Diary -July & August 2004-


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31 Aug 2004
Tuesday

チャンス到来

 昨日から今日の経済ニュースには気になるものがいくつかありましたのでご紹介しましょう。

★コレステロール下げる「マヨネーズ」
 味の素が9月10日に発売するマヨネーズタイプの「ピュアセレクト サラリア」にはコレステロールを下げる効 果があるそうです。厚生労働省から特定保健用食品の認可も取得しており、わずか2週間で総コレステロールが約5%程度低下するなど、顕著な効果がある模 様。価格は普通のマヨネーズの2倍程度ということですが、健康志向が高まる中、意外なヒット商品になるかもしれません。個人的には松井証券で手数料なしで 買えちゃうキューピーに頑張ってほしいところですけれど。

★3年で2倍
 鉄鋼大手のJFEホールディングスは05年3月期連結決算の業績見通しを上方修正しました。その額たるや半端じゃありま せん。経常利益は今年5月の予想2,800億円をなんと1,200億円も上回る4,000億円。2期連続で過去最高益を更新、JFEスチール社員の年間一 時金は昨年を54万円上回る222万円とのこと。すごいボーナスですね〜。JFEはご存知のとおり旧NKKと旧川崎製鉄が合併してできた会社ですが、旧 NKKなんて3年前の合併時点では年間一時金が111万円だったらしい。合併3年でボーナスが2倍になったわけで、統合効果が本格的に出てきたということ のようです。

★あざといKISS
 と決めつけるのもどうかと思いますが、野口みずき選手がシューズに口づけするシーンが何度もTV放映されたアシックスの株価が好調です。27日には年初来高値の367円をつけ、まだまだ上昇余地がありそう。どうでも いいことですが、アシックスの社名の由来は別に「足」には関係なくて、「健全な精神は健全な肉体に宿る」を意味するラテン語の格言『Anima Sana In Corpore Sano』の頭文字をとったものです。へぇへぇへぇ。

★今夜も乾杯!
 さて問題です。世界で最もビールをたくさん生産している国はどこでしょう? アメリカ? ドイツ? まさかベルギー? いずれもハズレで答えは「中 国」。ここ2年連続トップで、需要が沿岸部から周辺部に拡大しつつあることから、まだまだ伸びそうです。ちなみに日本は昨年の6位から7位に後退。ちなみ に某ビール会社の株では今痛い目に遭ってまして、早く来年の夏にならないかなーと首を長くして待ってるところです。(ビール株はサマーストックとして初夏 に値を上げ、冬は低迷する傾向があるのです…)

★Peek-A-Boo!
 といっても Siouxsie & The Banshees のアノ曲じゃなくて。今日最大の話題だったのはやっぱこれ、「ローソンで株投資」でしょう(笑)。店頭のマルチメディア端末「ロッピー」で株式や個人向け国債を販売する証 券仲介サービスを始めたというのですが、その名前が「ピーカブー」。 ぴー株ーかよ! キャラクターが野菜の「カブ」の形をしていて妙に可愛いんですけど。

 でもこれ、本当にウケるんでしょうかね? 今やADSLやケータイでいつでも簡単にネット株取引ができるようになってしまっているわけで、わざわざコン ビニで株を売り買いしよう!なんていう人からの手数料収入がいったいどの程度見込めるというのか。株初心者にとりあえず興味を持ってもらうための仕掛けだ とはいえ、提携した日興コーディアル証券の社長のコメント「おにぎりやお茶を買うように証券投資を始めてほしい」にはちょっと言葉を失ってしまいまし た…。「えっと、高菜おにぎりと生茶と… そうだ、住友金属鉱山1,000株ください」。有り得ねえだろ普通。

 とか言いつつ、明日から売買単位が1,000株から100株に引き下げられるシチズン時計カシオ計算機には、腕時計好きの一人としてかなり期待してます。これまで手が届かなかった株ですが、100株 なら何とかなる範囲。とりあえず最初のうちは個人投資家がどっと押し寄せてきて値動きが激しいだろうから、落ち着いたあたりでひっそりと参入しようと思っ てます。


30 Aug 2004
Monday

魔法の道具

 今日の朝刊に、直木賞作家の石田 衣良さんに関する記事がありました。グレン・グールド演奏の「ゴールドベルク変奏曲」が好きなんだそうです。彼の小説は読んだことがありませんし、グール ドの件の曲も知らないのですが、何だか惹かれるものがありました。

 広告制作会社を辞めて30代前半でフリーのコピーライターへ。小説を書いたら直木賞でベストセラー。楽勝。デキる人はどこまでもデキる。今さら言うまで もないけれど、人生なんてとことん不公平なものですよね。はぁ。

 石田さんはロックやジャズを聴いていたそうですが、クラシックを知ってからさらに音楽にのめりこみ、今では買い揃えたオーディオセットの価格がベンツ1 台分に相当するとか。彼によれば、クラシックを聴くことは「魔法の世界」なのです。真夜中に、死んだ作曲家と死んだ演奏家に、ちょっと家まで来てもらう感 覚。これ、分かるなあ。ローラ・ブラニガンが死んだのは悲しいけれど、今夜は彼女のベスト盤を部屋で聴くつもり。オーディオには全然お金をかけてないけれ ど、電気を消して、目を閉じて音楽を聴けば、アーティストはいつだって僕らの部屋にやってきてくれる。

 魔法の道具として、オーディセットなんて安いもの。石田さんはそう言います。そうだ。僕も肩肘張って節約生活送るのをひと休みして、多少まともなオー ディオでも買ってみようかな。人生の残り時間なんて、そう長くはないんだから。歳をとってからでいいやと思ってると、その「いつか」なんて決して訪れない かもしれないんだから。石田さんの言葉。「僕にとって音楽はいつもそばに寄り添う存在。人間はみんな一人で生まれ、一人で死ぬ。でも『君のそばにいるよ』 と、音楽が言ってくれる」。

 ちょっとだけ、元気が出た。


26 Aug 2004
Thursday

 全然仕事が終わりません。
 毎日残業しまくってるし、終わらないので週末にも出かけて資料作ったりしてるのですが、本当に進まない。というより自分の処理能力を明らかに超えた仕事 を引き受けてしまっている雰囲気。

