その後の人生

音源なし。

歌詞

終わった物語の
“その後の人生”だ。
後日談にもならないし、
エンドロールの先にもう、何もない。

空っぽの客席、
そっと腰かけて。
取り壊しを待っている
長く長いばかりの、今際だ。

「貴方はその後、
どうだろう……。
元気でいてほしい
けど苦しんでいてほしい。」
そんな手紙を、彼に書いた。

不思議だった！
君がいないのに
（あの物語の）続きが出たんだ！
不思議だったよ……。
君に付き合って、
死んでてほしかったのになぁ。
“実は生きてた”だなんて、
あんまりだ。


「貴方は進む、
そうだろう？
覚えていてほしい
けど忘れてしまってほしい。」
そんな手紙を、彼に書いた。

不思議だった！
君がいないのに
（昨日の）続きが来るんだ！
不思議だったよ……。
二年と半までは、
黙してくれていたのになぁ。
“目を覚ました”だなんて、
あんまりだ。


世界の終わり　ひとりぼっち、
盲いた画家が描く絵のように、
無意味な延長線の、はずなのに……。


終わった物語の
“その後の人生”だ。
後日談にもならないし、
エンドロールの先にもう、何もない。

空っぽの客席、
そっと腰かけて。
取り壊しを待っている
長く長いばかりの、今際に。
エンディングを口ずさんでいる。
出さない手紙を抱えたまま。