求めき者 後編

俺のレポートが紛失した数日後




ある男が先生に呼び出しをくらった




この男、今では親友と呼べる輩である




当時は倦怠期であったので、あまり連絡や会話はしないときであった





なぜゆえその男が呼び出しをくらったのか?





倦怠期であったが、もともとは仲がいい間柄




興味&心配の心境で、詳しい事情を知ってるやつに聞いてみた





俺は愕然とした





俺のレポートが紛失した時同じくして紛失した輩がいた




その輩のレポートを表紙を張り替えて提出したとのことだった




その行為、鬼畜に相当する




後に聞けば、返却レポートと思い実行したらしい




そしてその男は単位を剥奪されたのである




なんども呼び出され、学校でもかなり問題となったらしい




その男は学校をやめると言ってたという話を聞いたが、あっさり残留した(笑)




事件の話を聞いたときに俺はふと思った




まさか俺のレポートも誰かに張り替えて提出されてるのでは?




まっさきにその男を疑ったが、すぐに自分の中で撤回した





さすがにそこまではせんやろ





しかし半年後、この撤回をさらに撤回しなくてはならない出来事が勃発した




同じ物理学科のダチSがその男に過去レポを借りに行ったときのことである




ちなみに借りにいったレポートの課題は俺が紛失したときと同じもの





S「真空の過去レポあるならかして」




その男「
あるけど、かせん





Sにはすでに俺は紛失事件について詳細に話していたのですぐに俺に報告してきた




そしてSと俺との中で一つの仮定ができた





まさか俺のレポートを盗ったのはヤツ???





理由はその男の手元にあるのが俺のレポートだから貸せないのでは





もしそうならばすべてがつながる





俺はアフロ氏に速攻で連絡した




俺とその男とアフロ氏は同じバイトをしていたこともあり仲がいいのだ





俺「やっぱり追求すべきかな?」




アフロ氏「まて、はやまるな!




俺「いつ追及すればええんや?」




アフロ氏「卒業間際がええやろ、俺もその現場にいたいし」





それから何度もその男とは遊んだり、学校であったりするのでしゃべりそうになった




そのたびに「はやまるな、機は熟していない」とアフロ氏にお叱りをうけた







そしてついに卒業間際となり追求することになったのだ





決行したのは3月7日





その日はその男の誕生日!!





追求するのに相応しい日である





最後やし飲もうやということで3人があつまった




3人ともほどよくアルコールがまわってきたときに俺は追及をしはじめた





俺の中ではもう怒りなどすでにない




この2年間、卒業間際のこの瞬間だけを楽しみに生きてきた




その生きがいを与えてくれたその男に感謝しているぐらいである





盗ったのがそいつであってほしいとさえ思っていたぐらいだ





そうすればすっきりして卒業できるし、最後に爆笑もできる






結果





俺たちの期待に裏切ってそいつは否定した





残念な気持ちと同時に納得もした





その3人は言わば親友と呼べる間柄




今までも腹をわって話してきた




ゆえにお互いのことはよくわかっている





俺のレポートをとったところで使い物にならんことぐらい百も承知(その反対もいえる)







こうして真実はたわいのないものであった






しかし、数年後に実はあれ俺だったという言葉を未だに期待してる俺がいるのも事実である

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