 というわけで更新開始までには今しばらく時間がかかりそうです。どうか気長にお待ちください。BBSとメールは毎日目を通しています。


21 Aug 2004
Saturday

 長いこと更新をお休みしていました。
 その間いろいろなことを考えました。たとえば、自分は何を目的に今の職場に転職したんだったっけとか。これからますます多忙になってサイト更新できなく なってもいいんだっけとか。もっと言うと、俺はいったい何のために生きてるんだろうとか。今さらのように。

 結論など出るわけもなく、時間は相変わらず刻一刻と流れ去り、僕らは死に向かっているわけだけれど、もがきながら何かを感じて生きていくしかないんだよ ね。

 じたばたしてもしょうがないし、物事をあるがままに受け入れて生きていこう。改めてそう思えただけでも収穫だった。久しぶりに少しだけ涼しい風の吹く東 京で、そんなことを考えながら、少しずつ更新を再開しようと思います。これからもどうぞよろしく。


27 Jul 2004
Tuesday

★『死亡遊戯』(先週くらい、深夜TV録画)
 ご存知ブルース・リーの主演第5作。子供の頃テレビで見たような気もするけど、何だかまた見てしまった。リーはこの映画のアクションシーンだけ先に撮り 終えた後に『燃えよドラゴン』の撮影に入り、結局そのまま他界してしまいました。そのため、この映画のストーリー部分は そっくりさんを起用したり、既存の映像を使い回したりして作られています。

 そのためどうしてもブルース・リーの魂が吹き込まれていないというか、散漫かつ緊迫感に欠ける作品なのですが、ラストのアクションシーンの迫力が度肝を 抜くすごさであるのもまた事実。建物の各階にいるボスキャラと一人ひとり対決しながら最上階を目指すリー、目にも止まらぬヌンチャク捌きといい、NBAの カリーム・アブドゥル=ジャバーまで引っ張り出してきてカンフーをやらせてしまう無駄な贅沢さといい、ラスト20分のファイトだけは実に素晴らしい。つい でに言えばテーマ曲が John Barry 作曲というのも贅沢な話。ブルース・リーが着ていた黄色いツナギはひょっとして『キル・ビル』の元ネタなのか? この手のカンフーアクションは『マトリックス』のネタだったりもするわけで、彼が昨今のハリウッド映画に与えた影響を静かに振り返るのもまた 意義深いことです。

 原題は "The Game of Death" で、この邦題をネタに元 Pink Floyd の Roger Waters の "AMUSED TO DEATH" アルバムに『死滅遊戯』なる邦題が付けられたのはプログレファンには有名な話。

★『Something's Gotta Give』(「恋 愛適齢期」@下高井戸シネマ、先月ごろ)
 ジャック・ニコルソンの演技が好きなのです。もちろん若い頃はもっと凄かったと思うのですが、ここ数年新しい役柄に意欲的に取り組む彼もまたいい味を出 してます。全米でも意外なほどの大ヒットになったニコルソン/ダイアン・キートン/キアヌ・リーヴス主演の映画。

 50代60代になってからの恋愛、というテーマについては日本ではほとんど開拓されていないといっていいでしょう。どちらかといえば「そんなに歳をとっ て色恋沙汰にうつつを抜かすなんて汚らわしい」的な見方が支配的なのではないか。そのせいか興行成績的には米国に遠く及ばない結果に終わってしまったよう ですが、『恋愛小説家』に倣った邦題があざとい点を除けば、この映画は非常に爽やかな余韻を残してくれるラブコメディです。なんてもったいない。年下の振 られ役が大ハマりのキアヌ・リーヴスの演技を観るだけでも十分楽しめるのにね。

 ダイアン・キートンは『ファースト・ワイヴズ・クラブ』を海外出張の帰りの飛行機の中で観たことがあって、ゴールディ・ホーンやベッ ト・ミドラーと組んで大いに笑わせてくれたのをよく覚えていますが、ここでは離婚歴のある強がりで孤独な女性の役。しわの一つひとつまでも魅力的な年配の 女性の美しさ、可愛らしさを素敵に演じています。ニコルソンは60代のプレイボーイ役で、シングルのまま若い女の子との遊びを繰り返す辣腕ビジネスマンの 役ですが、ある時ダイアン・キートンに出会い、生まれて初めて同年代の女性の魅力に気づくのです。彼女との感情的すれ違いの後に口をついて出た「頼むから 待ってくれ、実はわからないんだ、一人だけを愛する方法が…」というニコルソンの台詞に、なぜか『100万回生きたねこ』なんてのを思い出してしまいました。この感覚、分かります?

 ひょんなことで出会った2人が、自分にないものを持つ相手に惹かれあい、恋に落ちる。それは10代だろうと30代だろうと50代だろうと関係ないってこ とを、さらりと見せてくれます。ニコルソンとキートンの「バイアグラなしのベッドシーン」と、その後の喜びの涙まで開けっぴろげに見せてくれるところなど いか にもアメリカ的ですが、こういう出会いや恋愛もあるよな、あってもいいよなと思わせる何かがあります。年配の方にもそうでない方にも、年上好きの方にも年 下好きの方にも、シングルの方にもそうでない方にも、かなり自信を持って勧められる作品です。

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 さて、いろいろと準備の都合等がありまして、これからまたまたコンテンツ更新をしばらくお休みさせていただきます。ごめんなさい。次は8月末ごろに復活 できると思いますので、それまではメール&BBSでよろしくお願いします。ではでは。


25 Jul 2004
Sunday

 久しぶりに簡単な発泡酒レビューをしてみると、キリンの新製品「小 麦」はなかなか悪くなかったです。「原料の一部に小麦をつかったふくよかな味の発泡酒です」とのことで、確かに少々まろやかでスムーズな感じの味 わいでした。缶のパッケージも好印象。「小麦」の字体もシンプルで洗練されているし、缶全体の地の色になっている肌色っぽい薄い薄いコーヒー色も落ち着い た感じですね。

