カメラータ・ムジカーレ第42回演奏会 ご来場者の声

「イタリアへのあこがれ」

 (プログラムはこちら

 

 

2002年11月17日(日)午後3時 聖パウロ女子修道会

 

聖パウロ女子修道会には初めて行ったのですが、坂を上っていくあたりからクラシックな雰囲気で、おまけに音響も素晴らしかったですね。ただ、響きが豊かな分、演奏者同士で音を聴きあうのがむずかしいところもあったのでは? と思いましたが、皆様はいかがでしたか?

それにしても今回は特に弦の厚さが心地良かったですよ。あの人数だと理想の響きが得られますよね。第一、第二ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、ガンバ、コンバスとバランスのとれた組合せを堪能できました。ヴィヴァルディの合奏協奏曲やバッハのシンフォニアなど、とても贅沢な響きでよかったです。

ソロ・コンチェルトも独奏者の持ち味がよーく出ていて楽しめました。アマチュアの場合、演奏そのものと同時にステージでの本番に至るまでの過程と、演奏者の曲にかける思いを考えながら聴くというのが僕の楽しみでして、その意味で小川さん、山本さん、脇田さんのカラーがそれぞれの演奏からにじみでていて良かったです。アマならではの「ほとばしり」があったなぁ。良い意味で「プロには決してできない」熱い思いが感じられました。

木島さんのソロによるカンタータはさすが!の一言。やはり声が加わると空気が変わりますね。会場のお客様もそれは実感されていたようです。

プロを迎えてのメインプログラムというのは聴く側にとっては確かに魅力あるものでしょう。もっとも選曲やメンバーとの兼ね合いなど、現実問題としてむずかしい点もあるかとは思いますが、あのゴージャス感は人をワクワクさせますね。オブリガートの曽禰さんのトラヴェルソも、ある時はしっとりとある時は情熱的に…といった具合に、情感豊かなこの曲を巧みに演出。お客様も大喜びでした。

とにかくメンバーお一人お一人の音楽の歓びと演奏の愉しみが感じられて、とても快適な演奏会でした。

(朝岡 聡)

〔朝岡さんには開演のご挨拶をいただきました。ありがとうございました。〕

制約の多い中、そこそこ格好のつくところまで纏められたご苦労を思うと、いつもながら頭の下がる次第です。アンサンブルの完成度からいうと、リコーダー協奏曲とチェンバロ協奏曲そしてカンタータ「悲しみのいかなるかを知らず」の3曲が良かったように思います。

久しぶりに耳にした山本さんの澄んだ音色とテクニックには驚きました。また、脇田さんの軽やかながら安定したフレージングはとても爽やかなものでしたが、体一杯で音楽の楽しみを現わしながら鍵盤の上を自在に駆けめぐってていらっしゃる様は、香り豊かな花園で乙女が踊っているかのような幻想すら覚えました。

木島さんの美しいお声! 声楽を管弦楽の伴奏つきで聴く機会が実は初めてでしたので、感動致しました。グルーミーな宗教色もオペラの喧騒もなく、歌う喜びと器楽の楽しみが純粋なかたちで一体になった素晴らしい世界。時を忘れて浸りきりました。

昨年の場所(神田キリスト教会)より良い残響が残る点は良かったのですが、中低音の音量に対し、バイオリンがともすれば押され気味な場面がありました。「調和の幻想」、アルビノーニの2曲でそれを特に感じたのですが、編成バランスの問題なのか演奏者の距離なのか。木島さんの入られた「カンタータ」では不思議にも音域間の均衡がとれていました。

以上、口はばったいことを申しましたが、秋のひと時、幸せな時間をいただき有難うございました。

(A.S.)

私にとっては初めてのバロック演奏会でした。大きなホールでのオーケストラの演奏とは違って、とても身近で肩のこらない良い演奏会でした。演奏者のお人柄まで伝わるような演奏会は、今の時代にとても合っているように感じました.後ろでシスターもひっそりと楽しんでいらっしゃったのがとても印象に残っています。

場所柄はピッタリとは思いましたが,後ろの方で聴いていた私はメンバーの半分のお姿は見えなくて残念に思ったことの一つです。演奏会前に見るべきでしたが、帰ってからいろいろ興味を持ったことを、ホームページで勉強しました。

これからの皆様のご活躍を楽しみに致しております。

(D.R.)

