SONGS 210 - 201


RANK TITLE ARTIST PEAK#
210 Copacabana (At The Copa) Barry Manilow US#8/78
209 Always Atlantic Starr US#1/87
208 Weak SWV (Sisters With Voices) US#1/93
207 Seventeen Winger US#26/89
206 Gold Spandau Ballet US#29/84
205 Break My Stride Matthew Wilder US#5/84
204 Ladies Night Kool & The Gang US#8/80
203 Baby Love Regina US#10/86
202 Wake Up Boo! The Boo Radleys UK#9/95
201 Let It Be The Beatles US#1/70



 本編に入る前に、ちょっとだけご説明を…

●まず、これは私 winter がこれまでの人生の中で聴いたことがある曲を、2000年〜2001年前半のある時点で、好きな順番に200曲並べたものです。といっても、たいていのヒット曲は好きになっちゃうタイプですし、好きな曲は日々変動しているので、ここに入りきれなかった曲が星の数ほどあります。うっかり入れ忘れた大事な曲もゴロゴロありそう…  その辺は次回改訂時に手を入れます。

●選曲にあたっては、1アーティスト1曲に限定しました。もちろん、好きな曲がいくつもあるアーティストもいるわけですが、お気に入りのアーティストをできるだけたくさん紹介することで、趣味の傾向が見えてくるのではないか?という期待も込めて、厳しい制限を課してみました。結果として、アーティストへの思い入れの度合いも順位に一定の影響を与えています。

●できるだけ英米のヒットシングルから選曲しました。「PEAK#」の欄には原則として米国での最高位(英国のみのヒットは全英チャートでの最高位)とその年を、わかる範囲で記入してあります。もし間違いなどあればご指摘ください。最高位を記録した年ではなく、リリース年で記入してしまうこともあるかもしれませんが、大目に見てくださいね。

アルバム単位で評価しているものについては、敢えてSONGS部門から外してALBUMS部門の方で高順位をつけることにしました。すごーく具体的な例を挙げますと、Yes の "Close To The Edge" という曲はSONGS部門からは外し、アルバムの "CLOSE TO THE EDGE" として高めの評価をしています。このため非常に好きなアーティストのいくつかは SONGS部門には登場していません。というわけで、ALBUMS部門も併せてご覧くださいませ。

●以上が原則ですが、すべての原則と同様、もちろん例外だらけですのでご了承を。

 では、惜しくも200位圏外に漏れた10曲から、さっそくコメントしていきましょう。



210. Copacabana (At The Copa) - Barry Manilow

 今でこそシングルヒットを狙う人ではなくなりましたが、私がチャートを追いかけ始めた80年代前半までは、アメリカのみならず日本でも相当人気がありました。例えば八百屋の有線で『君は Lookin' Hot』が流れる情景を思い浮かべてみましょう。

 "Mandy" "I Write The Songs" "Can't Smile Without You" など、バラード系の歌いこなしに定評がありますが、ここではアップテンポのこのナンバーを。コパカバーナのショウガール Lola をめぐるストーリィを、起伏の激しいジェットコースターのようなアレンジで展開します。掛け合いが楽しいコーラスや、中盤のラテン風味炸裂のブレイク部分などは本当によく編曲されてますね。ストーリィ自体は決してハッピーエンディングではないのですが…

 アルバムとしては、85年に全米28位まで上がった "2:00 AM PARADISE CAFE" のジャズ路線も気に入っています。



209. Always - Atlantic Starr

 ご存知、結婚式の定番曲。鬼キュートな純愛バラードです。
 ただ、よく言われることですが、彼らはこの曲をヒットさせる前に "Secret Lovers" (US#3/86) で不倫の愛について力強く歌い上げているという二律背反性を指摘しないわけにはいきません(笑)。

 グループ結成は76年にまで遡り、歴代の女性ヴォーカリストには Sharon Bryant → Barbara Weathers → Porscha Martin → Rachel Oliver → Aisha Tanner … と激しい変遷が見られ、ちっとも always ではありません。Sharon Bryant 個人には "Let Go" (US#34/89) のトップ40ヒットがあるほか、Steve Perry の "Foolish Heart" のカヴァー(US#90/89)もいい感じでしたね。



208. Weak - SWV


 邦題 『ウィーク・ポイント』
 原題より長い、余分な言葉を付加したカタカナ邦題という時点で猛烈にポイントが高いのですが(笑)、それだけでなく実によくできたバラードだと思います。どこを切っても溢れる「女の子の揺れる心」みたいな情感といい、上下によく動くコーラスといい、SWV の1st "IT'S ABOUT TIME" における Brian Alexander Morgan は本当にいい仕事してました。

 "I'm So Into You" "Right Here / Human Nature" "You're The One" など、他にも好きな曲がたくさんあるグループでした。確かにメインは Coko だったけれど、解散はやっぱり残念。



207. Seventeen - Winger

 最近は Hair Metal に分類されているのをよく見かけるんですが、個人的にはちょっと別格。スタジオミュージシャン上がりの技術に裏打ちされたポップな楽曲は、意表を突いた展開やコード進行、よく練られたソロなどが隠された宝探しのような楽しさがあります。この曲に関して言えば、やはり最高位17位に達しなかったのは悔やまれますね…

