History Of Pop Music

よくあるロックの名曲ではなくて、ポップミュージックの名曲を当サイトが厳選して紹介しています。選曲は全米Top5に入った曲はそれだけで名曲で、膨大なリストとなるため外しています。
00年代(2000年以降)から早くも四半世紀が過ぎようとしています。インターネットの普及からデジタルでのフォーマットが登場し、今はStreamingの時代となりました。膨大な世界の、または過去のライブラリを自由に聞ける、また個人が簡単に発信できる時代となり、音楽のあり方が変わってきました。Streamingsが集計対象になるため聞かれる曲はいつまででも聞かれ続け、ある時には自然発生のごとく過去の曲が浮かび上がってきます。そんな時代の00年代以降ですが、管理人がチャートヒット関係なく、長く聞かれ続けるのではないかと思う曲をセレクトしました。


00年代のロックは元気だったように思います。60年代、70年代の遺伝子を受け継いだバンドが次々と登場し、90年代のオルタナティブロックという言葉が徐々に薄れ、ポップで、ダンサブルなロックがこの時期を盛り上げます。

Take Me Out / Franz Ferdinand 04

 

スコットランドはグラスゴーで結成されたFranz Ferdinandはポストパンクリバイバルの中で登場していき、デビューアルバムからの2枚目のシングル「Take Me Out」は全米66位、全英3位を記録していきます。最初のイントロと本編によるテンポが違う2段編成の曲で、ギターの軽やかな刻むリズムがディスコティックで華やかさがあります。Franz Ferdinandが所属したDominoレコードは1993年に設立された独立系レーベルで、Franzの成功により名前を挙げて、Arctic Monkeysの登場につながっていきます。

Welcome To The Black Parade / My Chemical Romance 06

 

ニュージャージー州Newarkで結成されたポップパンクバンドMy Chemical Romanceが2006年に発売したシングルで、全米9位、全英1位を記録しています。2つのパートからなる組曲で、主人公の父親が亡くなる瞬間を、最初のパートでは父親との子どもの頃の話、次のパートでは実際になくなる瞬間と未来へと繋がります。キーワードの「繋がる We'll Carry On」というのは親の意思、命を自分がつなぐという意味でした。Queenの「Bohemian Rhapsody」のようなオペラの大曲がパンクサウンドと融合したあたりも独特でした。

Numb / Link Park 03

 

カリフォルニア州Agoura Hillsで結成されたメタルロックバンドLinkin Parkはヘビーメタルとラップを合わせた90年代後半の流れを00年に一気に盛り上げます。アルバム『Hybrid Theory』は「In The End」のシングルヒットもあって全米だけで1200万枚のマンモスヒット。2ndアルバム『Metaora』は2003年に発売され3曲目にカットされた「Numb」が全米11位、全英14位のヒットとなり、2004年にはJay-Zの「Encore」とマッシュアップされて全米20位、全英14位と再ヒットを記録しています。切ないメロディラインとボーカルチェスターの絶叫のようなボーカルが歌詞も合わさり心に残ります。

Cannonball / Damien Rice 03

 

アイルランドはダブリン出身のシンガーソングライターDamien Riceは70年代フォークロックの雰囲気を残し、2003年には「Cannonball」が全英32位、2004年に全英19位、2011年に全英9位を記録しています。2011年にTV番組「X Factor」で参加者によるカバーが話題を呼び、異例のリバイバルヒットに。2011年12月にはX Factorから登場したガールズグループLittle Mixにカバーされ全英1位を記録し、これが2011年に全英で最も売れたシングルとなりました。アコースティックギターの美しい調べが魅力的です。

I Bet You Look Good On The Dance Floor / Arctic Monkeys 05 



イングランドはシェフィールドで結成されたロックバンドArctic Monkeysはデビューが衝撃的で、「I Bet You Look Good On The Dancefloor」、「When The Sun Goes Down」とシングル2曲が全英1位に、アルバムは大絶賛されるなど盛り上がりを見せます。「I Bet You Look Good On The Dance Floor」は60年代のロックの熱さ、パンキッシュなリズム、そしてアレックスのストーリーを持った歌詞の詰め込み的な感じがありそうでない独特さを持っています。Arctic Monkeysは2013年に6枚目のアルバム『AM』を発売し、これが今もなお売れ続けるメガヒットとなっています。


Clint Eastwood / Gorillaz 01

 

ロンドンで結成された覆面バンドGorillazはBlurのデーモンアルバーンのプロジェクトで、ヒップホップやエレクトロを融合した音で話題を呼びます。デビューアルバムからのシングル「Clint Eastwood」は全米57位、全英4位を記録。クリントイーストウッドの映画「夕陽のガンマン」に似ていることからタイトルはつけられていて、Del The Funkyによるラップをメインに曲は展開します。Gorillazのキャラクターがそれぞれ登場するPVも話題となりました。

No Such Thing / John Mayer 02

 

コネチカット州Bridgeport出身のシンガーソングライターJohn Mayerのデビューヒット「No Such Thing」は全米13位、全英42位を記録しています。高校を卒業した若者の道を歌った曲はJohn自身の半生も含めた自伝的な曲で、軽やかなギターポップのメロディと合わせて力強い名曲となっています。John Mayerはこの後にシングル・アルバムとも活躍を続け、ロックを牽引していきます。

Drive / Incubus 00

 

カリフォルニア州Calabasasで結成されたIncubusはオルタナロックバンドとして90年代から活躍をしていますが、1999年に発売された『Make Yourself』から「Drive」が2000年に全米9位、全英40位を記録してブレイクします。ヒップホップのスクラッチから入るポップバラードな曲で、人生につきまとう駆り立てられる恐怖について歌われます。

Bohemian Like You / The Dandy Warhols 00

 

オレゴン州Portlandで結成されたオルタナロックバンドDandy Warholsの2000年に全米モダンロックチャート28位、全英5位を記録した曲です。当初はシングルヒットしなかったもののボーダフォンのCMに使われたことで一気にブレイク。曲は60年代Rolling Stones「Jumpin Jack Flash」のギターリフのイントロで、レトロな雰囲気をこの時代に蘇らせています。

Beautiful Day / U200

 

アイルランドはダブリンで結成されたU2は80年代、90年代とそれぞれロックのスタイルを変えながら活躍していますが、00年のU2はGrammy賞の常連になるなど新たなステージに入ります。その始まりが2000年に全米21位、全英1位を記録した「Beautiful Day」で、Grammy賞のRecord Of The YearとSong Of The Yearを受賞しています。90年代オルタナティブロックのU2から80年代への回帰と、その間のポップなフィーリングが合わさって開放感ある曲となっています。