ふぃがろ的オペラ考察1
ビギナーお勧め度



椿姫

〜道を踏み外した女〜
[La Traviata]



ドキっとするタイトルですね。

「椿姫」と日本で呼ばれているヴェルディのオペラですが、
La Traviataとは、道を踏み外した女 という意味。
「椿姫」とはもとになったデュマ・フィスの小説の名前です。


主人公のヴィオレッタは〜夜の蝶〜(注1)
ある晩の夜会でアルフレードという片田舎の青年と出会います。
今まで出会ったことのない純粋な恋心からの視線にヴィオレッタは
一度は一笑にふすもののアルフレードとパリ郊外へと移り住みます。
これをとがめたのはアルフレードの父ジェルモンで、
アルフレードの留守中に訪問しヴィオレッタに息子と別れるように説得します。
ヴィオレッタはジェルモンの言葉に従いパリに戻りますが
父ジェルモンがし向けたとも知らずにパリに戻ったヴィオレッタを
アルフレードは不実者としてなじり、周りの非難を浴びます。
一人になったヴィオレッタは以前からの肺病を悪くし、床に伏せります。
息子に全てを話したとのジェルモンからの手紙を希望にしていた
ヴィオレッタのもとにアルフレードが来たときには時既に遅く、
再会もつかの間、アルフレードの腕で息を引き取ります。






ふぃがろココを聴いてよ!!


第1幕 アリア
ああそはかの人か〜花から花へ


正直な話、"そはか"って未だにピンとこないんですけど (爆)
あらすじでも「一笑にふす」とわざわざいれたのはぜひこの曲を聴いて欲しいから。
前半では今まで想像すら出来なかった純粋な愛による眼差しに
とまどいながらも、それに心地よさを感じるヴィオレッタですが
どんなに華やかにしていても自分は高級娼婦。
ただ花から花へと楽しむのよ と自分に言い聞かせます。
余談ですがマエストロOはこの曲と「新宿の女」という
藤ケイコの歌に共通点がある!!と力説していました。
(確かテレビのインタヴューでも)
でもマエストロ、ごめんなさい。僕その曲、知りません・・・・・・・(爆)




第2幕 第1場 ヴィオレッタとジェルモンの二重唱

二人の愛の巣にアルフレードの父、ジェルモンが訪ねてくるシーン。
どうせ息子は惑わされ貢いでいるのだと思っていたジェルモンに
ヴィオレッタは自分の私財を売り払っているという書類を見せる・・・・
つっこみどころがなくなってしまったジェルモンは、アルフレードの妹が
今回の兄の行動のおかげでせっかくの縁談が破談になりそうだと泣きつく
いつまでもこんな生活が続くはずがないとどこかで感じていたヴィオレッタは
泣き泣き、ジェルモンの説得に従い、自分は死を選ぶと・・・・
さすがのジェルモンも自殺なぞされたものなら後味が悪いので止めるのだが・・・・




第2幕 第2場 フローラの夜会でのヴィオレッタとアルフレードの二重唱

ジェルモンの説得に従い手紙を残して、フローラの夜会に来た
ヴィオレッタだったが既に彼女はドゥフォール男爵の連れとなっていた。
しかし、アルフレードが先に来ているではないか?
このままではタダですむはずがないと思ったヴィオレッタは
秘密裏にアルフレードを呼びだしアルフレードにここから帰れと言うのだが
だだっ子のようなアルフレードは一緒でなければ帰らないと
(どうしてテノールの役ってこういう馬鹿が多いのかね・・・)
一緒には帰れないというヴィオレッタの言葉にキレたアルフレードは
夜会の客達、皆のいる前でヴィオレッタに今までの金だと札束を投げつける。
そのような卑劣な行為に、周りからは非難の声が飛ぶ・・・・
そこへジェルモンも現れ、息子の醜態に呆れ果てる
でもさぁ・・・そうし向けたのは紛れもなくあんた<ジェルモンじゃん!!




第3幕 ジェルモンからの手紙

あの華やかな姿だったとはとても想像つかない、病に冒されたヴィオレッタ。
私財は既に手放した後であり、部屋は寒々としている。
ただ一人ヴィオレッタの看病をするアンニーナ
ヴィオレッタはまたジェルモンからの手紙を読んでいる・・・・
本当に読んでいるのだろうか?????
ヴィオレッタは既にこの手紙を何度となく読んでいるので
もう暗唱してしまっているのだ。
「アルフレードはあなたのもとへ行くでしょう」と書かれた手紙
その再会というささやかな希望のみが支えている今にも消えそうな命の灯・・・




プリティー・ウーマンという映画にオペラを見に行くシーンがあって
このLa Traviataが使われているのですが、
設定的にもイタリア語がわかるとは思えない彼女が
あれだけ涙を流して共感したのは、共通項があったからだと思います。
とにかくヴェルディの音楽はシンプルなのに雄弁で心を震わせます。




ふぃがろオススメを聴いてよ!!


カルロス・クライバー指揮 イレアーナ・コトルバス プラシド・ドミンゴ
















<注1>この表現でわかる方、あなたは大人です。
僕がこの楽譜を初めて読んだのは高校生の時でした。
当然そんな表現では????です。


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