 もう1種類飲んでみたサントリーの「スーパーブルー」は、「キレ味爽快」というコピーのとおり、シャープな刺激が売りのようでした。厳密にいえば これは発泡酒ではなく、発泡酒+麦焼酎が原料のリキュール類になります。そのため、酒税法の関係で価格を下げることができるというのが、実は最大のウリな のでしょう。非発泡酒としてはサッポロの「ド ラフトワン」が記録的な売り上げを続けていますが、これも要するに税の関係で小売価格がほんの少し安いから。消費者はたった10円や20円で簡単 に流れてしまうものなのです。どうせ節約するなら、節約生活自体を楽しまなくちゃね。

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 節約生活関係ではいろんな書籍やサイトがありますが、もしまだあまり足を踏み入れたことがないというお方がいらっしゃれば、とりあえず丸山 晴美さんをご紹介し ておきましょう。「節約プリンセス」として有名な彼女も今年で30歳。相変わらずシングルで執筆活動に講演に大忙しのようです。彼女の節約本はとっつきや すい上に、やみくもに節約を勧めるのでなく、いかにして楽しみながら暮らすかという観点から書かれているので、読んでいていろいろ参考になります。ちなみ に最近は雑誌「ダイヤモンド ZAi」など で少額から始める株投資連載企画にも挑戦していて、なかなか手堅く利益を積み上げている様子が彼女らしいなぁと思います。


22 Jul 2004
Thursday

 3人に1人は落ちる計算だから、ロシアンルーレットにしてはやたら確率の高い面接試験であるわけですが、5月の産業Nightを泣く泣く欠席して受けた 管理職試験なので、こうなったら最終合格者に残りたいとも思っています。

 もちろん、万が一受かってしまうと、仕事はますます忙しく、責任はますます重大に、無駄なお付き合いはますます増加することになり、要するにこんなサイ トをのんびり作っている時間はますます失われてしまうわけです。本当に自分はそんな事態を望んでいるのか? まったり文章など書きながら、よく冷えたビー ルを飲んだり、音楽好きの仲間たちと語り合ったり、好きな本を読んだり映画を観たりしたいんじゃなかったのか?

 このジレンマは重い。本当に重い。当面のモチベーションとしてはキャッシュフローがより良くなることなんだろうなあ。一刻も早くちょっとした財産を築い てさっさと引退してしまいたい自分にとっては、地位も権限も要らないがキャッシュは必要なのです。もっとも、課長たちを見ていると付き合いの飲み会や部下 へのおごりなどが非常に多くて、手取りの増加額と同じかそれ以上に出ていってるような気がしなくもありませんけど。

 まあそんなことは受かってから考えよう。最終合格してから「やっぱ管理職にはならずヒラのまま一生過ごしたいので放棄します」とか言って断ってもいいわ けだし、そもそも受からなければ上のような仮定と想像には何の意味もないわけだし。

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 ところで自分の例を挙げるまでもなく、昇進や転職によるキャッシュフローの改善は極めて重要です。春先から財テクっぽい資産運用ネタを何度も書いてきま したが、株や外貨に投資していいのは十分な余裕資金がある人だけです。あんまり金額で線を引くことには意味がない気もしますが、ざっくり言って100万円 以上の「どうなってもいい」お金がある人を対象に書いています(そのためには、さらに100万円以上の安全な貯金が別に必要です)。逆に言えば、100万 円程度の余裕資金もない人は資産運用などしてはいけません。むしろ今すぐ貯金を開始すべきです。100万円なんて遠い彼方のように思えるかもしれません。 しかし、不思議なことにお金は貯まり始めれば途中から加速していきます。よく言われるとおり、お金はお金を呼ぶのです。

 貯金を増やす方法は2つしかありません。第一に、収入を増やすことです。第二に、支出を減らすことです。最も効果的なのは2つを同時に行うことです。こ れは「貯金=収入−支出」の数式を考えるまでもなく自明のことでしょう。余談ですが、いろいろなダイエットを試そうとして無駄なお金をたくさん使っている 人をよく見かけます。しかし本気で体重を減らしたいのであれば、摂取するカロリーを減らすと同時に、摂取する以上のカロリーを消費しさえすればよいので す。主要な食品のカロリー計算は一度やってみれば覚えます。あとは栄養分のバランスを考慮しながら全体の量を減らしていけばよいのです。また、有酸素運動 (ジョギング、ウォーキング、サイクリングなど)でカロリーを燃やすと同時に、ダンベルやチューブなどで筋肉質な身体を作り、基礎代謝を大きくするので す。これ以外の減量法は基本的にすべてまやかしだと思ったほうがいい。そのダイエット方法に飛びついて何かの商品を購入する度に、貴方は貴重なお金を誰か の財布に投げ込んでいるのです。

 ダイエットについてはまたいつか論じるとして、話を貯金に戻します。貯金を増やす方法は2つだと言いました。ひとつは収入増でひとつは支出減です。どち らも黙って待っていて実現されるものではありません。たとえば収入アップのためには、資格を取ったり転職したり、何らかのアクションが必要です。そしてた いていはお金がかかります。変ですか?  より多くのお金を手にするためには、いくばくかのお金を投じる必要があるのです。資格を取るためには学校に通ったり、教材を買ったり、受験料を払ったりし なくてはなりません。転職するためにも試験を受けたり面接があったり、そのために服を新調しなくてはならなかったり「面接の達人」を買ったりと、いろいろ な時間的・金銭的コストがかかります。自分の場合の昇任試験だって同じことです。僕にとっては膨大な時間と少々のお金(主として問題集など)をかけました し、何より心が痛かったのはこのサイトの更新を約半年に渡ってお休みしなくてはならなかったことでした。いずれにしろ、それだけの自己投資を行うことに よって、投入額を上回るだけの収入を得ることができるのだとすれば、投資としては成功だといえます。つまり効率よく貯金しようと思ったら、自己投資により 自分の価値を高めて、流れ込むキャッシュの額をより大きくする必要がある。

