バンジョーに関して About Banjo
バンジョーには、主に5本弦と4本弦があります。 |
バンジョーは、主に弦が5本のものと4本のものがあり、奏法も大きくその2つにわかれます。 ・5弦バンジョー 現在日本でバンジョーといえば5弦バンジョーの事を指すことが多く、4本+ネックの途中から1本弦が伸びています。この1本を押さえずに同じ音で鳴らし、残りの4本と組み合わせアルペジオ的に演奏します。(最近では5本目を押さえる奏法が当たり前に行なわれている) この楽器の代表的な奏法、ブルーグラス奏法では弦をはじくのに右手親指、人差し指、中指が使われ、フィンガーピック(指にはめるタイプのもの)が使われます。 音楽ジャンルでいうと、まずはブルーグラス、カントリー&ウエスタン、アパラチア音楽、ヒルビリー等で使われます。 4弦バンジョーは、フラットピック(ギターの演奏で一般的に使われる普通のピック)を持ってリズムをかき鳴らしたり単音でメロディーを弾いたりする奏法が代表的で、 音楽ジャンルでいうと、なんといってもディキシーランドジャズや、スキッフル/ジャグバンド、アメリカ民謡、ほかにはケルト音楽、20世紀前半の日本、ヨーロッパの歌謡曲、ラテン音楽などで使われています。 ここからは4弦バンジョーをとりあげて説明していきます。 5弦と4弦が一緒に写っている写真です。5弦の親指にあるサムピック(人差し指と中指にもそれぞれピックがはめてある)が見えます。またネックの途中からペグ(糸巻き)が出ていて、4弦のバンジョーにはついていないということも確認いただけるでしょうか? |
4弦バンジョーの中にテナーバンジョーとプレクトラムバンジョーがあります。 |
そしてその4弦バンジョーは、ネックの長さによって、テナーバンジョーとプレクトラムバンジョーに分かれます。 テナーバンジョー(Tenor Banjo) テナーバンジョーの起源はバイオリン、マンドリンの調弦に由来します。19世紀末から1915年までにマンドリン奏者が簡単に持ち替えられるバンジョーとして発生。なんといってもディキシーランドジャズのリズムセクションで活躍する楽器として知られ、明るい和音のボイシングと開放弦を含むポジションでの速い単音ソロなどの特徴をもっています。アイリッシュミュージックでも活躍します。 ネックは短めの19フレット。調弦は4弦(手前の音の低いほう)から音の高い1弦にむかってC-G-D-A(ド、ソ、レ、ラ)にチューニングします。 プレクトラムバンジョー(plectrum banjo) 起源は19世紀後半の5弦バンジョーに由来し、鳴りっぱなしの5本目の弦をとって、いろんなキー(調子)の曲を伴奏できるように作られました。奏法も一枚の撥(プレクトラム)をつかうものになったことからこの名前がつきました。プレクトラムとはピックのやや古く正式な言い方です。 日本ではテナーバンジョー・5弦バンジョーに較べてはるかに知名度が劣りますが海外のレコードで聴かれるソロスタイルの4弦バンジョーの多くはplectrumによるもので、ディキシーランドジャズのリズムセクションの他に和音とメロディーをリズミックに演奏するコードソロがかなり発展して、1920~30年代にEddie Peabody、Harry reser,Perry Bechtelら名手によって表現力を拡大しました。 ネックは5弦と同じ22フレット。調弦は4弦(手前の音の低いほう)から音の高い1弦にむかってC-G-B-D(ド、ソ、シ、レ)にチューニングします。 これをD-G-B-Dとすると5弦の上4本と同じオープンGという調弦に、 D-G-B-Eとするとギターの上4本と同じに(シカゴチューニングといいます)すると、ギターが弾ける奏者は演奏がかなり手軽になる面をもっています。 |
歴史的名手の紹介 | ||||||
4弦バンジョーの表現の幅を大きく広げた、歴史的名手の音源を紹介します。
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バンジョーをどうやって手に入れるか? |
海外のネット上の豊富な情報の中からバンジョーをみつけるという方法もあります。 |
演奏技術はどうやってマスターすればいいか? |
この楽器は情報も少なく、なかなか教則資料に触れることのないというところが難点です。プレクトラム、テナーバンジョーの基本からソロ演奏まで演奏レベルに合わせたレッスンを承ります。お気軽に、楽器をお持ちでない人もどうぞ。 |
バンジョーの各部の名称 |
弦について | ||||
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ヘッドについて |