 続く "Headed For A Heartbreak" (US#19/89) の荘厳で妖しい雰囲気も捨てがたいところ。また、このバンドでは比較的抑えて叩いているドラムスの Rod Morgenstein も、Dixie Dregs ではもっと激しいプレイを聴かせてくれます。



206. Gold - Spandau Ballet

 普通は "True" (US#4/83) が挙がるのかな? でも個人的にはUK#2のこちらを推しましょう。PM Dawn の姿も脳裏にちらつかないし…

 実際 Tony Hadley のヴォーカルは、バラードもいいけれどこの "Gold""Only When You Leave" (US#29/84) のようなアップでも伸びやかに冴え渡るですよ。ニューロマンティックのムーヴメントの中ではヴォーカルの力量が際立っていたように思いますが、グループとしては80年代後半にかけて次第に失速してしまいました。
 Gary Kemp (Guitar) と Martin Kemp (Bass) の兄弟はその後俳優業に進出、それなりにあちこちで名前を見かけます。Tony Hadley は今でもロンドンの小さなクラブで時々ステージに立ったりしているようです。



205. Break My Stride - Matthew Wilder

 『想い出のステップ』
 この邦題だけで84年にタイムスリップできるあなたは、きっと僕と同世代。軽いスカ風の裏打ちのリズムに、どえらくキャッチーなメロディを歌う彼のハイトーン。一度聴いたら忘れられませんよね。もともと Rickie Lee Jones や Bette Midler のバックコーラスなどをやっていたようですが、Private I (確か日本人がオーナーだったような?)というレーベルからリリースしたこの曲に火がついて大ヒット。残念ながらこれを超えるヒットは続かず、世間的には「一発屋」のレッテルを貼られています。

 しかし、いったい誰が予想できたでしょうか? プロデュース業に鞍替えして1995年に制作した No Doubt の "TRAGIC KINGDOM" アルバムが、"Don't Speak" の大エアプレイヒットのおかげで1年以上かけて全米1位となり、"Break My Stride" のコーラスを使った Puff Daddy f/Mase の "Can't Nobody Hold Me Down" も97年に全米1位になるということを…  時間はかかりましたが、彼の音は確かに全米を制覇したのです。おめでとう!



204. Ladies Night - Kool & The Gang

 リアルタイム的には "Joanna" "Cherish" 世代なのですが、ダンスクラシックスにハマってから遡った Kool & The Gang はまさに名曲の宝庫なのでした。"Celebration" "Too Hot" "Get Down On It" … さらに James "J.T." Taylor 時代より前に遡ると、そこには野性的なファンクバンドがありました。"Jungle Boogie" "Holywood Swinging" に熱く踊り、"Summer Madness" で火照った身体をチルアウト。

 どれもこれも捨てがたい中、今日の気分でこいつをセレクト。やっぱこのベースのウネリはたまりません。"Not Tonight (Remix)" - Lil' Kim f/Da Brat, Left Eye, Missy Elliott, Angie Martinez (US#6/97) という奇跡的なコラボレーションが生まれたのも、"Ladies Night" のブレイクビーツあってこそ。まさに永遠のスムースダンサークラシック。



203. Baby Love - Regina

 で、出た! 恥ずかしい過去シリーズ。好きなんです。

 これ以外にヒット曲のないきれいな一発屋ですが、Madonna のデビュー当時を思わせる音とキュートなヴォーカルでいつまでも私の心に残る曲。それもそのはず、初期 Madonna を語る上で欠かせない Stephen Bray が作曲・制作しているからなんですね。Bray といえば Breakfast Club "Right On Track" (US#7/87)。マドンナも一瞬在籍したことになってます。

 今はどこで何をしているのか、Regina。しかし残した曲はこうして、いつまでも人の心の中でメロディを響かせつづけるのです… ちょっとお化粧濃かったね。



202. Wake Up Boo! - The Boo Radleys

 "Wake up, it's a beautiful morning 〜♪"  
 これぞ爽やかお目覚めソング史上最強のフレーズ。重い打ち合わせのある朝も、これをタイマーセットして起きれば絶対大丈夫。

 95年、Boo Radleys はこの曲でイギリス中のラジオを制覇しました。当時ロンドンに住んでいたのですが、本当によくかかっていたものです。キラキラしたブラスのイントロから前のめりに走るドラミング、きれいにアレンジされたコーラスワーク、強力なフックと、非の打ち所のないポップソングだと思います。
 Sleeper の前座でライヴを見ましたが、そこではもう少しシリアスな曲もやりたいバンド側と、"Wake Up Boo!" を求める観客側の気持ちとがちょっとすれ違っているようで、ちょっと空回り気味でもありました。



201. Let It Be - The Beatles


 ポピュラー・ミュージック界を語る時にこの方々を避けてとおることはできないのでしょう。確かに私も好きな曲がいくつもあります。しかし一方で、1970年5月生まれの私は「ビートルズ以後」の世代であることも確かです。もちろん素晴らしい音楽は時を超えて歌い継がれますし、いつ聴いても素晴らしいのですが、ポップスの真の醍醐味はリアルタイムで聴いてこそ味わえるというのが私の持論でもあります。

 そんな意味で、敬意を表して象徴的な201位に置いてみました。でもって私にとっては、むしろ81年の角川映画『悪霊島』の主題歌としてのイメージが強かったりします。


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