History Of Pop Music

よくあるロックの名曲ではなくて、ポップミュージックの名曲を当サイトが厳選して紹介しています。選曲は全米Top5に入った曲はそれだけで名曲で、膨大なリストとなるため外しています。
70年代までの100曲編と80年代、90年代編は名曲としての意味合いが変わってきます。80年代頃からは幅広い音楽に触れる機会が増えたことで、様々な音楽を取り入れたり過去の音楽を再構築することが増えていきます。またシンセサイザーの普及で簡単に電子機器で音楽を作ることができるようになります。90年代頃には音楽の一部をサンプリングするラップミュージックが流行しました。
ということで今からだいぶ過去の音楽ですが、それでも色あせないポップミュージックの美しいメロディの世界をぜひお楽しみください。
80年代から90年代末までで100曲の3回目です。

Super Freak / Rick James 81

ニューヨーク州Buffalo出身のシンガーソングライターRick Jamesの81年に全米16位を記録したナンバーです。78年から毎年アルバムをリリースしてヒットさせる天才アーチストRick Jamesが最も成功したアルバム『Street Songs』からのシングルです。ディスコティックで耳なじみのよいメロディは時を超えて、89年にMC Hammerがこの曲をサンプリングした「U Can't Touch This」(全米8位)が大ヒットしヒップホップブームを牽引することになり、2022年にはNicki Minajが「Super Freaky Girl」で全米1位を獲得するなど、聞き継がれています。

Forget Me Nots / Patrice Rushen 82

 

カリフォルニア州ロサンゼルス出身のシンガーソングライターPatrice Rushenの82年に全米23位、全英8位を記録した曲です。Patrice RushenはTop40ヒットがこの曲だけで、アルバムも『Straight From The Heart』(全米14位)が目立った活躍ですが、インストゥルの名曲「Number One」を作曲するなど優れたソングライターでした。「Forget Me Not」はうねるようなベースラインが心地良いダンストラックで、Will Smithが「Men In Black」(1997年全英1位)、George Michaelが「Fast Love」(1996年全米8位)でサンプリングしています。

A Night To Remember / Shalamar 82

 

Jody Watleyが所属しているカリフォルニア州ロサンゼルスのR&BグループShalamarの82年に全米44位、全英5位を記録した曲です。Shalamarには「The Second Time Around」(全米8位)や「Dancing In The Sheets」(全米17位)といったヒットがありますが、チャート順位以上にクラッシックとして聞き継がれているのはこの曲です。バックのギターのリフのメロディが中毒性がある曲で、UKのボーイズグループ911(全英38位)やLiberty X(全英6位)によってカバーヒットされています。

Walkin Into Sunshine / Central Line 81

 

ロンドンで結成されたR&BバンドCentral Lineの82年に全米84位、全英42位を記録した曲です。チャートヒットでは目立った記録はありませんが、シンセサイザーの刻むファンキーなメロディラインはインパクトがあり、George Michaelの「Shoot The Dog」などや、LL Cool Jなどラップのサンプリングの定番として今もなお聞き継がれている隠れたポップスの名曲です。

Genius Of Love / Tom Tom Club 81

アメリカはニューヨークで結成されたTalking HeadsのサイドプロジェクトTom Tom Clubの81年に全米31位、全英65位を記録した曲です。邦題は「おしゃれ魔女」で、軽快なシンセサイザーのメロディとコーラスが独特です。80年代後半からのヒップホップラップでのサンプリングの定番で、有名なものとしてはMariah Careyの「Fantasy」(1995年全米1位)、Lattoの「Big Energy」(2021年全米3位)があります。

Be Alright / Zapp 81

 

オハイオ州Daytonで結成されたFunkバンドZappの81年に全米R&Bチャートで26位を記録した曲です。チャート上では目立った記録は残っていないものの、切ないメロディラインにイントロのアレンジは90年代に入ると2Pacの「Keep Ya Head Up」(1993年全米12位)、H-Townの「Knockin Da Boots」(1993年全米3位)などにサンプリングされる定番ソングとなり存在感を出しています。今回は選に漏れた「Computer Love」などZappやそのボーカルRogerはボイスチェンジャーを使った初期のアーチストとして再評価されています。

Stay With Me / Debarge 83

 

ミシガン州Grand Rapidsで結成されたファミリーグループDeBargeの1983年のアルバム『In A Special Way』(全米36位)に収録されている曲です。Debargeはサンプリングの定番を数多く生み出していて「A Dream」や「I Like It」も有名ですが、なんと言っても「Stay With Me」はNotorious BIGが「One More Chance」(1995年全米2位)、Ashantiが「Foolish」(2002年全米1位)を始め数多くのヒットに使われていて有名です。切なくも美しいメロディラインのループが心地良い。

Rock It / Herbie Hancock 84

 

イリノイ州シカゴ出身のJazzミュージシャンHerbie Hancockは「Cantaloup Island」や「Watermelon Man」など数多くの名曲を生み出している伝説的なアーチスト。1984年にはレコードをこするHipHopの定番でもあるスクラッチノイズを使った「Rock It」で全米71位、全英8位のヒットを生み出しています。ロボットのような彫刻が人間の家庭を描いたPVもまた話題でした。日本のバラエティ番組でメロディが使われるなど一度は耳にしたことがある定番のヒップホップです。

Between The Sheets / Isley Brothers 83

 

オハイオ州Cincinnatiで結成された兄弟グループThe Isley Brothersは1959年から今もなお活躍する伝説的なアーチストです。60年代にはBeatlesのカバーで有名な「Twist & Shout」が全米17位のヒット、70年代には「That Lady」が全米6位のヒットを記録するなど活躍しています。80年代は「Between The Sheets」が全米101位、全英52位と目立ったチャート記録は残っていないものの、メロウなサウンドは90年代に入って脚光を浴びてR Kellyのダウンロウサウンドのオリジンとして注目を集めました。サンプリングの定番ですが、有名なものはDa Bratの「Funkdafied」(1994年全米6位)、Notorious BIGの「Big Poppa」(1994年全米6位)がヒットしています。

Through The Fire / Chaka Kahn 84

 

イリノイ州シカゴ出身のChaka KahnはファンクグループのRufusを含めて数多くのR&B名曲を生み出していますが、この曲は全米60位、全英77位という目立った記録は残っていないものの今では80年代を代表するR&B(当時はこのような曲をQuiet Stormと呼んだ)の名曲として知られてます。作曲プロデュースはDavid Foster。Chakaの熱唱に完璧なメロディと構成はまさしくいつ聞いても新鮮で感動的です。Kanye Westがデビュー曲にこの曲を選び「Through The Wire」は2003年に全米15位を記録しています。