『邪教の姫と猫の巫女』
神の炎、蜘蛛の糸を
紡ぐ日々へ月の雫
猫が群れて海と生きる
星の声に明日を見てた
鈴を鳴らし、夜の庭で
花を持ってキミと踊ろう
水に深く響く音は乱れ
跳ねて島をめぐる
楽園の時は過ぎ去り
祈りは虚空へ消える
風が運ぶ潮の香り
夏の日差し降り注いで
石の道をキミと歩く
遠い日々は箱の中へ
異教の民と言われて
邪教の土地と統べられ
海は今も澄み渡り
星はめぐり続くのに・・・
ああ
私の国、かつての姿無く
争いの渦に遺恨の火が舞うわ
月の雫浴びて
歌う人魚達は光撒いて
神の炎守る猫も
眠りにつく夜の果てに
森の命、木々の声を
聞いた日々へ月の雫
猫が群れて海と生きる
星は宿り明日を呼んだ
異教の民と言われて
邪教の土地と統べられ
風は今も澄み渡り
日差しは降り注ぐのに
ああ
愛した森、もう灰に成り果て
悔恨の日々を
ああ・・・天使が運ぶわ
私の国、かつての姿無く
争いの渦に遺恨の火が舞うわ
夜は続くの・・・
『珊瑚の唄』
灰が積もる人魚の海で
めぐる水の中、琥珀散りばめてく
思念の森、欠ける太陽
天から降る羽、海を埋め尽くして
赤い石を抱いた人魚が人々に捧ぐ
死んだ珊瑚の唄
時の濁流の中で風が遊ぶよ
遥か遠い国から届くレクイエム
血潮に染まる人魚の海に
月の雫落ち、まわるまわる光
思念の海
波打ち際で、おとぎ話にて泳ぐ人魚の影
眠りの淵で今も朝を待つように
光の輪が降る日はキミとまた逢える
時の濁流の中で風が遊ぶよ
遥か遠い国から届くレクイエム
『焦げた貝殻』
沈む夕陽背に受け
焼けた砂浜駆けて
あの森で火を守る巫女の元へ急ぐ
死体の山横目に・・・
白い一番星は死に行く森見つめる
血と灰と残骸に消える人魚の声
焦げた貝殻の音
キミの夢、キミの声、踏みつけ笑う
名も知れぬ人の群れ絶え間無く
神の火で焼き尽くせ、火の姫として!
憐憫の海の色、星の色
焼けた肉の臭いと
降り注ぐ血の雫
ああ・・・直に夜が来る
神の火を絶やすな!
焦げた貝殻踏んで
火を守る巫女へ
潮騒の果てで人魚が呼ぶ声
祈りの声に似て
キミの夢、キミの声、踏みつけ笑う
名も知れぬ人の群れ絶え間無く
神の火で焼き尽くせ、火の姫として!
憐憫の海の色、星の色
『人魚の祈り』
光の海泳ぐ人魚の姿
夕闇に倒れ付す人を抱いて泣く
光を産み落とす珊瑚に隠れ
幾度も夢に見た月の雫浴び
何処にも行けず、命を奏で
岸辺に押し寄せる思念の波
悲哀の色をした花の髪飾り
何処にも行かず、命を宿して
咲けよ光の花
炎の大地で不浄の花枯らし
再び彩れ
光の海泳ぐ人魚の姿
月夜に遊ぶ夢、泡の中で見る
帰ること無く、命を運んで
燃えよ貝殻の火よ、海の深みにて
神が降り立つ時、命授けよう
夜明けの空仰ぎ、その陽に焼かれて
身を焦がして星と白い光浴び
『ねこさん -あの橋を渡って-』
霧の果てに浮かぶ光ひとつ
「姫に届けて」と猫が鳴いた
波間に浮かぶ月、掬い取って
雫一粒に夜が眠る
夢の狭間でキミを待つよ
海の深くで祈り続け
砂の結晶砕き、木々を育て
街を行く風に涙ひとつ
夜の広場でキミを待つよ
時の遥かで石を集め
幾重にも重なる青い膜を突き破り
星の音を奏で
月夜の庭でキミを待つよ
明かり灯して導くように
夢の狭間でキミを待つよ
海の深くで祈り続け
『猫が死んだ月夜』
