Diary -June 2004-


バックナンバー / BBS / 冬 メイル
30 Jun 2004
Wednesday

 今日で6月もおしまいですね。

 東京は30度を超える真夏日が何日も出て、数年ぶりの猛暑を予感させています。そりゃ暑いのはいやですが、経済活動にとって暑い夏、寒い冬は大切な要素 ですから、ここは少し我慢しながら景気回復を見守ることにしましょう。

 明日の株式市場はやや荒れる展開になりそうです。というのは、ちょうど今夜、米国の連邦準備制度理事会(FRB)が連邦公開市場委員会(FOMC)で短 期金利の指標であるフェデラルファンド金利を引き上げる見込みであることに加えて、日銀も明日短観を発表する予定になっており、それぞれ市場に影響を与え ることが想定されているからです。どうなるやら、ちょっと楽しみ。

***

 ときどき書いている資産形成ネタですが、ひょっとして誤解されているといけないので敢えて書いておきますと、人生において最も大切なのはお金ではありま せん。何が大切かといえば、愛する人だったり飼い猫だったり食べることだったりCDコレクションだったりセックスだったりと、人によって異なるでしょう が、お金自体でないことは明らかです。ではなぜ僕らが資産形成について考えなくてはならないかといえば、それはむしろお金の問題からできるだけ遠ざかるた めです。

 この世を渡っていくのにお金は欠かせません。それ故にさまざまなトラブルの種にもなります。そんなトラブルの元凶のために、僕らは毎日あくせく働いてい る。行きたいコ ンサートも我慢して、本を読む時間も十分に取れず、映画にも行けずに60歳まで(あるいはもっと)働き続けたいかといえば、答えはおそらくNOでしょう。 それどころか、退職金も年金も保証されないこの時代にあっては、頼れるのは自分(の資産)だけ。誰か(=雇い主)に頼って定年まで働くことを人生の基盤と すること自体が猛烈なリスクを抱えている。

 であれば一刻も早くこのサイクルを断ち切り、経済的自由、経済的独立を獲得しなくてはなりません。Financial Independence を確立して、日々あくせく働かずとも食べていける、つまり穏やかに時間を過ごせるような状態に至ること自体は、実はそれほど難しいものではないと考えてい ます。できるだけ早い年齢から、然るべく貯金と投資を積み重ねていけば、一定の段階で例えば1億円といったまとまった資産を作ることは(少し極端に言え ば)誰にでもできることです。1億円が多いか少ないかは人によりますが、僕の余生にとっては恐らく十分。あとはこれを運用しつつ一部取り崩しながら、平均 寿命を目処にぴったり使い切るように生活すればよろしい。

 Financial Independence、これがキーワード。経済的に独立して初めて、本当に好きなことを仕事にしながら、自分が自分らしく生きることができるはずだか らです。

***

 さて、使っているVAIOにインストールされている Norton Antivirus の調子が悪くなっていることに気付きました。サポートページで調べると、Windows XPでよく起こる現象らしい。書かれている解決法をいろいろ試してみたもののうまくいかず、どうやら再インストールせざるを得ないようです。週末はまたし てもCドライブ丸ごと再インストール&各種設定でつぶれてしまうのか?

***

 懐かしい名前を新聞で見かけました。それは「メロー イエロー」。83年から90年ごろまで発売されていた炭酸飲料ですが、セブン-イレブンで今日から復刻版が発売されるとのこと。「とっても訳せな い味」という当時の宣伝文句も謎めいてますが、CMに起用されていたのが松居直美だったというのはかなりヤバい。個人的には「ファイブアライブ」も復刻し てほしいんですけど、無理なんでしょうか日本コカコーラさん? あと「アンバサ」とか。


27 Jun 2004
Sunday

 先日の新聞で、ゴンチチのチチ松村さんがこんなことを語っていました。

「ごみ捨て場でごみに出会うとき、僕はそこに奇跡を感じます。誰かに使われてきたモノがあるとき捨てられ、それが僕と偶然の出 会いを果たす」

 彼はごみ拾い暦20年以上になるそうです。この気持ちはよく分かる。いや、ごみ拾いではないのですが、中古CD屋さんや古本屋めぐりが好きな者として、 同じような気持ちになることがよくあるからです。