 一方、支出を減らすのはもう少し簡単です。端的に言えば無駄遣いをやめればよろしい。CDや本なんか買わずに図書館で借りる。スーパーの買い物はすべて 底値で拾う。できれば閉店間際に飛び込んで見切り品だけ買う。服は着回しの利く定番ものだけにして、何年も大切にする。装飾品や見掛け倒しのものにお金を つぎ込まない。エトセトラ、エトセトラ。一歩間違えば相当しょぼい人生にもなりかねませんが、節約生活はそれはそれで楽しいものだということは、関連する ウェブサイトの多さでも分かります。そしてなにより、結果が貯金の額となって現れるのが面白いといえましょう。たとえ収入額が同じでも、1万円余計に節約 すれば貯金は確実に1万円増えます。この低金利時代に1万円を利息で稼ごうと思ったら、それこそ何百万円もの貯金がなくてはなりません。億万長者の多くが 非常に地味な生活を送る倹約家であることはよく知られています。もちろん節約と貯金だけで億万長者になることは絶対にできませんが、少なくともその資質は 必要だということです。

 とはいっても、自分にとっての最低限のストレス解消のためのお金は使うべきです。それはCD購入であったり、映画であったり、気の合う相手との食事で あったり、缶ビールであったりするかもしれない。要はバランスなんでしょうね。個人的には1日の終わりに財布の中に入っている500円玉を貯金箱に入れる ようにしてい て、その貯金箱をたとえば旅行の時とか、何か自分にご褒美をあげたい時とかに開けて思いっきり使う、というのがなかなか気に入っています。500円玉貯 金って、2枚で1,000円、20枚で1万円ですから、まとまると結構な金額になるんですよね。毎日財布からどんどん抜き取ってしまうので、その金額につ いては最初からなかったものと見なして日々の生活費を組み立てなくてはなりませんが、それはそれで結構スリリングだったりします。それに何だか途中から 500円玉が発生すること自体が楽しくなってしまって、手持ちの500円玉で払える品物でも無意識のうちに1,000円札を出して500円玉のお釣りを増 やそうとしている自分に気づいたりなんかしてね。


20 Jul 2004
Tuesday

★『スクール・オブ・ロッ ク』(@銀座シネパトス)
 そんなわけで、先月ジャック・ブラック主演の話題作を観てきました。ストーリィは単純なので、あとはロック好きとしてどこまでネタを笑い飛ばせるかにか かっているわけですが、なにせジャック・ブラック自身が筋金入りのロックファンなものだから、どこを切っても大笑い。「そうなんだよ、ロックンローラーっ てのはなあ…」と小一時間賛辞を送りつめたくなってしまうくらいに。

 こんな先生がいたら学校も楽しいよね。日本の教育はやっぱり何か間違ってる。何をどうすればいいのか分からないけど、みんな心の底ではロックが大好き。 黒板に徳川家の家系図書いてる暇があったらイエスとキング・クリムゾンのファミリーツリーを書いていたいもんね(そうじゃなくて)。 ジャック・ブラック先 生が子供たちに「宿題だからちゃんと聴いて来い」と言って手渡すロック名盤CDのミニ解説が妙に的確で笑いました。『こわれもの』とか『狂気』とか。Stevie Nicks の "Edge of Seventeen" ネタは言うまでもなく。

 この手のロック映画は一人じゃなくて大勢で観に行くほうがきっと盛り上がると思います。『ロック・スター』然り、『ビルとテッドの地獄旅行』然り(キアヌ・リーヴスお馬鹿すぎ)、『ウェインズ・ワールド』然り。ウェイン&ガースには大笑いさせてもらったし、あれ以来ボヘミアン・ラプソディ はヘッドバンギングなしには聴けないもんね(特に車の中)

 それにしても、エンドロールに遊びのある映画は最後まで楽しいですね。

***

 今日は5月末に受けた昇任試験(筆記考査)の合格発表日でした。まったく自信の持てない出来でしたが、どういうわけか合格していたとのことで、8月に面 接考査を 2回受けることになりました。これからいよいよ絞り込みに入ります。なるべく自然体で臨み、どんな結果が出ようと素直に受け入れられるようでありたいと 思っています。


16 Jul 2004
Friday

 今日も新聞記事からの個人的メモ。

 今週は夕刊の「こころの風景」というコラムに、SF評論家の小谷 真理が文章を書いている。「夫の巽孝之と暮らしはじめて17年。」 えっ? 斬新なプログレ評論『プログレッシヴ・ロックの哲学』で知られるあの巽先生の奥さんだったの?? というわけで、何にも知らない自分に悲しくなりつつ、面白がって読む。17年の間、1週間と離れて暮らしたことがなく、2人とも無類のSF好きというおた く同士婚だったこともあって、よほど気が合ってるのかと思いきや、実はあきれるほどの不一致なのだという。

 本好きは共通項だけれど、その他はことごとく食い違っている上に、互いに一歩も譲らない。夫が朝から晩までプログレをかけている傍らで、彼女 はヘッドホンステレオでプリンスを静かに聴いているらしい。「共同生活の基本は、無理に相手に合わせないこと。いくら夫婦だからといって、ロマンチストで 夢見るお嬢様のような夫を、わたしの庶民的ギャグセンスに染め抜くなんてことは、決してしてはいけないことなのだ」と小谷はいう。夫婦円満の秘訣は、相手 が何を好きなのか把握しているふりをして、常日頃から押しつけがましく心遣いも見せ、恩も売っておくこと。そうすると夫の「キース・エマーソンをカ バーしているピアニストの黒田亜樹が、オリジナルより華やかなアニパロ並みに面白い音楽家である」なんていう謎のプログレマニア語のフレーズも多少理解で きるようになるんだとか。まあそれは言い過ぎとしても、互いの世界観が程よく隔たっている方が、会話がより面白くなる、というのもある程度は真実だろうと 思う。

 小谷の文章は翌日の紙面でさらに切れ味を増す。
 少女時代、彼女はジーパンに地味なTシャツを愛し、男物の腕時計などをして、考古学や天体観測などにうつつを抜かしていたのだという。要するに冒険少年 幻想だ。おそらくキティちゃんみたいな少女グッズなど毛嫌いしていたに違いない。