4弦バンジョーはフラットピックを使っているので、フロストは紙やすりで滑らかに、またはもともと表面がスムース(ツルツル)の方が好ましいです。 表面がスムースなものは裏フロステッド、スムースホワイト、透過ホワイト、クリア、その他(黒色、虹色!)などがあります。おのおの見た目と微妙にサウンドが違いますが、いずれにしてもよく張っておくことが大事です。ただ張りすぎるとニュアンスのない扱いづらい音になったり、ヘッドを破いたりします。 カーフスキン(牛皮。1950年代プラスチックヘッドの開発以前はこれが主流だった)はかなり慎重なメンテナンスが必要とされます。とにかく日本の場合湿気が大敵で、青木は軽くストーブに当てたりステージライトに当てたりして乾燥を保っています。湿気の後の急激な乾燥に破れることもありますので注意してください。ピック音以外の倍音成分の少ない、柔らかい、ひなびた、「昔のバンジョーの音」が欲しい時はこれを張るしかないでしょう。 私はREMO製の裏フロストや、REMOにくらべて少し厚みのある5スターのヘッドをよく使います。取りかえる際は、ほとんどが11インチ、パラマウントが少し大きく(11 1/2)、ヴェガはほんの少し小さい(10 15/16 大きいのもある)です。これらも自分のバンジョーのヘッドの直径を確認しておけば、インターネットで各インチ簡単に手に入れることができます。 古いヘッドを取り外したら軽く掃除をして、新しいものをゆがまぬよう均等に置きます。 ヘッドは最初は対角線の順番で、すこしずつ破れないように締めてください。 ネックの横とテイルピースの横の4個、ネックからテイルピースの中間にあるのを2個ずつの4個をまず均等に張ってそのさらに中間の4個・・・・と張っていきます。1つ締めたらその真向かいのものを締めます。 弦を張った楽器のヘッドを指の腹で叩き(弦は左手でミュートしておくと良いでしょう)、A♭~Aを基準として好みの張りにします。 |
ブリッジについて |
置く場所は、ナットから12フレット、ブリッジから12フレットの長さが一致するように配置してそこからハーモニクス(12フレットの倍音)と12フレットの実音を聴きながら微調整してください。ヘッドに印をつけておくと後で楽です。慎重にあわせても2,3弦にほんの少し狂いが出ますが、其れを補正した湾曲型のブリッジもあります。 2つ脚、3つ脚、厚さ、高さ(2分の1、8分の5インチなど)、大きさ、弦との接触部分の材料などでサウンドに影響します。 材質にもよりますがブリッジの体積には電気抵抗のような性質があり、太ってて高いものは抵抗も大きくサウンドは丸くどっしりしていて、細くて低いものは抵抗が少なくサウンドは細く軽快です。 この部品は楽器との相性がなによりで、たとえば2つ足で薄手のブリッジは現代ではあまり見られないのですが、もともと2つ足が標準でついていた、戦前パラマウントやVEGAは、やっぱり2つ足で薄手のものがぴったりくるようです。 |
リゾネイターについて |
ヘッド、リム部の裏の響鳴板(実際には音を効果的に前に跳ね返す装置 音の跳ね返しの役割が大きいため、硬く重い素材、4弦はメイプルが多いです。 派手な装飾がされているものも多いのは、ボードビル時代から受け継いだアメリカンエンターテイメントの歴史的流れでしょう。 4弦バンジョーのリゾネーターの形状ヴァリエーションは豊富で、オープンバックからの過渡期のフラッシュフィット、ベーコン起源のシルバーベル(高域が強調)、スタンダード、20世紀初頭イギリスに渡ってチターバンジョーといわれていたものが逆輸入されたVOX等があります。 |
トーンリングについて |
ヘッドの裏側の接触しているところの金属部分。この部品で明るく金属的な響きを得ることができます。 安い物は其れ自体無いか、真鍮のチューブ1本ということが多いですが、これでも太く良い音がする個体があります。 真鍮、ベルブロンズ等重い素材で作ることが多く、基本的にはある程度以上の重量を伴います。バンジョーが全体的にギターより重いのはそのためです。 音色への影響がとても大きいのでここに各メーカー(GIBSON MASTERTONE、VEGA TUBAPHONE等)、各個体の個性がでます。 現代生産されている楽器のほとんど全てのトーンリングはGIBSON MASTERTONE起源であり、さらにその起源は戦前BACON社のものといわれています。 |
ピックについて | ||
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バンジョーに関して About Banjo