 僕にとってとても大切なCDの多くは、中古市場で格安で拾ってきたものです。誰かにとっては不要な音楽が、その店を通りかかった僕と偶然の出会いを果た し、愛聴されることになる。あるいは逆に僕が読み終わって古本屋さんに流した文庫本が、誰かに拾われて大切にされることになる。こうした出会いは、日常の 営みの中に隠された小さな奇跡といっていいと思います。著作権者に敬意(≒お金)を払うためには新品で買う必要があるのは分かっていても、中古品とのめぐ り会いにはそれ以上の面白さがあると思うのです。

 そんな奇跡に出会いたい気持ちがどこかにあるから、僕らは今日も帰り道に中古CD屋さんや古本屋さんを覗いてみるのかもしれませんね。


26 Jun 2004
Saturday

 サラリーマンにはボーナスの季節がやってきました。すぐに買い物をする予定がない人は、できるだけ有利な投資をして大きく増やしておきましょう。

 さて、投資をするにあたっては大切なルールがあります。それは「ひとつのかごに卵を盛るな」というもの。たくさんの卵をひとつのかごに入れて持ち運ぶ と、落とした時にはすべての卵が割れてしまいますが、複数のかごに分けて運べば、たとえあるかごを落として卵が割れたとしても、残りは無事です。お金も同 じことで、ひとつの金融商品に全額を投資するのは極めて危険。目的に合わせて、幾つかの商品に資産を分散しなくてはなりません。これを「分散投資」といい ます。

 利回りは低いが流動性が高い(=必要なときに現金化しやすい)もの、利回りが高いがいつでも現金にできるわけではないもの(長期の定期預金とか株な ど)、それらの中間のもの。それぞれに特徴と利便性があります。今すぐ必要なお金と、将来のイベントのために必要になるお金をしっかり計算して、どういう 資産配分をすべきかよく考えましょう。そして、現金・定期預金・株式・債権・外貨などに適切な配分を行ってポートフォリオを組みます。

 ポートフォリオ、というのはもともと書類や作品のことを入れるファイルや薄い書類かばんのことを指す言葉ですが、金融の世界では上のような資産配分のこ とや、分散投資された株式銘柄の組み合わせのことをいいます。かばんの中の書類ひとつひとつを見るのではなく、書類の集合体としてのかばんの価値を考え る。それがポートフォリオ的なものの考え方です。特に株式の銘柄を選ぶときには分散投資の重要性が高まります。個別の銘柄の値動きは必ずしも予想通りにな るとは限りません。しかし、十分に吟味されたポートフォリオを組んでおけば、ある銘柄が値下がりした場合でも、他の銘柄が値上がりすれば、全体として値上 がり益を得ることができる可能性があるのです。

 確かに一点集中して投資した場合、その銘柄が高騰すれば莫大な利益を上げることができます。しかし投資の世界では常に勝ち続けることはできません。局地 戦では負けが有り得ることを十分認識して臨むべきです。それ自体は一向に構わない。なぜならば、全体的な戦局 で勝てればいいからです。言い換えれば、小さく負けるのは構わないが、できるだけ大負けしないようにポートフォリオを組むことが重要になります。特に個人 投資家の場合には、「勝つ」ことを狙い過ぎ ると落とし穴にはまる可能性が大きい。そうではなく「負けない」投資を目指すべきでしょう。コツコツと100円でも1,000円でも利益を出すこと、それ をどこ までも積み重ねることに尽きると思います。

***

 先日の天声人語より。

「人生という迷路では、歩くことに習熟する前に誤った道を選んでしまうことがある。」(C・コノリー)
「人生は一箱のマッチに似ている。重大に扱うのは莫迦々々しい。重大に扱わなければ危険である。」(芥川龍之介)
「人生は地獄よりも地獄的である。」(芥川龍之介)


 地獄的なればこそ然るべき備えをしておくべきだし、誤った道を選んでしまった時のために然るべきリスク分散をしておくべきなのです。以上、本日の講義は 「分散投資ノ ススメ」でした。


24 Jun 2004
Thursday

 BGMは Alicia Keys の "THE DIARY OF ALICIA KEYS"。いつものようにけいさんに聴かせていただいたもので す。真面目な話、これはかなり良いアルバム。話題先行でバカ売れした割にはイマイチ深みに欠けたデビュー作とは比較にならないくらい豊かな音楽性を披露し ています。清楚なルックスからは想像できないヒップホップ魂に、びっくりするくらいディープなソウル趣味。1曲1曲に込めた想いがヴォーカルからごりごり 伝わってくる録音で、ほとんど捨て曲らしきものも見当たりません。全16曲終わった瞬間に、思わずまた再生ボタンを押してしまうような傑作。この人は本物 だと思います。