 ところが、だ。中年に突入した彼女は今やフリルとレースとリボンに溺れているというのである。ピンクハウス系の世界なんだろうか。でもそういう子は確か に存在する。昔は全然女の子っぽい格好してなかったのに、ある日突然目覚めちゃって、フリフリの少女趣味モードに変身してしまう子が。小谷が考えるに、 「若いころは、まわりから望まれるような受身の女の子と見なされることがガマンできなかった。だから、少女趣味には背を向けた」というわけだが、この感覚 はとても理解できる。社会が押しつけてくる役割分担に素直に従っちゃうなんて、あまりにも非ロック的なメンタリティだもの。そんなお年頃を過ぎた彼女が、 ようやく少女テイストにエキゾチックな魅力を見いだすことができるようになったのだとすれば、それはそれで大いに楽しめばよろしい。もっとも小谷は「 今になってかわゆいグッズにまみれて少女趣味を敢行するワタシは、今度は正しい中年女性からはみだしまくってしまい、それはそれで十分にブキミな存在とな りはてている……のかもしれない」と自分を落っことすことも忘れない。

 ここからさらに、巷を席巻する黒ずくめ&フリル+レースのゴシックロリータ(ゴスロリ)ファッションに言及しながら、それ自体がダークファンタジーであ る こと、またそこに「少女趣味を世界の一部として現実に押しつけてくる風潮に対して、知的な少女たちが胸を張って対抗している姿」を見出すあたりはさすがだ と思った。そうだ。みんなもっともっと胸を張って対抗すべきなんじゃないか? 要するにもっと街中にゴスロリが溢れるようになると良いよ。(← かなり間違った結論)


15 Jul 2004
Thursday

 最近の見かけた新聞記事などから、個人的メモ。

★4色で描く人生模様 「パネルクイズ アタック25」(テレビ朝日系 日曜午後)
 ついに30年目に突入。司会の児玉清さんの人情味あふれる仕切りっぷりが印象的なこの番組は大好きなのです。番組山場に訪れる「アタックチャンス」のと ころで児玉さんは必ず休憩を入れ、解答者やスタッフにアメを配ることにしているんだそうです。アメ! 「少しでも緊張を和らげてあげたくて」という児玉さんの優しさが、番組の人気を支えているのでしょう。「序盤は何も答えられなかった人が、1問答えただけ でダダダッと調子に乗って優勝するかと思えば、パネルの選択を間違えただけでガクッとくる人もいる。クイズは人生そのもの、奥が深い」というコメントにも うなずくばかり。

 この番組、収録は大阪なので、児玉さんは東京の自宅からスタジオに通うことになります。「雪や交通ストが心配な時は、前日に大阪入りして備えました」と いうから尋常ではない責任感。1,470回の放送のうち1収録分(2回放送分)だけ腹膜炎で休んでいるそうで、84年のその回の代打は坂東英二さんだった らしい。見逃した…

 「こんなに続くとは思いませんでした。体力のあるうちは続けたい」という児玉清さんは番組スタート時からの司会ですが、問題の読み上げ女性はどんどん交 代していて、現在の沢木美佳子さんでもう6代目になるらしいです。番組の最初と最後にだけ出てきますが、どの人も1年中ノースリーヴのような気がする。な ぜだろう。

★「スポーツ魂」で司会役 「伊集院 光」
 常識的な家に育ったせいで、10代のころから「変わり者」にあこがれていたらしい。薀蓄王としても知られますが、流行はからっきしダメとのことで、「メ ジャーなものに対しては、はしっこを歩く、という姿勢を貫いたツケ。恋愛ドラマの話題はちんぷんかんぷんだし、GLAYが何人かも知らなくて…」というけ れど、それは僕もまったく同じことで、日本のTVドラマとか見たことないし、GLAYが何人かは今でも知らないし、ベストセラーを読むのは恥ずかしいこと だと思ってたし、「冬ソナ」(見たことない)と「ユンソナ」の区別もつきません。

 でも伊集院も36歳になって、変わっていることにも飽きてきたというのです。犬を飼ったり、デパートに行ったり、自分がこれまで捨てていたものの中に、 結構、面白いことを発見していると。それは僕もまったく同じことで、ごく最近になって映画の面白さに気付いて積極的に観るようになったり、時計を集めるの が好きになってみたり、経済をちょっとだけ勉強してみたり、これまで「自分には関係ないや」と切り捨ててきたことが面白くなってきているのです。

 こないだある女の子が「ひとり遊びが上手でしょう?」と問われて「そうですね」と即答し、しばらく経って「…だって、世の中には男なんか より楽しいこといくらでもあるじゃない」と付け加えたのが印象的でした。彼女はいつだって切れ味最高。そう、世の中には僕らの興味を引く タネなんていくらでもあるし、僕らの人生の持ち時間は極めて限られている。とすれば、彼氏がいないとか彼女が欲しいとかいってグダグダしてる暇なんてほー んとに全然ないと思うのです。そんな時間があったらもっと音楽を聴くなり、本を読むなり、旅に出るなり、映画を観るなり、自分の好きな服を着るなりすべき です。誰かと結びつくことによってしか幸せが得られないと考えることは、必ずしも正解じゃなくて、どちらかといえばこの社会が押し付けてくる(≒社会に とって都合のいい)役割分担に過ぎない。そこのところのカラクリに早く気付かないと、人生の面白さの大きな部分を見失ったまま終わっちゃうよ、という趣旨 だったのかなと思うのです、彼女の言葉は。


13 Jul 2004
Tuesday

★『少林サッカー』 (@調布市文化会館たづくり)
 以前WOWOWで終盤だけ観て、それでも腹を抱えて大笑いしてしまったのですが、調布市映画祭で上映されたので、無料で大きなスクリーンで観ることがで きました。今年の3月くらいかな。

 以前『食神』をレビューしたことがありますが、馬鹿馬鹿しさ加減が桁違いにアップしていて、もはや手がつけられなく なっています。要するに香港版『マトリックス』+『少林寺』+『キャプテン翼』な映画なのですが(どういう要約だよ)、まったく無駄に豪華なCG&ワイ ヤーアクションと、その隙間を埋め尽くすベタで下品なギャグの嵐。そのひとつひとつの間があまりに絶妙なのでもう泣きそうです。まさしく永久保存版、未見 の人は今すぐ観るべし。間違いなく、時代にひとつの区切りをつけた映画。ポスト『少林サッカー』時代に生きている僕らは、もはやそう滅多な映画では笑えな くなってしまった、というくらいに…。実際は『スクール・オブ・ロック』でも笑うんだけどさ。