バンジョーには、主に5本弦と4本弦があります。 |
バンジョーは、主に弦が5本のものと4本のものがあり、奏法も大きくその2つにわかれます。 ・5弦バンジョー 現在日本でバンジョーといえば5弦バンジョーの事を指すことが多く、4本+ネックの途中から1本弦が伸びています。この1本を押さえずに同じ音で鳴らし、残りの4本と組み合わせアルペジオ的に演奏します。(最近では5本目を押さえる奏法が当たり前に行なわれている) この楽器の代表的な奏法、ブルーグラス奏法では弦をはじくのに右手親指、人差し指、中指が使われ、フィンガーピック(指にはめるタイプのもの)が使われます。 音楽ジャンルでいうと、まずはブルーグラス、カントリー&ウエスタン、アパラチア音楽、ヒルビリー等で使われます。 4弦バンジョーは、フラットピック(ギターの演奏で一般的に使われる普通のピック)を持ってリズムをかき鳴らしたり単音でメロディーを弾いたりする奏法が代表的で、 音楽ジャンルでいうと、なんといってもディキシーランドジャズや、スキッフル/ジャグバンド、アメリカ民謡、ほかにはケルト音楽、20世紀前半の日本、ヨーロッパの歌謡曲、ラテン音楽などで使われています。 ここからは4弦バンジョーをとりあげて説明していきます。 5弦と4弦が一緒に写っている写真です。5弦の親指にあるサムピック(人差し指と中指にもそれぞれピックがはめてある)が見えます。またネックの途中からペグ(糸巻き)が出ていて、4弦のバンジョーにはついていないということも確認いただけるでしょうか? |
4弦バンジョーの中にテナーバンジョーとプレクトラムバンジョーがあります。 |
そしてその4弦バンジョーは、ネックの長さによって、テナーバンジョーとプレクトラムバンジョーに分かれます。 テナーバンジョー(Tenor Banjo) テナーバンジョーの起源はバイオリン、マンドリンの調弦に由来します。19世紀末から1915年までにマンドリン奏者が簡単に持ち替えられるバンジョーとして発生。なんといってもディキシーランドジャズのリズムセクションで活躍する楽器として知られ、明るい和音のボイシングと開放弦を含むポジションでの速い単音ソロなどの特徴をもっています。アイリッシュミュージックでも活躍します。 ネックは短めの19フレット。調弦は4弦(手前の音の低いほう)から音の高い1弦にむかってC-G-D-A(ド、ソ、レ、ラ)にチューニングします。 プレクトラムバンジョー(plectrum banjo) 起源は19世紀後半の5弦バンジョーに由来し、鳴りっぱなしの5本目の弦をとって、いろんなキー(調子)の曲を伴奏できるように作られました。奏法も一枚の撥(プレクトラム)をつかうものになったことからこの名前がつきました。プレクトラムとはピックのやや古く正式な言い方です。 日本ではテナーバンジョー・5弦バンジョーに較べてはるかに知名度が劣りますが海外のレコードで聴かれるソロスタイルの4弦バンジョーの多くはplectrumによるもので、ディキシーランドジャズのリズムセクションの他に和音とメロディーをリズミックに演奏するコードソロがかなり発展して、1920~30年代にEddie Peabody、Harry reser,Perry Bechtelら名手によって表現力を拡大しました。 ネックは5弦と同じ22フレット。調弦は4弦(手前の音の低いほう)から音の高い1弦にむかってC-G-B-D(ド、ソ、シ、レ)にチューニングします。 これをD-G-B-Dとすると5弦の上4本と同じオープンGという調弦に、 D-G-B-Eとするとギターの上4本と同じに(シカゴチューニングといいます)すると、ギターが弾ける奏者は演奏がかなり手軽になる面をもっています。 |
歴史的名手の紹介 | ||||||
4弦バンジョーの表現の幅を大きく広げた、歴史的名手の音源を紹介します。
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バンジョーをどうやって手に入れるか? |
海外のネット上の豊富な情報の中からバンジョーをみつけるという方法もあります。 |
演奏技術はどうやってマスターすればいいか? |
この楽器は情報も少なく、なかなか教則資料に触れることのないというところが難点です。プレクトラム、テナーバンジョーの基本からソロ演奏まで演奏レベルに合わせたレッスンを承ります。お気軽に、楽器をお持ちでない人もどうぞ。 |
バンジョーの各部の名称 |
弦について | ||||
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ヘッドについて |
