産業Night on 30/May/2003



 お馴染み下北沢Revolver での「産業Night」、4ヶ月に1度のお楽しみが帰ってきました。今回は2セット割り当てていただいたので、それぞれ多少コンセプトを変えてセットリストを組んでみました。

★1st set (20:30〜21:00)
1. Baby Hold On - Eddie Money (US#11/78)
 1stセットは、比較的オーソドックスな産業ロック的ヒットを中心に集めてみました。オープニングは、エディ・マネーの初ヒット曲から。いかにも70年代後半っぽいアメリカンロックで、この人は基本的に最初から最後まで全く変わりません。ニューヨークはブルックリン生まれ、ロッカーになる前はNYPD(警察官)だったのは有名なお話。

2. Working For The Weekend - Loverboy (US#29/82)
 金曜夜の産業Nightときたらやっぱり、「それ行け!ウィークエンド」でしょ。イントロのカウベルからすぐになだれ込むリフが印象的なハードロック、何度聴いてもよくできた曲です。最近彼らのライヴ盤をよく聴いているのですが、コンサート映えするキャッチーなヒットをたくさん持っているバンドはやはり強い。楽しめます。

3. Eyes Without A Face - Billy Idol (US#4/84)
 BBSでおしょうさんと話題になったのでかけてみましたが、おしょうさんはお仕事で時間に間に合いませんでした。残念… 分厚いシンセサイザーの幻想的なイントロに乗っかるビリー・アイドルの猫撫でヴォーカル。ところが後半でスティーヴ・スティーヴンスが激しいギターリフを刻み始めると雰囲気一転、ビリーもシャウトするハードロックに。微妙にずれた独特のリズムがプログレぽくもあり。

4. Breaking Away - Balance (US#22/81)
 こちらは Sakiさんと話題になったかな、KISS 絡みで知られるボブ・キューリックが在籍したバランスの唯一のトップ40ヒット。イントロからしていかにも軽いタッチの爽やかポップ/ロック。音は西海岸っぽいかなとも思いましたがバンドはNYベース、しかもヴォーカリストはイリノイ州出身とのこと。どうなってるんだ。この地方色の無さこそが産業。

5. Breakfast In America - Supertramp (UK#9/79、US#62(live version)/80)
 この曲、スタジオヴァージョンは米シングルヒットじゃないんですね。UKチャートではちゃんとトップ10ヒットになってるのを確認しました。スーパートランプは気がついたらもう85年の "Cannonball" (US#28/85) で出会うしかなかったのですが、70年代ももちろん最高です。この曲はカラオケで歌いやすいですね。

6. Foolin' - Def Leppard (US#28/83)
 デフ・レパードは好きな曲がたくさんありますが、"PYROMANIA" 収録の「風鈴」(笑)は本当に切なくてカッコいいロック。ヴァース、ブリッジ、コーラスとそれぞれ1曲に引き伸ばしたいくらい良いメロディを、敢えてぎゅぎゅっと凝縮してあります。この時期のレップスのメロ/リフ生産能力の充実ぶりを実感させる楽曲。

7. The Deeper The Love - Whitesnake (US#28/90)
 しかしですね。ホワイトスネイクを選ぶに事欠いてこれかよという声もありましょうが。いいんです。"SLIP OF THE TONGUE" は私的名盤、それも産業的な意味合いで。無駄にキャッチーなこの曲のコーラス、本当に良くできてます。しかも歌えば歌うほど "The more …, the more …" 構文を暗記できるというオマケつき。スティーヴ・ヴァイはどんな気持ちで弾いたのかな。

8. (Don't Fear) The Reaper - Blue Oyster Cult (US#12/76)
 最後くらい本格的なロックをかけようと思って連れてきたブルー・オイスター・カルトですが、これが驚くなかれ3分台の超エディットヴァージョンなのです。平たくいうと後半激しく展開するギターソロのパートがバッサリ切られている。いつ来るかいつ来るかと思っていると、何とそのまま "♪Romeo and Juliet..." のあのコーラスのまま終わってしまうという…


