椈遼介 〜『詩』的ぶるぅす〜<自選集>



愛にかたちはないけれど







	川べり



ぼくたちが水辺を好きなのは

ぼくたちが水でできているからだよ

水の流れの転がる音が聞こえると

ぼくたちも共鳴してしまうんだなあ

そして触れたくなってしまうんだ

そして愛おしくなってしまうんだ


わかったかい?

愛するというのは

共鳴することなんだよ














	アイノテ 



手は探し求める


 頭でもなく

 目でもなく

 耳でもなく

 声でもなく


まるで別の生き物


手は探し求める


もうひとつの手を



2006.9.14












	ケチャップ 

 

もういいよ

なんて諦めていたら

今日という日は

なかったかもしれない

きみの作ったオムライス

きみのくちにトマトケチャップ


口うるさい

なんて思うときもある

でもそれは僕を

知ってくれているから

きみの作ったオムライス

きみのくちにトマトケチャップ



2007.7.13 







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