前日は関東地方一帯で集中豪雨があり、神奈川県山北町玄倉川では川遊びにきていた家族が濁流にのまれ多くの犠牲者を出しました。西武鉄道吾野駅付近でも土砂崩れがあり当日は電車が不通となるアクシデントも発生し、中止と判断される方が多いと思われましたが、相違して雨のなか多数の参加者があり、集合時刻には雨も上がりました。参加者の熱心さが天候の悪さを吹き飛ばしたようです。
浦山口は、昔から川遊びなどで親しまれ、キャンプ場もおおくあります。近くには、清雲寺のしだれ桜・若御子断層洞及び断層群・橋立鍾乳洞と埼玉県指定天然記念物が3つもあり、これらを結ぶ観光ルートになっています。最近完成した浦山ダムがこれに加わり、大勢の方がおとずれています。
今回の見学コースの概要は次の通りです.
日時:8月15曰(日) 10:20
集合:秩父鉄道「浦山口」駅前
主 催:地学団体研究会埼玉支部、日曜地学の会
案 内:小幡喜一(埼玉県立自然史博物館)
地形図 国土地理院1/25,000「秩父」
主な内容
浦山口は,秩父盆地の南のへりにあたります。南側には武甲山や矢岳など1000mをこす山々が立ち並びます。これらは、石灰岩・チャート・粘板岩・砂岩・塩基性火山岩類からなる秩父帯の地層でできています。これらの地層は、3億年前から1億5000万年前ころ海底につもったものと考えられています。
北側にはおよそ500mよりも低い秩父盆地が広がり、そこには砂岩・礫岩・泥岩などの新第三紀の地層が分布しています。この中からは、岩礁性の貝やサンゴの化石が発見されています。これらの化石から、およそ1500万年前には、浦山口ふきんが紀伊半島のような黒潮の洗う暖かい海だったと考えられます。
この南北の異なった地層は、大きな断層で接しています。地形的には、山地と盆地の境にあたり、断層地形である三角末端面が見られます。新第三紀の地層には、南側の山地から流れ込んだ岩石がたくさん入っています。また、断層の動きによって押し曲げられたような褶曲もみられます。これは、秩父盆地の地層がたまっているときに、この地層が動いていた証拠となります。