よくあるロックの名曲ではなくて、ポップミュージックの名曲を当サイトが厳選して紹介しています。選曲は全米Top5に入った曲はそれだけで名曲で、膨大なリストとなるため外しています。
00年代(2000年以降)から早くも四半世紀が過ぎようとしています。インターネットの普及からデジタルでのフォーマットが登場し、今はStreamingの時代となりました。膨大な世界の、または過去のライブラリを自由に聞ける、また個人が簡単に発信できる時代となり、音楽のあり方が変わってきました。
2010年代に入り、ヒップホップはDrakeやDoja Catのようなラップも歌もするというように複雑になっていきます。その中で主流となってきたのは南部で生まれたとされるシンセサイザーを使ったリズミカルなラップであるトラップ・ハウス(トラップ)で、ここからドリルラップ、エモラップなどが派生していきます。また2020年代頃からは急速にレゲトンを中心としたラテンソング、そしてアフロビートと音楽のジャンルも壁を越えて流行していきました。
XO Tour Llife3 / Lil Uzi Vert 17
ペンシルバニア州フィラデルフィア出身のラッパーLil Uzi Vertの自身が主導で歌った初のTop10シングルが「XO Tour Llif3」で全米7位、全英25位を記録しています。トラップの中でも感情的でポップパンクのエモの要素をもったエモ・ラップで、「友達は全て死んだ」といった暗く狂気的な歌詞とトラップの低音ビートが見事にマッチした曲です。
Swimming Pools / Kendrick Lamar 12
カリフォルニア州コンプトン出身のラッパーKendriock Lamarは2012年に『Good Kid, M.A.A.D City』のヒットによりトップラッパーへ駆け上がりますが、その中心的な曲が「Swimming Pools」で、全米17位、全英57位を記録します。曲はアルコール依存症と社会生活を歌った内省的な曲で、祖父の飲酒と死、Kendrick自身が飲酒するようになった流れを歌いますが、それを「Swimming Pools」という闇へダイブする独特の表現が素晴らしいです。
Goosebumps / Travis Scott f.Kendrick Lamar 17
テキサス州Houston出身のラッパーTravis Scottの2枚目のアルバム『Birds In Trap Sing McKnight』に収録されていた曲で、全米32位、全英65位を記録しています。Travis Scottは次のアルバム『Astroworld』で一気に人気ラッパーとなりますが、「Goosebumps」はKendrick Lamarとの共作のラブソングながらTravis Scottらしいダークで不思議なトラップにより独特な曲になっていて、現在もなおStreamingされているロングセラーです。
See You Again / Tyler The Creator f.Kali Uchis 17
カリフォルニア州Hawthorne出身のラッパーTyler,The CraetorはラッパーでもありながらロックもR&Bも含む独特のアーチストで、現在もなおトップラッパーの一人として活躍しています。「See You Again」は2017年にアルバム『Flower Boy』からカットされたシングルで全米44位、全英21位を記録していますが、TikTokでバイラルヒットとなり、今もなおStreamingsされているロングセラーです。Tylerらしい美しいメロディの複数のパートを複雑に組み合わせた大曲です。
No Role Modelz / J.Cole 14
西ドイツはフランクフルト出身のラッパーJ.ColeはJay-ZのRoc Nationと契約して2011年のデビューアルバム『Cole World The Sideline Story』から6枚連続で全米1位を獲得しています。「No Role Modelz」は2014年に発売された3枚目のアルバム『2014 Forest Hills Drive』から3曲目にカットされて全米36位を記録していますが、今もなおStreamingsされ続けて、全米だけでRIAAが600万枚を認定しているロングヒットです。Project Patの「Don't Save Her」を下敷きにしています。
Corazon / Maluma f.Nego Do Borel 17
コロンビアはMedellin出身のラッパー、シンガーソングライターMalumaがブラジル人シンガーNego Do Borelをフューチャーしたシングルで2017年に全米87位を記録した曲です。チャート順位以上にラテンポップの中で高い評価を受けている曲で、切ないメロディと二人のコンビネーションが素晴らしいナンバーです。
La Bachata / Manuel Turizo 22
コロンビアはMonteria出身のレゲトン歌手Manuel Turizoの2022年に全米67位を記録した曲です。Billboardのラテンチャートでは1位を記録し、アルゼンチンでは15週間1位を記録しています。ドミニカ共和国のバチャータと呼ばれるギターを使ったナンバーで、軽快ながら美しいメロディラインが魅力です。現在でもGlobalチャートでもランクインしているロングヒットです。
Water / Tyla 23
南アフリカはEdenvale出身のR&BシンガーTylaの2023年に全米7位、全英4位に輝いたナンバーです。アフロビートとR&Bを組み合わせた曲で、バックのリズムやピアノのアレンジなど繊細な音の組み合わせにTylaの漂うような歌がこれまでのR&Bとは違った魅力を持っています。
Angels / Chance The Rapper f.Saba 16
イリノイ州シカゴ出身のラッパーChance The Rapperはネット上にMixtape『Coloring Book』を発表しますが、これが話題となり、全米8位を記録するまでになりました。ヒップホップとゴスペルを融合したサウンドは独特で2017年のGrammy賞で最優秀ラップアルバムを受賞。発売されていない(Streamingsのみ)アルバムとしては異例の受賞でした。そこからリードシングルとなった「Angels」は全米19位を記録しています。ゴスペルをバックにしたサウンドはビッグヒットではないものの、隠れた名曲として知られます。
Black Spiderman / Logic f.Damian Lemar Hudson 17
Mayland州Rockville出身のラッパーLogicは3枚目のアルバム『Everybody』が初の全米1位を記録して一気に知名度を上げますが、その先行シングルが「Black Spiderman」で、全米87位を記録しています。「黒いスパイダーマン」という奇妙なタイトルはゴスペルをバックに強いメッセージを伝えています。Damian Lemar Hudsonのフューチャーリングなど全体の構成が素晴らしいナンバーです。