「お待たせ」
土の曜日の朝早く、時間通りにオリヴィエ様は約束の場所に現れた。
いつもより少し派手さは抑えた感じだったけど、すごく素敵で……
しかもちゃんと俺が贈ったものをつけていてくれたのだった。
「あ、オリヴィエ様……それ」
「うん、あんたがくれたやつに合わせてコーディネイトしてきたよ」
嬉しくて、また心臓が高く跳ねる。
「良かった……俺、それすごく真剣に探したんですよ」
「ふふ、アリガト。それじゃあ行こっか」
そして俺とオリヴィエ様は、外界へと出掛けた。


主星で一番の規模を誇るアミューズメント施設で、日が暮れるまで遊んだ。
俺が好きなジェットコースターとかはさすがに乗ってはくれなかったけど……
でも、ずっと二人で笑ったり話をしたりした。
こんなに長い時間、オリヴィエ様と顔をみ合わせたことは今までなかった。
「まだまだ聖地に戻るまで時間はあるよ。食事したらちょっと一休みしましょ」
予定はオリヴィエ様任せだったから、俺に異論などあるはずもない。
だけど一体いつまで外界にいるつもりのか見当もつかず、少し戸惑ってしまった。
「オリヴィエ様、あの……」
「デートしてる相手に敬称つけるのやめなさいよ」
ぴしゃりと言われてしまい、俺は何も尋ねることが出来なくなる。
「…………」
「人の目が気になるんなら、そうならないトコに行こっか」
「え?」
オリヴィエ様は俺にそう囁きかけると、俺の腕を掴んで歩き始めた。


向かった先は、施設内の宿泊者用コテージ……。
俺は驚いてオリヴィエ様の横顔を見たけれど、いつもの冗談とかおふざけとか
そういうわけではなさそうだった。
もちろん、本当にただ二人になるだけなのかもしれないけれど……このままじゃ
それ以上の展開を期待してしまいそうだった。
正直、ずっとオリヴィエ様に触れたいと思っていた。
ドレスの深いスリットから覗く脚、綺麗な首筋。
はっきり彫り込まれた鎖骨。
肌の手入れはかかさないと豪語するだけあって、確かに綺麗だった。
キメが細かそうで、触れたらやわらかそうで……。