■ Wine1.4で縦書きビューア(青空文庫ビューア)を使用するには ■


2012年3月、Wineがバージョン1.4になりました。
その紹介記事を読むと、こんなことが書いてあります。

      「日本語のような縦書きフォントのサポート」

そこで縦書きビューアをいくつか試してみると、けっこうまともに表示される場合がありました。
その組み合わせを掲載しておきます。



◆その1◆

□ 縦書きビューア : smoopy (ver 1.62)
□ 使用フォント : Tフォントシリーズ (まだベータ段階ですが)
□ Wineのバージョン : 1.4
□ 試したときのOS : Ubuntu10.10


● 導入方法

Wine1.4がインストールされていることを前提とします。

こちらからTフォントをダウンロードして、Linuxにインストールします。
解凍すると大量のファイルが現れますが、インストールするのは一部だけでいいようです。

ubuntuならホームディレクトリの直下に「.fonts」フォルダを作成して
(ファイルマネージャを「隠しファイルを表示する」の設定にしておかないと、見えません)
そこにTGothic-GT01.ttc、TKaisho-GT01.ttc、TMincho-GT01.ttcの3つをコピーします。
これで、フォントはインストール終了です。

次にこちらからsmoopyをダウンロードして解凍します。
smoopy.exeをWineで起動します。
ボタンをクリックして辿るかF9キーを押して、ページ設定画面を出します。






ページ設定画面でフォントを設定します。アウトライン補正もチェックした方がいいでしょう。
下の画像では、文字とルビのフォントサイズ、そして頁数もデフォルトから変えています。

日本語のフォントの方は、PがついているTフォント(T「P」Gothic-GT01)を指定します。
Pがない固定フォントだと「※」の字の表示がずれます。




そうして青空文庫のテキストファイルを開けば、大体がちゃんとした縦書きで表示されました。


   (画像は70%に縮小してます)

ただ、全角文字と半角文字が混在していると、表示位置がずれるようです。
(追記 : Wine1.6以降では、ズレは解消しています)
Tフォントもまだベータ版ですので、正確な表示ができない箇所もあるかもしれません。



見やすいのでゴシックを例にしましたが、TPKaisho-GT01とTPMincho-GT01でも、縦書き表示はOKです。
ただ、明朝は少しかすれ気味に見えました。

ほかには梅フォントで縦書き表示ができましたが、綺麗に縦に並びませんでした。

   ↓ 梅Pゴシックを使用した場合







◆その2◆

□ 縦書きビューア : 扉~とびら~ (ver. 3.2.2)
□ 使用フォント : Tフォントシリーズ
□ Wineのバージョン : 1.4
□ 試したときのOS : Ubuntu10.10


● 導入方法

Wineは既に入っているとして、フォントのインストールはsmoopyのときと同じです。

こちらから扉をダウンロードして解凍し、tvt.exeをWineで起動します。

メニューの「スタイル」から設定画面を開きます。



フォントをTフォントシリーズのPがあるものに指定します。
アンチエイリアスは本文、ルビのそれぞれで「なし」にしておかないと表示されません。



これで青空文庫のファイルを開けば、縦書きで表示されます。



アンチエイリアス無しなので字が粗くなっていますが、フォントサイズを数段大きくすれば
Ubuntuのアンチエイリアスが適用されるのか、滑らかになります。

 ↓ 現在のサイズが表示されないのでやりにくいですが、デフォルトから3段階程度あげればいいようです。


                        ↓  フォントサイズを上げた結果




半角英数字は、やはり表示がおかしくなりました。
(追記 : Wine1.8以降ではズレなくなっています。)
(Wine1.6では表示がおかしく、テキストも正常に読み込めなかったので、検証不能)


また、梅Pゴシックで列が乱れるのもsmoopyと同様でした。






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