求めき者 中篇

ついに俺は真実を知る




事件は2年前にさかのぼる





以前話したように俺は物理学を専攻している




物理といえば、当然「実験」




3年生までは物理実験なるものが授業の中で行われる




実験自体は時間はかかるが酷なものではない




待ち時間のほうが圧倒的に多いので、ダチとトークできるからである




なにが酷なのかというと、実験レポート




1つのレポートを仕上げるのにかなりの時間と労働をしいられる




しかしレポートを仕上げたときの達成感はなにものにもかえがたい




ここまでをみると、”かなり苦労してるな”と思うだろう




実は裏技なるものが存在する




それは「過去レポ」




先輩がやったレポートを用いるのだ




むろん参考にするだけで丸写しなどといった行為はしない




事件は最後のレポートのときの勃発した






レポートを提出した数日後




気持ちよく寝ていた俺を一本の電話が目覚ました




電話にでてみると教授からであった





教授「●●くん、先週の実験レポートがでてないんだけど・・」




俺「え!?




教授からのモーニングコールで最悪の目覚めをした状態だったのでパニくった




俺「ちゃんと出しましたよ、先生の部屋のレポートボックスに!」




教授「わかりました、探しておきます」





不安なまま一日が過ぎた




翌日の朝




またもや教授からのモーニングコール




さすがに二連荘はキツイ




教授「やっぱりないんだけど・・・一度学校に実験ノートをもってきてくれる?」




起床から10分後、俺はすでに学校にいた




教授曰く、どこを探してもないのだという




この教授、明らかに俺が提出してなくとぼけていると踏んでやがる




俺はノートをみせ、精一杯の説明をした




「もう一度書いて提出して」という言葉だけは聞きたくなかったからだ




結果、どうにか単位はもらえることになった




しかし俺のレポートはどこへ?




正直、単位がもらえるんだからいいかという気持ちもあったので深く追求しなかった






この教授、わざわざ電話をかけてくれて親切な人だなと思っているあなた




それは大きな間違いです




教授が最後に言った台詞を俺は一生忘れない






教授「今までのレポートをみて、たぶんたいしたことないレポートだからいいでしょ」






死人にムチとはまさにこのこと









それから数日後、ある男が先生に呼び出された





それがこの事件を解くカギになるかもしれないとはそのときは思いもしなかった




後編につづく
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