第348回 日曜地学ハイキング記録
日曜地学ハイキング記録

初夏の皆野に秩父盆地の生い立ちをたずねて


第348回日曜地学ハイキングを平成13年5月20日に実施しました。
 今回は秩父盆地の北東に位置する皆野を歩きました。「前原の不整合」と呼ばれる崖では秩父盆地の発生期に海が入り込んで第3系の地層が堆積したころを想像しました。荒川沿いに地層の変化を見ながら歩き、その海の変化を考えました。大渕の河原では化石を採集しました。対岸に渡って外秩父盆地の結晶片岩がずり上がって秩父盆地第3系と接している「出牛−黒谷断層」を観察しました。最後に栗谷橋付近で蛇紋岩を観察しました。


5月20日  秩父鉄道 皆野駅 午前10時10分集合
         解散は、 同駅 午後4時頃

持ち物;弁当、筆記用具、雨具、ハンマー、軍手、新聞紙、ビニール袋
参加費;100円(保険代・資料代)
案 内;小幡喜一(埼玉県立自然史博物館)



埼玉県川本町立川本中学校で理科の教鞭をとっておられる松本誠さんの
埼玉県内の地質紹介ページから写真をお借りしました。


前原の不整合

皆野町前原の不整合は、荒川と赤平川の合流点の川岸(左岸)に見られます。
秩父盆地の北東緑部、荒川と赤平川の合流点から約50m下流(荒川左岸)に
露出するみごとな不整合です。
地質学的にも広く知られ、埼玉県指定天然記念物として保護されています。
露頭の下部は、盆地の外線部を構成する中・古生層の黒色頁岩などからなり、
その上に盆地内を構成する第三紀層基底部のチャートや礫岩、砂岩層が覆っています。


下盤の様子

秩父中古生層(約2億年前)の黒色頁岩などの地層からできています。

上盤の様子

第3紀層(約1500万年前)の秩父盆地のもっとも下にある地層です。
基底れき岩が見られ、チャートや礫岩、砂岩からできています。

出牛−黒谷断層



秩父市黒谷に見られる出牛−黒谷断層です。
南側から北側を見たところです。
幅2mくらいにわたってくぼみが続いています。
ここは左右の地層の年代が全く違う大きな逆断層になっています。
右側は新生代第3紀(約1500万年前)の礫岩等であり、
左側は秩父中古生層(約2億年前)のチャートからできています。
大地がずれて断層ができるとき、ものすごく大きな力が加わり、
岩石がすりつぶされ、角張った岩のかけらや粘土ができます。
このような部分を断層破砕帯といいます。
この部分はもろいために雨水に流されやすくなり、
このようなくぼみができます。



地質の説明にかえて専門家の論文である
埼玉県立自然史博物館 自然史だよりを紹介します。




埼玉県立自然史博物館の地質見学会の様子




第3紀 ほ乳類の時代の専門的な説明



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