素晴らしい演奏を有り難うございました。お陰様でとても心地良い時間を過ごさせて頂きました。私がクラシック音楽を好きになったのはここ数年のことなので、知らないことばかりですが、皆様の演奏をただただ感激して聞いていました。

教会内に音が良く響き、豊かな緑と厳粛な雰囲気の中で、心静かに聞くことが出来ました。ほとんど初めて聞く曲でしたが、どの曲も「胸に落ち」、私の音楽の1ページが増えて嬉しく思います。

限られた時間での練習とお察し致しますが、また来年の演奏会を楽しみにしています。

(K.S.)

リコーダー協奏曲は、「なにもあえてこんな難しい曲を選曲しなくても・・・」と思いました。でも、バッハのチェンバロ・コンチェルトの中で一番大好きな曲を生で聴けて嬉しかったです。ビリビリくるものがありました。それとバッハのカンタータのソプラノとトラヴェルソの兼ね合いも大好きなのですが、とても良い感じで聴かせていただきました。あの教会にトラヴェルソの音が、本当にうまく響き渡っているので、また機会があれば聴いてみたいと思います。

(I.M.)

先日ウイーンに行きました折、バロック建築に触れて、バロックというものが初めてよく分かりました。私はプロテスタントということになっていますので、バロックの様式が反宗教改革の精神である、ということの意味が汲み取れる気がいたします。そういう知識をもって聞いていたせいか、とても内容が汲み取れて、実に楽しかった、というのが正直な感想です。これでもか、これではいけない、といった当時のバロックの精神と気持ちは、元気があり、どことなく哀愁もあり、反省と前進が絶妙です。そんな人間的ないたって人間的な、響きでございました。皆様が一生懸命演奏なさっている姿は、なんともいえない、深い味わいがありました。

(S.K.)

まず42回という回数に驚きます。仕事をもちながらこれだけ回数を重ねることは、音楽への情熱なしにはできないでしょう。10年ほど前に聴いた、上野のホールでのコンサートを思い起こしてみると、演奏も曲目選びも円熟してきたと感じます。とくに今回は曲目選びがとてもよく、前半では一曲ごとに主旋律の楽器の特徴的な音色を楽しむことができましたし、後半では器楽曲・声楽曲ともに厚みのあるポリフォニックな響きを楽しむことができました。

個人的には、オーボエとファゴットの音が心にしみました。木島千夏さんのソプラノは、甘く柔らかな声がすてきでした。ただ、難しいことかもしれませんが、歌は日本語で聴きたいというのが私の願いです。

なお、プログラムの曲目解説が親切で、大変参考になりました。来年もまた楽しい演奏会を期待しています。

(N.I.)

 

 

2002年11月24日(日)午後3時 横浜市開港記念会館

 

素敵な演奏を聴かせていただき、まだまだ子育てに追われている日々から、つかの間開放され、楽しい時間を過ごさせていただきました。感想を図々しく言わせていただくと、最初の2曲が、難易度の高い曲だったのでは・・・といったところでしょうか。後半は皆さんの調子もどんどんアップされて、やはり最後のカンタータは素晴らしく、感激しました。フルートとソプラノが加わったことで、締めくくりにふさわしい曲に仕上がっていたと思います。思わず吸い込まれてしまいました!

(R.K.)

演奏会が終わってから、歌に興味のある幾人かの友人を誘えばよかったと後悔しました。今回はビブラートを効かせない歌い方の澄んだ声を堪能できました。いつも合唱団や「ハンガリーのコダーイシステムの会」で歌う時に注意している歌い方そのものだったからです。また、毎年どんどん上手くなってくるフルートの演奏はとても良かったです。

会場は雰囲気があって良かったと思います。ただ、2階席に居りましたが、廊下の話し声が聞こえてくるのが気になりました。演奏会中は人が通れないようにできなかったのかと思います。

毎年、歌付きというのは大変でしょうが、またこのような企画を待っております。来年も聞きに参ります。

(M.W.)

ほぼ満席の状態でとても盛況でしたね。休憩時間にコーヒーを飲みに行ったのですが、多くの方たちが演奏を楽しんでいるようでしたよ!! クラシックを聞き慣れていない私は、どこで拍手をするのやら、少し戸惑いましたが。

木島さんの歌声にはとても感動しました。華奢な体のどこからあのような力強い声がでるのか?! オペラを歌う方たちは体格が良いというイメージが強いせいでしょうか? また、あの横笛の名前を忘れてしまいましたが、やわらかな音がとても気持ちよかったです。しばらくサックスのレッスンを休んでいたのですが感化されたようで復活したくなりましなりました。また機会があれば聴きに行きます。

(H.T.)