 けいさん、どうもありがとうございました。

***

 さて今日は昔所属 していたサークルの後輩の妹さんと昼食。その後輩(といっても10年くらい年下だが)本人とはいつかじっくり Tori Amos の話をしようと思ってるんだけどなかなか時間がとれず… ごめんよ。で、その妹というのがびっくりするくらい綺麗な子だったので本当にびっくりしてしまい、何だかゆっくり話もできないうちに昼休みも終わってし まったって感じでした。映画作りを勉強してて本当に映画を撮ろうっていう子と話をすること自体が初めてだったので、新鮮な内容ばかりで面白かったで す。

 しかし、自分は相手のことを何も知らないのに、相手はこのサイトを読んでて僕のことをそれなりにいろいろ知ってるってのはちょっと不思議な感じですね。 ちなみに Bee Gees は自分も大好き。ダサいとかいう奴は許さん。"How Deep Is Your Love" が良いのは当然ですが、"Jive Talkin'" とか "More Than A Woman" みたいなのを聴いてても問答無用でハッピーな気分になれます。3人のあの完璧なハーモニーはもう二度と聴くことができないんですね… 残念。

***

 BGMは Marlena Shaw の "WHO IS THIS BITCH, ANYWAY?" へ。これはnicolaさんに聴かせていただいたもので、静かな夜によく聴いています(どうもありがとう)。ジャズとソウルの微妙な境界線の上をそぞろ歩 くマリーナのヴォーカルは、力強いのに繊細さも感じさせます。いかにもオトナ仕様で全曲良いのですが、前半では "You Taught Me How To Speak In Love" や "Feel Like Makin' Love"、あとはアルバムがひと通り終わってラストに流れ出す軽快な "Rose Marie" などが特にお気に入り。梅酒ロックを飲みながら聴いていると、短めのこのアルバムは軽く2周くらいしてしまいます。

 ブラックの女性ヴォーカルものとしては、どうやら8月末には Jill Scott が久々の新作をリリースするようなのでとても楽しみにしているところだったり。

***

 それにしても『スリーピー・ホロウ』のジョニー・デップの吹き替えが堀内 賢雄さんだったりするもんだから、いちいち脳内にイメージされるビバヒルのスティーヴを画面上で修正しながら観なくちゃなんなくてほんと疲れる。有り得な いよ。


23 Jun 2004
Wednesday

 先日BBSにsekiko さんがこんなことを書いてくださいました。

「blogを作ってみて初めて気がついたのですが、
winter wonderlandの構成って、blogを先取りしてると思いました。
っていうか、ここのコンテンツってすごくblog向き。」


 へえ〜って感じです。誉めていただいたのかどうかよく分からないので、容易にお礼を言っていいものかどうかも分からないという。

 それは冗談としても、個人的にはblogってやつがイマイチぴんと来てないのですね。数年前に話題になり始めた時から一応フォローはしてるつもりなので すが、それって自分がやってるような Web上のテキストサイトと本質的に違う何かなのか、今のこのサイトを捨てて乗り換えなくてはならないほどの強烈なメリットがあるのか、どうも腑に落ちな いところがあって。

 なんて気取りつつ「トラックバック機能なんてアクセス数稼ぎのためのただの馴れ合いじゃーん?」とか斬り捨てちゃうのは簡単なのですが、自分もこの Diary の上部にBBSやメルアドへのリンクを張っているということは要するに読者のお方からのフィードバックをどこかで期待している、ということの表れか もしれず、その点では同罪ですね。ビバ馴れ合い。ハレルヤ断罪。明日にでもblogに切り替わってるんじゃないかこのサイト。まあ実際、いろいろな サイトを眺めて「これは面白いなあ」と思っても、なかなかBBSに書き込んだり思い切ってメールを書いたりするところまではいか ないものです。だからこそそんな高いバリアを超えて時々直接メールを下さる読者の方や、BBSで楽しい話題を展開してくれる皆さんにはとても 感謝しているわけで。