 とりあえずは笑っとけ、という感じですが、観終わってから振り返ると、CGとギャグの合間にホロリとさせる心理描写があれこれ挟み込まれていたことにも 気付きます。そこだけ取り出してみると実はかなり心揺さぶられる恋愛映画だったりもして、この落差の大きさこそが香港映画の醍醐味なのでしょう。落差が大 きいほど発電力の大きいダムみたいなもんか。あるいはムダみたいなもんか。

 それにしても、チャウ・シンチーは綺麗な女優を汚れ役に使うのが好きみたいですねー。ヴィッキー・チャオをあそこまで汚すなんて。ゴールポストに顔をぶ つけるシーンなんて死にそうに笑いました。可愛すぎだよ。

***

 ところで「永遠」なんていう言葉ほど胡散臭いものはない。だから幻想以外の何物でもない "forever" なるコトバを耳にして僕が最初に思いつくのは Kenny Loggins の "Forever" でも KISS の "Forever" でもなく、ましてや Donna Lewis の "I Love You Always Forever" なんかじゃない。だいたい、"I love you" と "always" と "forever" がワンセンテンスに同居していること自体、字面として有り得ない(裏の裏をかいた皮肉たっぷりのタイトルだとすれば話は別だ)。

 僕がまず想起するのは Tears For Fears の "...Nothing ever lasts forever, everybody wants to rule the world...." という深い諦めのフレーズであり、Bryan Adams が1969年の夏を歌った際に、ダメ押しとして付加した "...I guess nothing can last forever, forever, no!" というフレーズだ。1969年と2004年に本質的な違いがないのだとすれば、僕らはこのコンセプトを素直に受け入れるべきだろう。永遠に続くものなどあ りはしない。

 要するに、その瞬間瞬間を大切に、悔いが残らぬよう生きるしかないってこと。だがこれほど残酷な宣告が他にあるだろうか。


11 Jul 2004
Sunday

★『マスク・オブ・ゾロ』 (TV録画、観たのは今年の1月頃)
 んー、要するに「Z」とか落書きして去っていく正義のヒーローもどきの話らしい。一応製作総指揮:スピルバーグ、音楽:ジェームズ・ホーナー。主題歌は Tina Arena & Mark Anthony。ゾロは2人いて、オリジナルの先代ゾロ役にアンソニー・ホプキンス、彼の指導を受ける新ゾロ役にアントニオ・バンデラス。やたらいアンソ ニー系の名前が多いな。ロン毛になったレクター博士がフェンシング指導してる姿も何だか異様だし、アントニオ・バンデラスにいたってはどの辺が「セク シー」(by マドンナ@『エビータ』)なのかよくわかんないんだけど、例によってヒロイン役のキャサリン・ゼタ=ジョーンズは綺麗です。ゾロと立ち回りを演じて服を切 られ、胸ポロしかけるサービスショットもあり。

 確かハッピーエンディングだったはずだけど、ラストにいきなりゼタ=ジョーンズが子供を産んでたような唐突な印象しか残ってない。まあいわゆる「家族で 観るとみんなハラハラドキドキできてオススメ」的映画だったわけですが、今になって『シュレック2』の予告編を観ると、「長靴を履いた猫」というキャラが いて、要するにゾロの擬人化(じゃなくて擬猫化、ゾロはもともと人間だろ)だったりする上にアントニオ・バンデラスが声を当てているというオチが付いてま す。この長靴猫、毛玉を吐いたりしてなかなか笑わせてくれるんだけど、うーん、ダメだ、全然『ゾロ』のレビューになってないや。

★『幸せになるためのイ タリア語講座
 1月くらいに招待券が当たって見に行きました。この映画、舞台がコペンハーゲンなんですよね。コペンハーゲンと言われて、街の風景がすぐに思い浮かびま すか? 僕は全然浮かびません。つまりイギリスやドイツなんかと違って、デンマークという国は僕にとって相当に異国だということです。普段どんなもの食べてるのか とか、どんな音楽聴いてるのかとか、全然見当もつかない国の様子を知ることができるというのも、映画を観る楽しみのひとつ。

 デンマーク映画と聞いてピンと来た人はさすがです。これはあの『ダンサー・イン・ザ・ダーク』で知名度を上げた「ドグマ95」のシリーズで、手ぶれする カメラなどが積極的に用いられています。『ダンサー』はミュージカルでしたが、こっちはさらにドキュメンタリータッチなので、映画音楽なんてのも最後にな るまでほとんど流れません。このプロダクションは好みが分かれるところでしょうが、人によってはリアリティを感じる人もいると思います。

 さてストーリィは、コペンハーゲン近郊の街で、仕事や恋愛や家族にトラブルを抱えて落ち込み気味な6人の男女が、たまたま週に1度のイタリア語講座に集 まるようになり、いくつかの出来事や偶然を通した触れ合いの中で何かが変わり始める、というもの。受講者全員で出かけることになったベニス、そこで少しの 勇気を持って踏み出した先に訪れるハッピーエンディング…。一生懸命なんだけど、ちょっと寂しがりやの大人たちのための恋物語。コピーは「大人になっても 恋はできるの?」。

 …と書いてしまうとベタなお話ですが、ドグマの手法もあって割と淡々と描かれるので、押し付けがましさはあまり感じません。僕自身が主人公たち同 様、不器用な生き方を気にしているオトナの一人なので、割と自然に入り込める世界だったのだろうとも思います。ベニスに渡ってからの展開はちょっと出来 すぎの感もありますけど、嫌味はなくて、素直にいい終わり方だったなーと思えるものでした。こういう映画も必要なんだね。きっと大人になっても恋はできる と思う。あの頃のように無邪気で、後先のことを考えなくてもいい恋愛じゃないかもしれないけれど。

