「いいけど、責任とってね」
「え?」
オリヴィエ様は形の良い唇で笑みを作って、思いがけないことを口にした。
「恋愛経験は多々あっても、同性に触れられたことは殆どないの」
「ええっ?」
本当は、信じられなかった。
オリヴィエ様は絶対に今まで同性の恋人がいて、経験も豊富なんだと勝手に
思い込んでいたから……。
「途中までは、そりゃあるわよ。でもね……最後まで預けたいって思ったことないの。
あんた以外に」
オリヴィエ様は、いつの頃からか俺の気持ちに気付いていたようだった。
だから、しきりにお茶会にかこつけて誘っていてくれたらしい。
今回のパーティも、オリヴィエ様が俺の気持ちをはっきり確かめるために
画策したんだそうだ。
俺は、もう自分が抑えられないほどに昂ぶっていることに気付いた。
泣きたいほどに、嬉しい。
オリヴィエ様のその気持ちが。
「俺の一生涯を、あなたに捧げます」
思わずそんな言葉が口を突いて出た。
「その言葉、一生忘れてあげない」
悪戯っぽく笑うオリヴィエ様の耳が、少し赤かった。
そうして俺とオリヴィエ様は、二人で初めての扉を開けた……。



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