アメリカはロサンゼルスで結成されたロックバンドToto4枚目のアルバムで、最高傑作アルバムです。シングル「Rosana」(全米2位)、「Make
Believe」(全米30位)「Africa」(全米1位)「I Won't Hold You Back」(全米10位)「Waiting For
Your Love」(全米73位)がヒットして、アルバムは全米4位、全米だけで300万枚のセールスを記録しています。82年のGrammy賞でAlbum
Of The YearとRecord Of The Year(Rosana)を受賞しています。
アルバムはこれぞAORという代表的なアルバムで、リズムが3段階で変わるロックナンバー「Rosana 」の見事さはToToらしいサウンドです。全米1位を獲得した「Africa」のアフリカンなリズムトラックも匠な感じで、切ないメロディとボーカルの「I Won't Hold You Back」に、グルーブ感が最高な「Waiting for Your Love」など名曲が揃っているAORが好きな人は必須な一枚です。
★★★★
High Adventure / Kenny Loggins (1982)
アメリカはワシントン出身のシンガーソングライターKenny Logginsのソロ4枚目のアルバムで、全米13位を記録しています。JourneyのSteve Perryとの共作でノリノリのロックナンバー「Don't Fight It」が全米17位、「Heart To Heart」が全米15位、「Welcome To Heartlight」が全米24位のシングルヒットを生んでいます。
まるで冒険映画のようなジャケットが印象的なアルバムですが、AORファンにはたまらないアルバムで、オープニングの「Don't Fight It」で始まれば、Michael McDonaldとの作品「I Gotta Try」やシングルヒットした「Heart To Heart」(全米15位)といったメロウなAORのナンバーが収録されています。特に「Heart To Heart」はチャート順位では低いもののドラマチックな展開が光る80年代の名曲の一つです。
Michael McDonaldの特徴でもある野太い声とシンセサイザーの作るメロウなサウンドが最高です。シングルヒットした「I Keep Forgettin」は90年代にWarren Gが「Regulate」でサンプリングしてヒット。「I Gotta Try」はKenny Logginsとの共作です。アルバムラストの「Believe In It」は「What A Fool Believes」のフレイバーたっぷりで最初から最後まで楽しめる1枚です。
アルバムはジャケットのガッシャーンがあるオープニングの「Blackout」は躍動感あるロックナンバーで、全米で65位のヒットを記録した泣きメロサウンド「No One Like You」も収録されています。全米でこのアルバムがブレイクしたことで、この後「Rock You Like A Hurricane」(84年全米25位)に繋がっていき、ドイツ発のハードロックサウンドとして知られるようになりました。
アルバムはメカメカしい鳥のジャケットが印象的ですが、曲は唸りを上げるギターサウンドとボーカルに彩られていて、ドライブ感が満載です。「Electric Eye」や「Riding On The Wind」「Scraming For Vengeance」などジャケットの鳥をイメージさせる曲もあって、最初から最後まで一気に聞かせる流れの良さがあります。
★★★★
Night Birds / Shakatak (1982)
イングランドはロンドンで結成されたジャズグループShakatakの2枚目のアルバムで、タイトルトラックが全英9位、「Easier Said Than
Done」が全英12位、「Streetwalkin」が全英38位のシングルヒットがあり、アルバムは全英チャート4位を記録しています。
Shakatakはお洒落な都会的なサウンドで日本で特に人気があって、80年代に青春を過ごした人にとっては忘れられない音の一つです。代表曲「Night Birds」は都会的なフィーリングにピアノの調べが絡まって、切ないメロディはいかにも日本人好みの憂いあるサウンドです。サックスをフューチャーした「Streetwalkin」、Chic風のカッティングギターが炸裂するファンキーな「Easier Said Than Done」などいつ聞いても楽しめる一枚です。
イングランドはロンドンで結成されたポップバンドCulture Clubの2ndアルバムです。日本盤は「Time」(全米2位)が収録されていますが、オリジナル全米盤は「Karma Chamereon」(全米1位、全英1位)、「Church Of The Poison Mind」(全米10位、全英2位)、「Miss Me Blind」(全米5位)、「It's A Miracle」(全米13位、全英4位)、「Victims」(全英3位)がシングルヒットして、アルバムは全英1位、全米2位を記録しています。
