時雨

いつもそばにいて 僕の中で笑って
この心なんか たやすく壊れるから


真夜中に一人 降り続く雨の中
街頭のネオン 見上げて空に泣いた

道端の隅で 濡れている百合の花
映る水溜まり 見つめて僕を蹴った

嗚呼 目の前に続く景色は 消えそうなほどに遠くて
「もう帰ろう」と囁く声は 止まない雨の中の幻


いつもそばにいて 僕の中で笑って
この心なんか たやすく壊れるから

何も言わないで 僕の中で眠って
この心だけは ずっと離さないから


あの日失った 君がいる曇り空
涙涸れるまで 僕を濡らしてよ ねえ

「もう逢えない」と呟く夢は 冷たい秋の夜の追憶


果てしなく続く 愛で僕を包んで
この心にしか 君を護れないから

二度と戻らない 時の中へ仕舞って
いつの日か 僕が雨になり 君のもとへ行くから

いつもそばにいて これからも この心だけは