4弦バンジョーはフラットピックを使っているので、フロストは紙やすりで滑らかに、またはもともと表面がスムース(ツルツル)の方が好ましいです。 表面がスムースなものは裏フロステッド、スムースホワイト、透過ホワイト、クリア、その他(黒色、虹色!)などがあります。おのおの見た目と微妙にサウンドが違いますが、いずれにしてもよく張っておくことが大事です。ただ張りすぎるとニュアンスのない扱いづらい音になったり、ヘッドを破いたりします。 カーフスキン(牛皮。1950年代プラスチックヘッドの開発以前はこれが主流だった)はかなり慎重なメンテナンスが必要とされます。とにかく日本の場合湿気が大敵で、青木は軽くストーブに当てたりステージライトに当てたりして乾燥を保っています。湿気の後の急激な乾燥に破れることもありますので注意してください。ピック音以外の倍音成分の少ない、柔らかい、ひなびた、「昔のバンジョーの音」が欲しい時はこれを張るしかないでしょう。 私はREMO製の裏フロストや、REMOにくらべて少し厚みのある5スターのヘッドをよく使います。取りかえる際は、ほとんどが11インチ、パラマウントが少し大きく(11 1/2)、ヴェガはほんの少し小さい(10 15/16 大きいのもある)です。これらも自分のバンジョーのヘッドの直径を確認しておけば、インターネットで各インチ簡単に手に入れることができます。 古いヘッドを取り外したら軽く掃除をして、新しいものをゆがまぬよう均等に置きます。 ヘッドは最初は対角線の順番で、すこしずつ破れないように締めてください。 ネックの横とテイルピースの横の4個、ネックからテイルピースの中間にあるのを2個ずつの4個をまず均等に張ってそのさらに中間の4個・・・・と張っていきます。1つ締めたらその真向かいのものを締めます。 弦を張った楽器のヘッドを指の腹で叩き(弦は左手でミュートしておくと良いでしょう)、A♭~Aを基準として好みの張りにします。 |
ブリッジについて |
置く場所は、ナットから12フレット、ブリッジから12フレットの長さが一致するように配置してそこからハーモニクス(12フレットの倍音)と12フレットの実音を聴きながら微調整してください。ヘッドに印をつけておくと後で楽です。慎重にあわせても2,3弦にほんの少し狂いが出ますが、其れを補正した湾曲型のブリッジもあります。 2つ脚、3つ脚、厚さ、高さ(2分の1、8分の5インチなど)、大きさ、弦との接触部分の材料などでサウンドに影響します。 材質にもよりますがブリッジの体積には電気抵抗のような性質があり、太ってて高いものは抵抗も大きくサウンドは丸くどっしりしていて、細くて低いものは抵抗が少なくサウンドは細く軽快です。 この部品は楽器との相性がなによりで、たとえば2つ足で薄手のブリッジは現代ではあまり見られないのですが、もともと2つ足が標準でついていた、戦前パラマウントやVEGAは、やっぱり2つ足で薄手のものがぴったりくるようです。 |
リゾネイターについて |
ヘッド、リム部の裏の響鳴板(実際には音を効果的に前に跳ね返す装置 音の跳ね返しの役割が大きいため、硬く重い素材、4弦はメイプルが多いです。 派手な装飾がされているものも多いのは、ボードビル時代から受け継いだアメリカンエンターテイメントの歴史的流れでしょう。 4弦バンジョーのリゾネーターの形状ヴァリエーションは豊富で、オープンバックからの過渡期のフラッシュフィット、ベーコン起源のシルバーベル(高域が強調)、スタンダード、20世紀初頭イギリスに渡ってチターバンジョーといわれていたものが逆輸入されたVOX等があります。 |
トーンリングについて |
ヘッドの裏側の接触しているところの金属部分。この部品で明るく金属的な響きを得ることができます。 安い物は其れ自体無いか、真鍮のチューブ1本ということが多いですが、これでも太く良い音がする個体があります。 真鍮、ベルブロンズ等重い素材で作ることが多く、基本的にはある程度以上の重量を伴います。バンジョーが全体的にギターより重いのはそのためです。 音色への影響がとても大きいのでここに各メーカー(GIBSON MASTERTONE、VEGA TUBAPHONE等)、各個体の個性がでます。 現代生産されている楽器のほとんど全てのトーンリングはGIBSON MASTERTONE起源であり、さらにその起源は戦前BACON社のものといわれています。 |
ピックについて | ||
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バンジョーに関して About Banjo