 さて sekikoさんの言葉に戻ってみると、言わんとされたことは大体分かってるつもり。基本は日々心をよぎったことなど書き流しつつ、好きな音楽や映画 や本や自転車やビールなど、ある程度の傾向の見られるコンテンツのかたまりを構成しています。トラックバック機能こそありませんが、読み手の皆さんはそれ ぞれBBSやメールで反応を知らせてくださいます。でももし今から始めるんだったら自分もあっさりblogでサイト作っちゃうんだろうな。デヴィッド・ボ ウイ の "LET'S DANCE" リリース時のコピーのもじりを自分に贈ろう。「時代が冬に追いついた」。

 というわけで素直にお礼を申し上げます。ありがとう、sekikoさん。
 これからもどうぞご贔屓に。


22 Jun 2004
Tuesday

 よく「百年の恋も一瞬にして冷める…」というような表現を見かけますが、それって要するにもともと百年の恋なんかじゃなかったんじゃないかという罠。


21 Jun 2004
Monday

 今日はイスタンブール上下水道局の幹部がうちの局長を表敬訪問。夜のレセプションに何故か呼ばれたので料理をつまんできました。どうやら自分は無料の通 訳者として起用されたようですがそうは問屋が卸さず、先方はトルコ語しかしゃべらないのでした。こっちは英語も怪しい上に、トルコに関する知識といえば「イルハン」と「庄野真代の『飛んでイスタンブール』」くらいしか持ち合わせていないものだから何の役にも立たず。役には立た ないかもしれないが『飛んでイスタンブール』は良い歌だと思う。

***

 昨日食べ物ネタを書いたので今日は飲み物でいこうと思います。

 最近飲んでいるのがベトナムのコーヒー。職場の人が出張した時のお土産で、しばらく冷蔵庫などで眠っていたのを取り出して淹れてみました。ペーパーフィ ルターに少量のお湯を注いでしばらく蒸らすわけですが、この時に一風変わった香りがします。よく慣れたコーヒーの香りというよりは、チョコレートみたい な、バニラみたいな少し甘い香り。実際コーヒー自体もチョコとかココアっぽい味がするような。これはこれで不思議な魅力があって、ある種のスウィーツ類に は非常にマッチするのではないかという気がいたしました。どっちにしろ自分はミルクたっぷりのカフェオレにしてしまうのだけれど。

 お次はただ今凝ってます、梅酒。いやあ梅酒っぽい季節になりましたね。本当は梅酒を漬けるのに適した季節になっただけで、出来上がる季節は別に今じゃな いとも思うんだが、構いやしません。梅酒はいつ飲んでも美味しいのです。今うちにあるのは友人からの頂きもの(ブランデーベース)と祖母の手作りもの (ベース不明。普通にホワイトリカーか?)。デュラレックスのグラスに氷をたくさんぶち込んで、梅酒をたっぷり、BRITAのお水を少し加えて攪拌しま す。あとはじっくり味わうだけ。どう飲んでも健康にいい感じがするお酒、という点で梅酒は貴重だと思う。多少飲み過ぎても「健康にいいんだからオッケー」 みたいな感じで流してしまえるので、良心の呵責を感じることがほとんどない稀有な酒といえるでしょう。

 飲むのも好きですが、そろそろ梅酒作りそのものにもチャレンジしてみたいものです。何だかすげー大人の趣味って感じですが、そろそろ許される歳になって きたかなと(誰が許したり許さなかったりするんだよっていう…)。まあどっちかっていうと「散歩の達人」とか読んでる人たちがこっそり梅酒作ってる雰囲気 で、どう間違っても「Burrn!」とか読んでる人たちって感じじゃない。だからこそ Judas Priest なんかを聴きながら激しく梅酒作りしてみたかったりもするわけですが。これぞまさしく背徳の掟。


20 Jun 2004
Sunday

 週末、ご飯を多めに炊いたので、平日用にリゾットを作っておきます。といってもこれは超簡単なもので、さくっと作れるので全く恐れるに足らず。

 まず玉ねぎを細かく刻んで、これをじっくり炒めます。玉ねぎを炒めてる時間って幸せな気分になりませんか。玉ねぎを炒める時の何ともいえないあの良い香 り。透明からちょっと茶色になりかけたところでホールトマト缶を開けて入れましょう。トマト缶はいろいろな場面で使えて何かと便利、安売りの時にまとめ買 いしておくのが吉です。トマトをじゅわっとつぶして加熱しながら、コンソメを投入。さらに塩コショウやガーリックで味付けしながら、ご飯を加えてかき混ぜ つつコトコト煮込みます。いい感じにリゾット風になったと貴方が判断したところでストップ、火を止めます。(なんてアバウトな)