チェロの中尾さんからのご案内でこの演奏会を知ったのですが、大変良かったです。オリジナル楽器によってバロックの響きの本当の美しさが表現されていたと思います。特にヴィヴァルディの「調和の幻想」とチェンバロ・コンチェルトに感動しました。ヴァイオリンの方の美しい指さばき、トリル、そしてこの2つは特に通奏低音とのバランスが良かったです。他の曲では、ファゴットやオーボエ・ダ・カッチャの音があまり聞こえなかったのが残念でした。

素晴らしい演奏を素敵なホールで聴くことが出来てよかったです。ありがとうございました。次の演奏会も楽しみにしております。

(K.M.)

皆さん趣味として長く、そしてとても仲良くやっておられ、うらやましいというのが、率直な感想です。ただ、男性の方々は、ちょっと野暮ですね。サラリーマンの制服ではなく、黒っぽいカジュアルな服装でやれば、雰囲気も違ったものになったのではと思いました。会場が良かった分(正面上からの照明があれば、もっとかっこよかったと思います)、残念でした。

演奏はとても立派なものです。私は最近フルートを吹いておらず、皆さんのご精進には、ただただ頭が下がる思いです。

(N.N.)

古楽器の演奏会は初めてです。メンバーの方のお友達から誘われて参りました。もともとオーケストラや合奏音楽が好きで、懐具合に合わせて聴いております。

いい年をして何にでも興味を持つ方で、前から2列目に座りました。楽器をよく見たいため、もあってです。VnとVaについては、現代の楽器と区別がつきませんでしたが、弓の持ち方がやや違うようでした。チェロとヴィオラ・ダ・ガンバを両足で保持しながら弾かれるのは驚きました。絵や写真では見ていたものの、目の前で拝見すると、まさにガニまたで楽器を支えるとは。あれでは女性の奏者がなかなか出なかったのは当然のことのようです。1940年代以前の女性チェロ奏者が揃えて曲げた両足の右に楽器を置いての演奏が、まことに無理な姿勢だったのをかすかに記憶しています。

また、ヴィオラ・ダ・ガンバが7弦だったのも驚きでした。ギター、マンドリンのような撥弦楽器ならまだしも、擦弦楽器では弓の扱いが大変でしょう。5弦のコントラバスなら、擦弦部の大きさから十分考えられますが、ヴィオラ・ダ・ガンバでは弓の擦弦角度差(とでも言うのでしょうか)が小さくて大変でしょう。そして楽器の重さは床ではなくすべて両足に。さぞ、足腰が疲れることでしょう。7本の弦の間の音程は、左手の負荷を軽くするために、5度ではなく4度ではないかと、素人が勝手に想像しています。

ソロ楽器の音が相対的に小さいように思われました。チェンバロの音が弦楽器群の中に埋もれ気味でした。聴いた席が良くなかったのか、2階の中央なら良かったか、とも思っています。

オーボエ・ソロやバッハのカンタータでの2本のオーボエでは、キーの少ない楽器の演奏の難しさがよく分かりました。クロス・フィンガリングの巧みさに驚かされましたが、音程の調整に苦労されているようでした。リコーダー・ソロは大変良い演奏でした。尺八はよく首を振るといわれますが、発音機構の固定したリコーダーで、唇との角度を使っての演奏、「ウーム、たいしたもんだ」と唸ってしまいました。やはり、音量に不満が残りました。オーボエ・ダ・カッチャがどんな音なのか、演奏姿勢がどうなのか、良く拝見できませんでした(席のせいでしょう)。落ち着いた音のトラヴェルソ、つやのあるソプラノ、良うございました。

どの曲ものびのびと演奏されているようでした。全体として良かったのは、最初のヴィヴァルディとバッハのカンタータ。古楽器合奏のホールとしては、本当はもっとこぢんまりしたところが適しているのではとの思いがしました。管楽器の音量を考えると、管楽器の入ったトゥッティでは、VnとVa が少し音を加減されると良かったかも、と思いました。

(H.S.)