バンジョーには、主に5本弦と4本弦があります。 |
バンジョーは、主に弦が5本のものと4本のものがあり、奏法も大きくその2つにわかれます。 ・5弦バンジョー 現在日本でバンジョーといえば5弦バンジョーの事を指すことが多く、4本+ネックの途中から1本弦が伸びています。この1本を押さえずに同じ音で鳴らし、残りの4本と組み合わせアルペジオ的に演奏します。(最近では5本目を押さえる奏法が当たり前に行なわれている) この楽器の代表的な奏法、ブルーグラス奏法では弦をはじくのに右手親指、人差し指、中指が使われ、フィンガーピック(指にはめるタイプのもの)が使われます。 音楽ジャンルでいうと、まずはブルーグラス、カントリー&ウエスタン、アパラチア音楽、ヒルビリー等で使われます。 4弦バンジョーは、フラットピック(ギターの演奏で一般的に使われる普通のピック)を持ってリズムをかき鳴らしたり単音でメロディーを弾いたりする奏法が代表的で、 音楽ジャンルでいうと、なんといってもディキシーランドジャズや、スキッフル/ジャグバンド、アメリカ民謡、ほかにはケルト音楽、20世紀前半の日本、ヨーロッパの歌謡曲、ラテン音楽などで使われています。 ここからは4弦バンジョーをとりあげて説明していきます。 5弦と4弦が一緒に写っている写真です。5弦の親指にあるサムピック(人差し指と中指にもそれぞれピックがはめてある)が見えます。またネックの途中からペグ(糸巻き)が出ていて、4弦のバンジョーにはついていないということも確認いただけるでしょうか? |
4弦バンジョーの中にテナーバンジョーとプレクトラムバンジョーがあります。 |
そしてその4弦バンジョーは、ネックの長さによって、テナーバンジョーとプレクトラムバンジョーに分かれます。 テナーバンジョー(Tenor Banjo) テナーバンジョーの起源はバイオリン、マンドリンの調弦に由来します。19世紀末から1915年までにマンドリン奏者が簡単に持ち替えられるバンジョーとして発生。なんといってもディキシーランドジャズのリズムセクションで活躍する楽器として知られ、明るい和音のボイシングと開放弦を含むポジションでの速い単音ソロなどの特徴をもっています。アイリッシュミュージックでも活躍します。 ネックは短めの19フレット。調弦は4弦(手前の音の低いほう)から音の高い1弦にむかってC-G-D-A(ド、ソ、レ、ラ)にチューニングします。 プレクトラムバンジョー(plectrum banjo) 起源は19世紀後半の5弦バンジョーに由来し、鳴りっぱなしの5本目の弦をとって、いろんなキー(調子)の曲を伴奏できるように作られました。奏法も一枚の撥(プレクトラム)をつかうものになったことからこの名前がつきました。プレクトラムとはピックのやや古く正式な言い方です。 日本ではテナーバンジョー・5弦バンジョーに較べてはるかに知名度が劣りますが海外のレコードで聴かれるソロスタイルの4弦バンジョーの多くはplectrumによるもので、ディキシーランドジャズのリズムセクションの他に和音とメロディーをリズミックに演奏するコードソロがかなり発展して、1920~30年代にEddie Peabody、Harry reser,Perry Bechtelら名手によって表現力を拡大しました。 ネックは5弦と同じ22フレット。調弦は4弦(手前の音の低いほう)から音の高い1弦にむかってC-G-B-D(ド、ソ、シ、レ)にチューニングします。 これをD-G-B-Dとすると5弦の上4本と同じオープンGという調弦に、 D-G-B-Eとするとギターの上4本と同じに(シカゴチューニングといいます)すると、ギターが弾ける奏者は演奏がかなり手軽になる面をもっています。 |
歴史的名手の紹介 | ||||||
4弦バンジョーの表現の幅を大きく広げた、歴史的名手の音源を紹介します。
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バンジョーをどうやって手に入れるか? |
海外のネット上の豊富な情報の中からバンジョーをみつけるという方法もあります。 |
演奏技術はどうやってマスターすればいいか? |
この楽器は情報も少なく、なかなか教則資料に触れることのないというところが難点です。プレクトラム、テナーバンジョーの基本からソロ演奏まで演奏レベルに合わせたレッスンを承ります。お気軽に、楽器をお持ちでない人もどうぞ。 |
バンジョーの各部の名称 |
弦について | ||||
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ヘッドについて |