 エンドロールで、スタッフクレジットを紙に書いて1枚ずつ落としていく演出はなかなか洒落てるなあと思いました。


10 Jul 2004
Saturday

 明日は "Election Day"。呑気に Arcadia なんか歌ってる場合じゃありません。政治に関する考え方は人それぞれなので構いませんが、とりあえず自分は投票に行くよ。理由は2つあって、ひとつは投票 所がすぐそば(徒歩50秒くらい)の中学校だから、もうひとつは投票しとくと夜の選挙開票ニュースが多少面白くなるから。

 冗談はともかく、確かにどの候補者も胡散臭いし税金泥棒臭いけど、投票しなくちゃ何も始まらない。候補者の中で「少しでもマシ」なやつを探して票を入れ るという消極的行為だけで十分に意味がある。それをやらなかったばかりに、「少しでもマシどころかどう考えてもマズいだろコイツ」というやつが当選しちゃ うんだから。というわけで、明日の夕方までに一体どいつが「少しでもマシ」なのかを考えるのが20歳以上の国民の今週末の宿題。終わった者から遊びに行っ てよし。

***

 ちょっと悲しいお知らせ。個人的メインバンク、でもって皆さんにもお勧めしてきた新生銀行の最大のメリットである「イ ンターネットバンキング『新生パワーダイレクト』振込手数料無料」サービスが縮小されることになりました。

 これまで自行内・他行宛を問わず、月に何回振込みしても手数料無料(実際にはいったんかかって、翌月に手数料分がキャッシュバックされる)だったのです が、やっぱり悪用する人がいたようです。全ユーザの平均利用回数は月2回未満らしいのですが、一部に毎月膨大な回数の振込みを行う人がいて、その手数料分 を新生側が負担しきれなくなってきたらしい。9月1日からはキャッシュバックされるのは月5回まで、それを超える振込みには別途手数料がかかることになっ てしまいました。自分は家賃とネット証券の口座への振込みがメインなので、5回でもぎりぎり対応できるかな。

 それにしても「ある日突然」感の強い、外資らしいドライさですね。しかも、1,000万円以上の預金残高がある人については月30回まで手数料なしで振 込みできるという例外を設けたあたりも、「この際うちに定期預金作りやがれ」的な押し付けがましさ満点。さすがというほかありません。まあ、DLJ- Direct証券改め楽天証券が、 8月末終了予定だった1日20万円までの取引手数料無料キャンペーンを12月末まで延長してくれたから、個人的にはこれでチャラにしてあげようかな。20 万円以内で買える株式は、たとえばアサヒビールやドトールコーヒー、ミニストップ、セシール、吉野家、明光商会、関西電力、昭文社などたくさん(軽く 1,000社以上)あります。

 もちろん、株価上昇には日本経済の本格的回復が必須条件。というわけで、景気対策に力を入れてくれそうな政治家を選ぶ、という観点で明日は投票すること にしよう。


8 Jul 2004
Thursday

 ここ数ヶ月のちょっとした楽しみは、火曜夜に早く帰れた時、NHK教育で19時半ごろからやっている米TVドラマ『恋するマンハッタン』だったりなんかして。ひどい邦題はともかく、原題は "What I Like About You"。そう、The Romantics や Michael Morales がヒットさせたあの曲。もっとも、この番組で流れるのは女性バンド、Lilix によるカヴァーです。

 ティーン向けのコメディなので内容は深追いしないとして、見どころは "Beverley Hills 90210" でのケリー役が懐かしいジェニー・ガースのレギュラー出演。主人公(アマンダ・バインズ)の姉役で、ちょっときちきちし過ぎな性格の28歳を演じていま す。それぞれのボーイフレンド役がいて、ニューヨークの街で二組のカップルを取り巻く騒動&エトセトラの約20分。ジェニー・ガースの大ファンというわけ ではなかったけれど、こうして見てみると、懐かしい旧友に再会したような気分になりますね。その昔はやっぱ毎週楽しみに見てたもんな、90210。

★『半落ち

 映画の感想もサクサクいきましょう、これは今年の1月頃に招待券が当たって見に行ったもの。だいたい日本映画なんて見に行くのはいつ以来だろう。自分で お 金を払って見たのはそれこそ中学生の時の『戦場のメリークリスマス』が最後なんじゃないか? 横山秀夫の原作が「このミステリーがすごい!」とかで話 題になっていたのは認識していたけれど、映画も息の長いヒットになったのにはちょっとびっくり。自分が行った日も立ち見が出るほどのものすごい入り で、結局すごく前で端っこの席にようやく座れたのでした。

 内容はあちこちで書かれているのでざっくりと。現職警察官が妻殺しを自供、しかしその裏には隠された事情があって、彼を取り巻く警察・検察・裁判所・新 聞社等の内幕が次第に明らかにされていく…というもの。それぞれの業界の専門用語も平気で飛び交っておりリアリティがある一方で、まったく縁のない人は戸 惑うかもしれません。扱われているテーマがかなり広いので、結果として散漫な印象も受けますが、一つひとつの問題はそれなりに重いものがあります。組織内 部の権力争いや警察と検察の壮絶な対立、特ダネをスクープしようと隙を窺う新聞記者や痴呆の老親を抱えて苦しむ裁判官など…。それぞれもう少し掘り下げて ほしかったけれどこれは高望みというもの。

 視点が分散しすぎて感情移入は難しい映画のように思われましたが、なぜか会場ではみんな一斉に涙を流していてちょっと異様な雰囲気。集団心理 のなせる業か? それはともかく、あとは寺尾聰、吉岡秀隆、原田美枝子、樹木希林、柴田恭兵、伊原剛志、鶴田真由、西田敏行、田辺誠一、高島礼子、國村隼 その他諸々の豪華キャストを楽しむべき映画なのでしょう。検事役だった伊原剛志という人は初めて見たのですが、長身でひどく姿勢が良かったのが印象に残り ました。柴田恭平と寺尾聰による取調べ室での尋問シーンは何だか和み系になってしまってイマイチ…。あと、吉岡秀隆という人も初めて見ましたが、この裁判 官役はあまりにも非現実的なサムいキャスティングでした。かなり残念。樹木希林さんは相変わらず鬼気迫る演技です。コワイ。

