時に、どうもこれが「俺達のギターの音なんだ!音圧なんだ!!」というのが掴めなかった。アルバム毎にサウンドが変化するのはいい。もちろん、ニッケ、ドレゲンのギタースタイルが変化している、というわけでもない。どうも「ギターの音圧」が投げやりだったり、作りすぎてやたら強かったり、生々しさを出すために弱くなったりと、どうも聴いてて「どんな音を出したいんだ?」という、若干の困惑を、僕は感じていた。

 こういった困惑、というのは、大概の場合、そのバンドのライブ(勿論、バンドが全力を出し、素晴らしいパフォーマンスをしてくれた時だが)を観に行けば解消されるのだ。なぜなら、その時になれば、バンドの「この音でお前らをイカせてやるよ!」という気合の、「勝負の音」を聴かせてくれるからだ(「勝負パンツ」みてえなもんだな/笑)。
 ま、これは、ライブになったら一種類の音・音圧、しかもおなじ環境でしか演奏は聴けないのだから、当然の結論といってしまえば、それまでなのかもしれないのだが。
 しかし、「あぁ、やっぱコレだよね。この音が出したかったんだよね。」と聴いて、観て、安心するという経験はHCSSに続いてこれが2度目だ。これは泣きたくなっちまうような感動だ。
 とにかく、この日のBYBの音圧・サウンドは最高だった!最高にヘヴィで、グルーヴィだった。こういうのを「音で観客を打ちのめす」って言うんだろうなぁ、と思った。


 くどいようだが、実はまだもう一つ、僕の中での「BYBにまつわるモヤモヤ」がある。
 BYBは、僕の中で、ポップなんだか、荒くれロケンローなのか、無骨なロックなのか、イマイチわかなかった。「アメリカン・ハード・ロックなのか!?」とわけわかんないことを、以前、掲示板に書いたりもした。
 しかし、BYBのライブを観て思ったのは、「あぁ、BYBとは、ポップでクールなロケンロー・バンドだ。」という結論に至った。
 なんか「TOTAL13」がBYBの出世作&代表作なんだ、とか、「MAKING ENEMY IS GOOD」ではポップになりすぎたんじゃないか?とか、「STOCKHOLM SYNDROME」では、ライブでのBYBを再現するあまり、サウンドが生々しくなりすぎ、ポップで聴きやすいところが減退したのではないか、とか色んな考えが僕の頭の中でぐしゃぐしゃになっていた。
 でも、今回のライブでその僕の中での混乱が吹き飛んだ。これは、僕がBYBの本当の姿、言い換えれば、ライブでの姿を観たことがなかったからなんだと思う。
 「ポップでクールなロケンロー」。これだ、と思った。それで最高なんだ、BYBの本質なんだ、と思った。
 
3 BYB LIVE!!

 さてさて、そんな僕の個人的なアレはともかく、BYBのライブだ。
 BYBは曲を続けて間髪入れずに演奏する、ということはしなかった。短いMCが入る。そして頻繁に行われたのはギターの交換だった。最初、ヨハンが1曲目か2曲目の途中でベースを交換したので、ベースだけ調子が悪いのかな?と思ったが、その後の交換は調子の善し悪しだけではなかったようだ。これがサウンドに変化をつけるためのものか、熱気そして激しい演奏ででチューニングが狂うので交換するのかは、ちょっとわからなかった。

 BYBは曲の入り方が上手い。MCまでカッコイイんだ。次の曲とつながるようなMCで観客を煽る。その煽り方がとてもクールだった。ギター交換などの「間」は、どうしてもダレてしまうところがあるが、BYBはそれをクールなMCでつなげる技術も持ち合わせていた。

 ライブはハイ・エナジーなテンションのまま、約1時間半で終了した。
 観客は、早々と帰る人たちもいたが、まだ名残惜しいのか、結構多くの人たちが会場に残ってステージの方を見ていた。HCSSのときは、けっこう観客はすぐに帰ったような・・・。やはり、そもそも来客数が違っていたのだろうか?
 僕もまだ名残惜しく、後ろ髪を引かれる思いもしたが、すぐに会場を後にした。帰りの電車の中で心地よい疲労感を感じていた。

4 余談

 最近、ライブ会場だとか、その様子を観察するのも一つの楽しみとなった僕なのだが、BYBの会場にはけっこうキレイな姉さん方が多く、色んな意味で良かった(あ、そうか。季節的に最近女の子の冬服しか見てなかったから、余計にTシャツ姿が・・・/爆死)。
 でも、みんな黒いTシャツなんだよなぁ。。。女も男も。ま、ロックには黒Tシャツが付き物なんだけど、もっと白とかピンクとか着てほしいなぁ、キレイな姉さん方には(←オイ
 マーチャンダイズのTシャツがねぇ、ダメなのよ。女性客もかなりの数いることは、もうわかってるんだから、もっとカワイイTシャツも作ろうさ。今回は「STOCKHOLM SYNDROME」のジャケにちなんで(?)赤色のTシャツ作るとかさぁ。
 日本人て、髪も目も黒いから、黒Tシャツだけだと重いんだよねぇ。みんなが黒Tシャツ着てたら、なんか奈良の天○教みたいだよ(w

 あ、そうそう。最前列で光るピアスしてた兄さん、大丈夫だったろうか?後ろから押されてかなり苦しそうだったけど。曲が始まる度に前の柵が曲がるくらいに押されるわけだから大変だよね。


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