大変楽しませていただきました。バロックのコンサートなど本当に久々でしたが、心が満たされ、疲れが癒され、改めて音楽の素晴らしさに感動を覚えました。皆さん、それぞれお仕事の合間をぬって練習に勤しまれたのでしょう。本当にありがとうございました。会場も歴史的建造物と、雰囲気がぴったりでした。これからも、あのような素晴らしい活動を続けていただきたいと願います。感謝をこめて。

(F.R.)

演奏会をすっかり堪能いたしました。とても楽しかったです。雰囲気は抜群でしたね。音響などのことはよくわかりませんが、建物の雰囲気に曲が溶け込んで、とてもよかったです。

「調和の幻想」、とてもいいですね。私が今まで知っているヴィヴァルディとは大違いでした(ヴィヴァルディはむしろ、エレベーター音楽くらいに考えていたのですが、大間違いですね。とてもうれしい発見です)。そのあとつづいた曲目もすばらしかったですね。ごちそうのフルコースといった感じでした。前半最後のチェンバロ・コンチェルトは個人的に好きなので、うれしかったです。

最後のカンタータではフルートと歌と弦楽器などが掛け合いで進むところ、とても楽しかったです。最後のアリアでは、日本語の正しい表現ではないのですが、命びろいをした、と感じました。

(N.F.)

横浜開港記念館はバロック音楽の演奏会会場としては最適な場所であると思いました。やはり演奏するにも雰囲気も大切であり、何時も素敵な会場で演奏されておられますが、今回は、特に最適だと感じました。

今回、初めて声楽(ソプラノ)も入りましたが、歌手の木島さんの声はきれいで、聞きやすく、気持ちも落着かせる雰囲気があり、バロックの楽器の演奏とマッチし、従来の楽器だけの演奏と違った良さを感じました。演奏されたメンバーの方々には、若手の人が増加し、益々、会が明るく楽しい雰囲気になってきていると思いました。(古い人が1/3位になっているのに一寸淋しさも感じたのは、私が年を取ってきたためかもしれません。)

若い人の演奏は大変上手でアマチュアの域を脱していて、自然に演奏してバロック音楽を楽しんでいる様子で、演奏にゆとりがあるように思えました。以前は、演奏している状態を注目していましたが、最近は、曲を、楽器の音色を楽しむ気持ちになりました。

今回の演奏会で、ヴァイオリンの音色を聴いてみますと、澄んだきれいな音で、気持ちを明るくさせる感じがあり、ガンバ、チェロ、コントラバスの音は気持ちを落ち着かせ、トラヴェルソは、小鳥のような音色で、明るい気持ちにさせました。バロック音楽に使われている古楽器は、音色が人の気持ちを落着かせ、癒しの楽器ともいわれているのが分かる気がします。オーボエの演奏は、曲芸師のような鮮やかな指の動きに驚かされました。

その上、印象に残ったことは、演奏している時の姿勢で、ゆったりしていて、伸び伸びして余裕が感じられました。特に、ヴァイオリンを弾いていた若い女性の方は、姿勢を正して、体の力を抜いて、顔は真直ぐ前方を見て、手と腕を柔らかくして、軽やかに落ち着いて演奏していたので、それを聴いている私も、気持ちがゆったりとしてきました。洋楽器の演奏にも、日本舞踊や武道と共通する個所があるように思えます。今、私は合気道を習っていますが、体の中心(丹田の辺り)に気を集中させ、肩の力を抜いて、体を柔軟に対応できるようにさせて、動きに無駄をなくし、滑らかな動作になるようにするのが、ポイントです。同じようなことを、今回の演奏会での楽器を演奏している姿勢に感じました。

カメラータ・ムジカーレの演奏会は、20年前ぐらいから聴かせていただいております。年々、演奏されている皆さんが上手になられて、曲を楽しんで演奏されている雰囲気が感じられましたが、聴いている私共にもそれが伝わってきて、同じように楽しくなりました。前に述べましたように、演奏はアマチュアの域を脱して、プロの演奏家に近い感じがしてきています。(ただ、昔のようなアットホームな感じが薄れてきたようにも思えますが、両立させるのは難しく、無理な注文なのかなと思いました。以前のように、演奏する時に曲の紹介や楽器の特長などを説明してもらえると嬉しいのですが。演奏を聴きに来ている人には、私のようにバロック音楽に素人の方も来られているでしょうから、説明してもらえると、バロック音楽が良くわかり、興味が増してくると思いますので。さらに、演奏メンバーの方の紹介もしていただけると一段と親しみが持てると思います。)

(T,K,)