アイルランドはダブリンで結成されたロックバンドU2の3枚目のアルバムで、全英チャートで1位、全米チャートで12位のヒットとなったブレイク作です。「New
Year's Day」が全英2位、全米53位、「Two Hearts Beat As Ones」が全英18位を記録しています。
オープニングの「Sundeay Bloody Sunday」は1972年にアイルランドで起こった事件をエッジの書いたバンドを代表するナンバー。ブレイクのきっかけとなった「New
Years Day」はEdgeのジャカジャカとしたギター、Larry Mullen Jrのハードなドラムといったハードロックな音の一方独特の切ないメロディラインが魅力で、U2の名前をMTVと共に一気に広めていきました。
★★★★
Pyromania / Def Leppard (1983)
イギリスはShefieldで結成されたハードロックバンド Def Leppardの3枚目のアルバムです。MTV時代においてこれまでハードロックはバッドボーイなイメージがありましたが、Def
LeppardはスポーティなイメージのPVからシングル「Photograph」が全米12位、「Rock Of Ages」が全米16位を記録して、アルバムは全英チャート18位、全米チャート2位を記録。全米だけで1000万枚を売り上げるマンモスアルバムとなりました。
アルバムはAC/DCの『Back In Black』のJohn Matt Laungeをプロデューサーに迎えて、ハードながら聞きやすいメロディアスなロックサウンドが展開します。サビでのハモり、コーラスが特に印象に残ります。シングル以外も曲が充実していて、オープニングの「Rock Rock」から流れるような展開が素晴らしいアルバムです。
Motley Crueは80年代前半のハードロックらしいKISSを彷彿とさせるビジュアルと当時のロックそのもののバッドボーイな感じがあり、MTVを中心に人気となります。Motley Crueと言えば特にVince Neilの甲高いボーカルやTommy Leeのドラムとパフォーマンスが魅力でした。アルバムからは「Shout At The Devil」と「Looks That Kill」がロックチャートでヒット。Beatlesの「Helter Skelter」のカバーも収録されています。Motley Crueはこのアルバム後シングルヒットも生まれるようになり80年代のハードロックブームの中心として活躍をするようになりました。
★★★
Breakout / Pointer Sisters (1983)
アメリカはオークランドで結成された女性3人組ソウルグループPointer Sistersの10名目のアルバムで、「Automatic」が全米5位、「Jump
(For My Love)」が全米3位、「I'm So Excited」が全米9位、「Neutron Dance」が全米6位のヒットを記録してアルバムは全米8位、300万枚の売り上げを記録しています。
アルバムは70年代ソウルの伝統と80年代のシンセサイザーサウンドが合わさったものになっています。特徴的なのはシングルヒットした「Automatic」で、Ruth Pointerの低音ボイスから始まるシンセサイザーポップスな1曲。躍動感のあるFlash Dance的な「I'm So Excited」はエンパワーソング。最も70'sソウルな感じのある「Neutron Dance」は人気映画『Beverly Hills Cop』で使用されました。
★★★
Between The Sheets / Isley Brothers (1983)
アメリカはオハイオで結成されたR&BバンドIsley Brothersは60年代、70年代と形を変えて活躍し続けていましたが、そんなIsley
Brothersが80年代にリリースした22枚目のアルバムで、「Choosey Lover」や「Between The Sheets」がR&Bチャートでヒットしたことを受けて全米19位を記録したアルバムです。
アルバムタイトル通りにスウィートソウルに舵を切ったアルバムで、これが90年代に入りR Kellyを始めとするアーチストに再評価をされて、90年代の復活に繋がります。シングルヒットとしては100位には入らなかった「Between The Sheets」はDa BratやNotorious BIGがサンプリングして大ヒットしたネタとして有名な名曲の一つ。「Ballad For The Fallen Soldier」もJay-ZやDJ Khaledにサンプリングされています。