グラムロックスターだったDavid Bowieの最高傑作で、宇宙からやってきたZiggyを主人公にロックスターの誕生から栄光、そして失墜まで描くドラマチックなトータルアルバムです。しかも収録曲の数々が切なくも美しいメロディに彩られて、オープニングの「Starman」、絶頂を描いた「Lady Stardust」、失墜を描いた「Ziggy Stardust」、そしてラストの最後を描いた「Rock N Roll Suicide」は名曲です。
アルバムはアメリカのルーツ音楽の歴史という感じの大作で、1枚目のオープニングに「Rock Off」、2枚目のオープニングに「Happy」と躍動感のあるロックナンバーを配置し、Stonesらしいブルースロックを散りばめて、アルバムの最後は15曲目「All Down The Line」から18曲目の「Soul Survivor」でしっかりしめくくります。ボリュームがありながら、曲はどれも洗練されたもので、起伏ある配置も素晴らしく、一気に聞かせてくれます。
★★★★★
Something / Anything / Todd Rundgren (1972)
アメリカはフィラデルフィア出身のシンガーソングライターTodd Rundgrenの最高傑作アルバム。全米チャートは29位ですが、「I Saw The Light」が全米16位、「Hello,It's Me」が全米5位を記録しています。
Beatlesの後継者と言わしめるほどメロディアスな曲が魅力のTodd Rundgrenですが、当時のアルバムにして2枚組という膨大な量にも関わらず、どの曲も素晴らしいポップアルバムの名盤です。アルバムはそれぞれコンセプトが違っていて、「A Bouquet Of Ear Catching Melodies」、「The Cerebral Side」、「The Kid Gets Heavy」、「Baby Needs A New Pair Of Snakeskin Boots(A Pop Operetta)」というサブタイトルが作られ、特にD面(4番目)はライブ盤のような作りになっています。
★★★★
Machine Head / Deep Purple (1972)
1968年にイギリスはロンドンで結成されたハードロックバンドDeep Purpleの6枚目のアルバムで、全米7位、全英1位を記録しています。アルバムからシングル「Smoke
On The Water」が全米4位のヒットを記録しています。
邦題『狂気』は人間の狂気を描いたコンセプトアルバムで、また音がビジュアルチックで、暗闇で聞くとだんだん自分が浸食されていくような感覚に陥いるものです。中盤の「虚空のスキャット(The Great Gig In The Sky)」はメロディも声も切なくて感情が揺さぶられ、ラストの展開はまるで壮大な一つの映画を見ているかのような感覚さえ受けます。