 多めに作って1食分ずつ冷凍パックにしましょう。平日に残業で遅くなった時など、帰りについ外食(ラーメン二郎とか)しがちですが、これは無用な出費を 招く ばかりでなく、カロリーの過剰摂取にもつながりかねません。この簡単リゾットなら、ベースはトマトソースなのでヘルシーかつ低コスト、疲れて帰宅した夜で もレンジでチンするだけで美味しく食べられるという訳です。

 実はこれ、川原亜矢子さんの『シンプル・ビューティ』の中で紹介されていたものがベースです。彼女は他にバナナも勧めていますが、自分もバナナが好きな 方で、大 抵常備してあります。朝はバナナとプルーンにプレーンヨーグルトをかけて食べることが多いかな。朝食で果物を摂るのはいつの頃からか習慣になっていて、季 節によってリンゴだったりイチゴだったりもしますが、バナナは年間通じての定番。栄養があってしかも吸収されやすい、非常に理想的なメニューのひとつ ではないかと。

 バナナといえば、長いことその保存方法で困っていました。ご存知のとおり、バナナは冷蔵禁物です。試したことがない人は今すぐバナナを冷蔵庫に入れてみ ると良いよ。翌日真っ黒になったバナナに出会えることでしょう。かといって、普通に置いておくと接地面からどんどん傷んでいくんですよね。さてどうする か。

 答えは「空中に吊るす」です。そう、バナナはもともと地面から離れた空中にぶら下がっていた。あれと同じ状況を作り出してあげることが腐敗から遠ざける 最良の手段なのでした。そこで世の中にはバナナの房をぶら下げるための(それだけのための!)バナナスタンドなる商品があるのですが、無用な出費が苦手な 自分は「ちっ、そんなもんどうせブルジョアの遊戯道具さ」とばかりに見て見ぬふりをしていたわけです。残念ながら実物を見たことはありませんが、キャン ドゥだったかどこかの100円ショップでバナナスタンドを売っていたらしいという噂をゲットしたことが「バナナスタンド=暴利」説に拍車をかけていまし た。

 ところが、ある日突然自分の部屋に何気なくぶら下がっているある物で代用できることに気付いてしまったのでした。それは「S字フック」。それこそ5個入 り100円とかで買えちゃうフック、何かと便利なのでうちに結構あったのですね。これにぶら下げておけばいいってわけです。皆さんも今すぐバナナをS字 フック に吊るしてみよう。キッチンがあっという間に南国の楽園的雰囲気を醸し出すこと間違いなし。ほーらね。


19 Jun 2004
Saturday

 18日に下北沢Revolverで「80s Night」というイベントをやりました。遊びに来てくださった皆さん、DJしてくださった皆さん、お店の皆さん、どうもありがとうございました。おかげ さまで盛況のうちに終えることができました。あちこち歩き回っていたので、全ての方とゆっくりお話する時間はありませんでしたが、少しでも楽しんでいただ けたなら嬉しいです。また何かのイベントを行うことがあるかと思いますので、ぜひよろしくお願いしますね。

***

 さて、今月1日の Diary で「特に何かをしていたわけではないのです」と書いたのは正確ではなくて、実は5月30日に職場の昇任試験があって、その準備のためにここ半年ばかり試験 勉強をしていたのでした。筆記は択一試験と論文試験の二本立てで、相当広範囲からの出題になります。筆記試験の合格すると、8月に面接試験が2回あり、ど んどん人数が絞られていくのです。最終合格率は単純計算だと数%、冷やかしで受けてる人を除いても なかなかの高倍率なので、受けるからにはと思って週末は図書館にこもったりしていました。

 結果はやはり難しくて、思ったようにはいかなかったなというのが本音。発表はまだまだ先ですが、まあ落ちていたとしてもこの試験はあと2回は受けられる ので、来年・再来年に向けてまた勉強しようと思っています。さっさと昇進して給料を増やして資産を形成し、さっさとリタイアして人生の後半をのんびりと読 書・音楽・映画・料理・スポーツ・好きな仲間たちと飲んだりしゃべったりする時間などに充てるのが当面の夢。夢は実現するためにあるんですよね。実現に向 けて、楽しみながら頑張れるようでありたいものです。