 寺尾聰は確かにいい。最近ますます父親に似てきたような気がする。『阿弥陀堂だより』(どこか海外からの飛行機内で見た)も良かったし、ここへ来て日本映画界の重鎮への道を一直 線って感じ。思わず帰ってから懐かしい "REFLECTIONS" とか取り出して聴いてしまったくらい。「ルビーの指輪」も良いのだけれど、個人的には「SHADOW CITY」が好きなのです。豪華スタッフが気合い入れて作っただけあって、超良質AORアルバムに仕上がっています。14年くらい前にクラブチッタ川崎の そばのタワーレコードで3,200円くらいの大金を払って買ったのを今でもはっきりと覚えていますが、今や Amazon.co.jp では1,600円とのこと。デフレってちょっと寂しいね。


7 Jul 2004
Wednesday

 七夕ですね。
 先日近くの祖師谷公園で、大きな七夕飾りを見つけました。短冊には子供たちのたくさんの願い事が書いてあって、立ち止まって読んでいく大人たちもいまし た。

 子供たちのストレートな物言いには時としてどきっとしますが、純粋な言葉に心を洗われるような気持ちになることがあるのも事実です。読みながら、自分に もこんな気持ちになれた子供時代があったかな…と少し遠く振り返ってしまいました。

 足を止めて短冊に読み入った大人たちの多くが似たような感覚を持ったことでしょう。Cher が "If I Could Turn Back Time" と歌ったようには時間を逆に回すことなどできませんが、そんな想像をしてみたくなるイベントがこうして年に1回あること自体は、決して悪いものではないと 思います。さて皆さんは今年、どんな願い事をするのでしょうか…。


4 Jul 2004
Sunday

 暑い日曜日でした。雑事に追われて結局コンテンツの更新もできず、少し悔いの残る週末になってしまいました。こんな時は自転車で遠くに出かけるに限る。 先日の新聞で忌野清志郎さんが、自転車の良いところは孤独になれるところだ、と言っていました。これほど孤独になれるものはそうはない、と。同乗者なしの 自動車ドライブも同じようなものでしょう。当てもなく遠くまで、何か考え事をしながら運転していく過程で、人は少しずつ自分の考えを整理できるのでしょ う。

***

 どうでもいいんだけど某YAWARAちゃんの「田村亮子で金メダル、谷亮子でも金メダル。」とかいうキャッチフレーズ(?)について。家制度からの解放 や夫婦別姓導入、離婚率の増加や個人主義の確立といったトレンドに真っ向から逆らう彼女の天然な発言には、驚きを通り越してもはや感心するしかないって感 じで。相変わらず独自のコメントがまったく許されていない谷佳知の存在が、いろんな意味で哀しい…

 ウィンブルドン女子決勝も見てたのですが、シャラポワ強かったですね。試合終了後のインタビューではただの17歳のロシア少女になっちゃってました(英 語だったせいもあるかも)。それに比べると、負けたとはいえセリーナ・ウィリアムスの受け答えは感情を制御したしっかりしたもので、内容も伴っていたのが さすがでした。この辺は経験によるものなのかな。


1 Jul 2004
Thursday

 映画の感想もたまってます。急がなくちゃ。

★ EMPIRE RECORDS (『エンパイア・レコード』 1995年)

【粗すぎるあらすじ】
 深夜24時まで営業のレコード店のとある1日。今日も個性的な店員たちがさまざまなドラマを繰り広げます。売上金$9,000消滅あり、恋愛告白あり、 スキンヘッドにしちゃう女の子あり…。でも店長にとって最大の悩みは、店が大型チェーンによる買収の危機に瀕していること。さあ、どうする?

【見どころ?】
 この後大活躍することになるリヴ・タイラーやレニー・ゼルウィガーなど、将来有望な若手がまとめて観られます。一昔前で言えば『セント・エルモス・ファ イアー』とか 『マネキン』、もう少し最近で言えば『シングルス』とか『リアリティ・バイツ』みたいな雰囲気か。特に後者2つとこの『エンパイア・レコード』を貸してく ださったのがnicolaさんというのは単なる偶然ではないに違いない。要するに僕もこの手の青春群像コメディが好きなんですよね。こんなにレコード屋め ぐりが好きなのに、学生の頃はレコード屋でアルバイトする機会がなかった自分ですが、この映画を観てちょっと後悔してます。こんな楽しいレコード屋さんが あったら働きたいよねえ。僕はタワレコやHMVで行われるインストアイベン トが結構好きなんですけど、ああいうイベントの裏幕みたいなものも見られて面白いっす。

 リヴ・タイラーが演じる優等生のコリーと、レニー・ゼルウィガーが演じるちょっぴり落ちこぼれのジーナの対比は類型的ですが、主役級のコリーよりジーナ の方に共感が集まりそうです。2人とも超ミニスカートで登場+下着シーンもあり。どうでもいいですか。リヴにはウェストがないように見えるんですけど。ど うでもいいですか。それにしてもレニー・ゼルウィガーは可愛いっすね。この後『ザ・エージェント』『CHICAGO』などで大成長していく片鱗を感じさせ る例の舌っ足らずなおしゃべりがキュートです。

 個人的にはルーカス(ローリー・コックレイン)の役柄が面白くて気に入りました。ユーモアがあってクール、実は複雑な家庭の影響でかなりひねくれちゃっ てます。でもそんな自分を助けてくれた店長との間には固い絆が。そもそもの売り上げ紛失事件も彼がらみなのですが、カジノでやることなすこと大当たりする シーンはほーんと羨ましいくらいです。自分だったら一歩手前で手仕舞いしちゃうんだけどなあ…

 Gin Blossoms や Cranberries、Edwin Collins、Toad The Wet Sprocket など、95年前後のカレッジチャートの常連がほぼ全編に渡ってバックに流れ、小気味いいストーリィ展開と相まって、全体として長編ビデオクリップのように 楽しむこともできそう。元気の出る1本、オススメです。nicolaさん、ありがとうございました。

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