「そうだね、2時くらいからがいいかな」
綺麗に紅が引かれた、赤い唇にどきどきする。
「わ、わかりました! じゃあ俺、もう行きます」
このまま一緒の空間にいたら、俺の心臓の響きが伝わってしまいそうで
俺は言葉を詰まらせながら一礼して用のあるほうへ向かった。
きっとオリヴィエ様は不思議そうな顔で俺の背中を見ているだろう。
自分でも可笑しいと思う。別に恋なんて、初めてのことじゃないのに。
え? ――――俺は自分で驚いていた。
この気持ちはやっぱり、恋なんだろうか。