***

 とはいっても、この半年ほど世間から隔絶していたギャップは大きい。テレビはもちろん、新聞すらゆっくり読まなかったし。新聞に至っては3月から 配達も止めてもらっていたので、6月1日に久しぶりに玄関で朝刊を発見した時は、チラシも含めたそのずっしりとした重さに何とも言えない懐かしさを感じて 安心してしまいました。自分はどうやら新聞というメディア自体が好きらしい。小学生の頃、学級新聞とか作りませんでした? あの編集感覚が好きなのです。それが結局こうしてウェブサイト作りにつながっているのかもしれませんね。

 でね、新聞って真面目に読むとすごーく時間がかかるんですよ。そして時間をかけて読むのが個人的にお気に入りなのです。例えば土曜日の朝刊なんて、コー ヒー入れたり洗濯物干したりしてると、午前中いっぱいかかってようやく目を通し終わるって感じですよ。要領悪すぎですか。でもいいじゃん。何かに急き立て られる生活じゃなくて、じっくりと自分のスピードで本や新聞を読める生活。それこそが僕の求めている理想的な時間の過ごし方なんだから。試験期間中は「試 験が終わりさえすれば、図書館であの本もこの本も積み上げて全部読んでやろう」とか「この期間中に見逃したあの映画もこの映画も観てやろう」 とか「自転車ですごーく遠くまで行ってやろう」とか、要するにやりたいことが次から次へと浮かんできて、勉強が手につかないくらいだったわけです(それ じゃ 困るんだが)。

 今こうしてその自由を(ひとまず)手にして、たっぷりのカフェオレを淹れ、午前中いっぱいかけて新聞のページをめくりながら考えるのです。昇進してます ます多忙になり、責任重大になって胃を痛めながら幹部に媚びへつらい、コンサートにも映画にも行けず、好きな仲間たちと過ごす楽しい時間も捨て去る、とい うことは果たして自分にとって理想なのかどうかと。問われるまでもなく答は「NO」。間違いない。

 30代前半最後の年に差しかかり、そろそろ真面目に自分の残りの人生を設計する時期を迎えつつあります。皆さんはもう、設計しちゃいましたか?

***

 最近、ウルフルズの「ええねん」という歌を聴いて、いいなーと思ったりしています。去年のヒット曲のようですね。

♪何も言わんでも ええねん
 何もせんでも ええねん
 笑い飛ばせば ええねん
 好きにするのが ええねん
 感じるだけで ええねん
 気持ちよければ ええねん
 それでええねん それでええねん


 といった調子でどこまでも歌詞が展開していく、ひたすらシンプルでポジティヴなロケンロー。すごくいいです。気に入りました。どうやら自分も、こ んな歌が心に響くようになったということのようです。


14 Jun 2004
Monday

---シンディ・ローパー来日公演はいかがでしたか?

  これほど人気があるとは思いませんでした。彼女の人柄、キャラクターの成せる業でしょう。レコードで聴かれるとおりのあの声でヒット曲をたくさん 歌ってくれました。彼女、今年で51歳になるんですけど、とてもそんな歳には見えませんでした。いつも元気いっぱいで年齢不詳、例えていうなら水森亜土ちゃんみたい な…。

---かなり年齢層を選ぶネタですね(笑)。ところで今日も株で資産 形成ですか?

 今日は丸井が 約定できました。ちょうど1ヶ月前に仕込んでおいたものですが、何とか利益確定できました。「頭と尻尾はくれてやれ」の格言に従って、まずは確実に利益を 積み重ねることが大事だと思っています。

---頭と尻尾?

 「最安値で拾って最高値で売り抜けることを目指すな」という戒めのようなもので、株の世界でよく語られる言葉のひとつです。最大限の利益を上げようと思 えば当然マックスの利幅を狙うことになりますが、どこが底値でどこが天井値かなんて誰にも分かりませんから、狙いすぎると買い損ねたり売り損ねたりして大 やけどします。だから、そこそこのレベルで利幅を取ることを重視して、たとえ売った後にさらに上昇したとしても悔やむべからず、つまり上がり始めてから流 れに乗って買い、上がりきる前にさっさと手仕舞いすることで、値幅の頭と尻尾にあ たる部分は他の人にくれてやれ、というわけです。何だか人生においても通用する格言かもしれませんね。