月下の花、骨の塵、雫落ち、眠りの庭
ああ・・・目覚めよと、思い出せと呼ぶ
ああ・・・光の輪携えたキミは・・・
月下の花、人魚の血、火と森と星の猫よ
ああ・・・抗えと、生き延びろと呼ぶ
ああ・・・翼持つ、光纏うキミは・・・
『HALO』 W&M:
降り注ぐ光の輪、春の海辺へ
残骸の風達よ
今、星の声を
降り注ぐ光浴び、月に抱かれ
水晶の砂浜でただ終わりを待つ
天空の鐘が聞こえる広場で
「光に包まれ、産まれよ」と告げられ・・・
ああ、天使が踊るわ
亡骸の上、降り注ぐ光の輪
夢ひとつ溶いて
翼が折れて空を見るキミよ
想いの果てに、光、降り注げ
天使の物語と人魚の唄が
花を忘れた森へ今、キミを呼ぶわ
降り注ぐ光の輪、秋の水辺へ
再生の風達よ、今、空をかけて
心臓の音を私に聞かせて
眠りに堕ちゆく娘は子を宿す
天空の鐘が聞こえる広場で
「光に包まれ、産まれよ」と告げられ・・・
『蟲産む娘と呪いの花』
箱の中へ閉じ込めた光
呪いの大地で蟲と成り果てても
轟く音、砂の中の雨
風を待つ船へ飛び乗る人も無く
蟲を孕んだ少女を見送る花は
忌まわしき淡い色して
何処から来たか・・・
キミの為、猫の為、桜枯らす蟲の音
海峡で花を撒く
雨空へ人魚は泣くよ
箱の中で蠢く命よ
呪いと祈りの狭間の大地にて
咲き乱れる桜の花々
私の愛した島の花は何処へ・・・
蟲産み落とす少女を慰める雨
果てなく青い水底漂う想い
蟲を孕んだ少女を見送る花は
忌まわしき淡い色して
何処から来たか・・・
キミの夢、猫の夢、人魚が抱き遠くへ
『にゃーん、にゃーん -猫の悔恨-』
にゃーん・・・風の色見て
にゃーん・・・日溜まりへ
にゃーん・・・穏やかな日々
あなたの夢見てる
潮の香りを乗せた風が
木々を揺らして駆け抜けた
流れる星の数を数え
明日への祈り抱き眠る
静かな時の流れに乗り
この日々続くと思っていた
一人影踏み空を仰ぎ
西に夕日を見送って
にゃーん・・・帰らぬ日々よ
にゃーん・・・故郷は
にゃーん・・・どうして消えた?
海の泡のように
広場で歌い踊る人や
波打ち際で遊ぶ猫
色とりどりの花が咲いて
夕日眺めて帰る道
潮騒聞いて眠る月夜の夢
醒めたら全てが塵になる
にゃーん・・・帰らぬ森よ
にゃーん・・・神の火は
にゃーん・・・どうして消えた
涙で濡れた風
にゃーん・・・風の色見て
にゃーん・・・日溜まりへ
にゃーん・・・穏やかな日々
せめて夢の中で
『夕日と星屑の果実』
雲の色、花の色
果汁に溶かして一息に飲む
湧き水が生まれ出る
訪れぬ時をその身に包み
海の色、夕日の色
宿した果実を人魚が齧る
キミの火とキミの声
身体に宿して明日へ連れてく
さあ、レクイエムを島々に降らそう
光も届かぬ闇の底、咲いた花を手に
風の色、星の色
焦げた血の色でたわわに実る
キミの夢、火を喰んで
さよならを告げて人魚の海へ
魂の欠片を人魚が集める
帰らぬ日々を胸に抱き
いつか産み落とす
さあ、レクイエムを島々に降らそう
光も届かぬ闇の底、咲いた花を手に
海の底の果実のように
『火の国の詩』
散れよ桜の花、雫、乱れ咲く
白糸紡ぎ織る水辺に降り立て
咲けよ光の花、炎の大地で
不浄の花枯らし再び彩れ
燃えよ草原の火よ、空の遠くにて
神が降り立つ時、命捧げよう
夜明けの空仰ぎ、その火に焼かれて
身を焦がして雛と白い月を撫で