4弦バンジョーはフラットピックを使っているので、フロストは紙やすりで滑らかに、またはもともと表面がスムース(ツルツル)の方が好ましいです。 表面がスムースなものは裏フロステッド、スムースホワイト、透過ホワイト、クリア、その他(黒色、虹色!)などがあります。おのおの見た目と微妙にサウンドが違いますが、いずれにしてもよく張っておくことが大事です。ただ張りすぎるとニュアンスのない扱いづらい音になったり、ヘッドを破いたりします。 カーフスキン(牛皮。1950年代プラスチックヘッドの開発以前はこれが主流だった)はかなり慎重なメンテナンスが必要とされます。とにかく日本の場合湿気が大敵で、青木は軽くストーブに当てたりステージライトに当てたりして乾燥を保っています。湿気の後の急激な乾燥に破れることもありますので注意してください。ピック音以外の倍音成分の少ない、柔らかい、ひなびた、「昔のバンジョーの音」が欲しい時はこれを張るしかないでしょう。 私はREMO製の裏フロストや、REMOにくらべて少し厚みのある5スターのヘッドをよく使います。取りかえる際は、ほとんどが11インチ、パラマウントが少し大きく(11 1/2)、ヴェガはほんの少し小さい(10 15/16 大きいのもある)です。これらも自分のバンジョーのヘッドの直径を確認しておけば、インターネットで各インチ簡単に手に入れることができます。 古いヘッドを取り外したら軽く掃除をして、新しいものをゆがまぬよう均等に置きます。 ヘッドは最初は対角線の順番で、すこしずつ破れないように締めてください。 ネックの横とテイルピースの横の4個、ネックからテイルピースの中間にあるのを2個ずつの4個をまず均等に張ってそのさらに中間の4個・・・・と張っていきます。1つ締めたらその真向かいのものを締めます。 弦を張った楽器のヘッドを指の腹で叩き(弦は左手でミュートしておくと良いでしょう)、A♭~Aを基準として好みの張りにします。 |
ブリッジについて |
置く場所は、ナットから12フレット、ブリッジから12フレットの長さが一致するように配置してそこからハーモニクス(12フレットの倍音)と12フレットの実音を聴きながら微調整してください。ヘッドに印をつけておくと後で楽です。慎重にあわせても2,3弦にほんの少し狂いが出ますが、其れを補正した湾曲型のブリッジもあります。 2つ脚、3つ脚、厚さ、高さ(2分の1、8分の5インチなど)、大きさ、弦との接触部分の材料などでサウンドに影響します。 材質にもよりますがブリッジの体積には電気抵抗のような性質があり、太ってて高いものは抵抗も大きくサウンドは丸くどっしりしていて、細くて低いものは抵抗が少なくサウンドは細く軽快です。 この部品は楽器との相性がなによりで、たとえば2つ足で薄手のブリッジは現代ではあまり見られないのですが、もともと2つ足が標準でついていた、戦前パラマウントやVEGAは、やっぱり2つ足で薄手のものがぴったりくるようです。 |
リゾネイターについて |
ヘッド、リム部の裏の響鳴板(実際には音を効果的に前に跳ね返す装置 音の跳ね返しの役割が大きいため、硬く重い素材、4弦はメイプルが多いです。 派手な装飾がされているものも多いのは、ボードビル時代から受け継いだアメリカンエンターテイメントの歴史的流れでしょう。 4弦バンジョーのリゾネーターの形状ヴァリエーションは豊富で、オープンバックからの過渡期のフラッシュフィット、ベーコン起源のシルバーベル(高域が強調)、スタンダード、20世紀初頭イギリスに渡ってチターバンジョーといわれていたものが逆輸入されたVOX等があります。 |
トーンリングについて |
ヘッドの裏側の接触しているところの金属部分。この部品で明るく金属的な響きを得ることができます。 安い物は其れ自体無いか、真鍮のチューブ1本ということが多いですが、これでも太く良い音がする個体があります。 真鍮、ベルブロンズ等重い素材で作ることが多く、基本的にはある程度以上の重量を伴います。バンジョーが全体的にギターより重いのはそのためです。 音色への影響がとても大きいのでここに各メーカー(GIBSON MASTERTONE、VEGA TUBAPHONE等)、各個体の個性がでます。 現代生産されている楽器のほとんど全てのトーンリングはGIBSON MASTERTONE起源であり、さらにその起源は戦前BACON社のものといわれています。 |
ピックについて | ||
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