★2nd set (22:30-23:00)
1. Hazy Shade of Winter - The Bangles (US#2/88)
 さーて第2部、こちらは今年に入ってから僕が観に行ったライヴや、最近サイトで話題になったディスクを中心に組んでみたセットです。まずは「今年最高のライヴ」との呼び声も高いパフォーマンスを見せてくれたばかりのバングルスから。コンサートでも1曲目に飛び出したこの「冬の散歩道」、ハードなギターと見事なコーラスが印象的なロケンローです。

2. Wait For Me - Daryl Hall & John Oates (US#18/80)
 現役感溢れるコンサートという意味では彼らも負けていません。開放的なギターのメロディが印象的なこの曲は昔からライヴの定番ですが、今回のツアーではダリルがあまりいじらずに、比較的オリジナルに忠実なアレンジで歌ってくれたのが嬉しかったな。デヴィッド・フォスター制作、ツボを押さえた産業ミドル。一緒にコンサートに行った皆様のために選曲してみました。

3. Physical - Olivia Newton-John (US#1/81)
 オリヴィア25年ぶりの来日公演も今年前半の大きな話題でした。全米チャート10週連続1位の大記録(当時)を打ち立てたこのナンバーはジャジーにボサノバっぽくアレンジされて演奏されましたが、個人的にはやっぱりこのオリジナルで。「仕事人」スティーヴ・ルカサーが、練りに練った隙のないギターソロを披露してくれます。大好き!

4. Sure Know Something - Kiss (US#47/79)
 実はこれは選曲操作ミスなのでした。本当は "I Was Made For Loving You" をかけるつもりだったのに… でも、1曲目のバングルスから「キャー!」と叫んでノリノリだったDJブース前の女性2人はこのKISSで完全にイッちゃったようで、このあたりから席を立ち、歌いながら身体を揺らし始めました。DJ冥利に尽きますね。彼女たちは武道館公演初日に行ったとのこと、あんな巨大なパイロを使ってくれるなんてと話が盛り上がります。

5. I'm Free (Heaven Helps The Man) - Kenny Loggins (US#22/84)
 これも本来は Moving Pictures の "Never" をかけるつもりで持って行った "FOOTLOOSE" サントラでしたが、Hatch さんに先を越されてしまったのでこちらに差し替え。映画タイトル曲に比べれば地味なヒットですが、ケニー・ロギンスらしさはこちらの方が出ているのではないかな。これもまた、スティーヴ・ルカサーが短いギターソロを引いてます。2人のお姉さん踊りまくり。

6. You're In Love - Ratt (US#89/85)
 間髪入れず「LAメタルNight」へ。以前 "Round And Round" をかけてしまったので、今日はこちらを。DJブース前の彼女たちはエアギターを弾きながらヘッドバンギング、「まさか産業Nightでラットが聴けるなんて〜」なんてしゃべりながら歌い、踊ってます。スティーヴン・パーシーの不遜なヴォーカルに、フォアン・クルーシェのハーモニーがカウンターで小気味良く決まりまくるスピーディなトラック。

7. Home Sweet Home - Motley Crue (US#89/85)
 ここでちょっとチルアウト。トミー・リーが弾く子供の練習曲のようなピアノ(失礼!)が印象的な大感動バラッド。故郷への長い道のりを思わせる壮大なコーラスと、ミック・マーズ渾身のギターソロ。さすがに人気曲だけあって、踊っていた彼女たちも歌詞を全部覚えてる模様、1番からラストまで歌いまくりでした。DJとしてこれほど嬉しいことはありませんね。

8. The Big Money - Rush (US#45/86)
 そして最後は最近僕のオールタイム・フェイヴァリッツに登場した "POWER WINDOWS" アルバムから、ドラマティックな1曲目を。"Marathon" でも良かったかな、と思いましたが、小ヒットとはいえシングルチャート入りしているこっちを選びました。とにもかくにも「産業」Nightですから。今週もロト6は当たらず、「ビッグ・マネー」は転がり込んできませんでしたが、1stセットの1曲目と2ndセットのラストが Money つながりってことで良しとしましょう。なんて。

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 今回もたくさんの皆さんにお越しいただきました。本当にありがとうございます。少しでも楽しい時間を過ごしていただけたなら、そしてそのBGMにしていただけたなら幸いです。何せかけてる本人が一番楽しんでいるのですから… 次回が企画された暁には、またまたよろしくお願いしますね。

(May, 2003)

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