---小売業は今後も注目できそうです。

 そうですね。個人的に狙っているのは伊勢丹です。新宿のメンズ館によく出かけますが、あの品揃えはまさに圧倒的です。特に高級革靴については他の 追従を全く許しません。僕の好きな Grenson をはじめ、Edward Green や Johnston & Murphy といったブランドが大量にディスプレイされており、多数常駐している専門のシューフィッターが適切なアドバイスをしてくれる点にも好感が持てます。1ユー ザーとして、他の百貨店とは明らかに違う独特のスタイルに惹かれています。

 同社の株価に注目し始めた今年の1月ごろと比較すると、既に400円以上の値上がりになっており、仮に100株投資していただけでも4万円以上のキャピ タルゲインを得られた計算です。株価はやや加熱している感はありますが、各種の経済指標の上昇を追いかけて個人消費が動き出すことを考えれば、もう少し動 くかもしれません。

---株はとっつきにくいのですが…

 個別銘柄にいきなり手を出すのは確かに難しいし、そうすべきだとも思いません。まずはネット上でヴァーチャル体験してみるの がよいでしょう。これは野村證券が提供しているサイトですが、手持ち資金100万円を与えられて自由に株式投資の擬似体験ができます。まずは自分の好きな 銘柄を買ってみて、100万円を例えば1ヶ月でどれくらい増やせるか腕試ししてみましょう。もし大儲けしてしまった場合には、ヴァーチャルじゃなくて実物 投資しておけばよかった…と後悔しちゃうかもしれませんけれど。


12 Jun 2004
Saturday

---「恋愛小説家」、最後にもうひと押しお願いします。

 「ダーマ&グレッ グ」のファンなら絶対笑えるのが、グレッグのオフィスの秘書マリーン役だったヤードリー・スミスが、 隣人のゲイ芸術家の秘書役で出演していることです。マリーン役ではビバヒルのドナと同じ安達忍が声を当てているわけですが、ヤードリー・スミス本人も声優 として活躍していて、アニメの「The Simpsons」における Lisa Simpson の声として全米では広く知られているようです。

 ヤードリーのその他の出演作を調べてみたら、これまたなかなかのものです。自分が観たものではロビン・ウィリアムズ主演の92年作 "TOYS" に出ていたようですし、未見ながらスティーヴン・キング本人がメガホンを取って撮影した "Maximum Overdrive" にもクレジットがありますね。ちなみに邦題は「地獄のデビル・トラック」、主演はエミリオ・エステベスで、まったくヒットしなかった大失敗作です。ついで に、Pat Benatar が主題歌 "Invincible" をヒットさせた85年の "The Legend of Billie Jean" にも出演しているようです。ちなみにこの映画にはクリスチャン・スレイターも出ています。

---パット・ベネターで思い出しましたが、80年代洋楽のイベント があるとか?

 そうなんです。6月18日金曜日の夜に、下北沢 Revolver にて「'80s Night」と銘打ったDJイベントを行うのです。

 80年代の洋楽には不思議なマジックがあるように思います。例えばジャンルが必要以上に細分化される前のごった煮的な魅力です。あるいは妙にキラキラし た無駄にゴージャスな楽しさです。キュートなメロディやエレクトリックな音色も今聴くとかなり新鮮。そうした80年代洋楽の魅力をたっぷり味わっていただ ける夜にしたいと思っています。

 DJ陣は自分を含めて4人です。エレクトリックポップ/UKニューウェイヴ中心に迫るけいさん、ブラックもの担当のふりーまんさん、 David Foster はお任せのKyonさん、その他もろもろの自分ですが、少なくとも僕以外の3人は「この方々なら間違いない!」というメ ンバーばかりですよ。ちなみに予定の担当時間は次のとおりとなっています。

20:00〜20:30 winter
20:30〜21:00 けいさん
21:00〜21:30 ふりーまんさん
21:30〜22:00 Kyonさん
22:00〜22:30 winter
22:30〜23:00 けいさん
23:00〜23:30 ふりーまんさん
23:00〜00:00 Kyonさん


 ひょっとすると20時より少し前から回しているかもしれません。いずれにせよ、たくさんのお客さんに楽しんでいただきたいと思いますので、どうぞ皆さん お誘い合わせの上お越しください。お店の地図はこちらに なります。


10 Jun 2004
Thursday

---何だか嬉しそうですね。

 今夜行われたロト6の抽選で当たりが出たのです。

---ということは… ついに宝くじ億万長者になって引退ですか!

 まさにそれが僕の夢であるわけですが、残念ながらそれほどの大当たりではなく、6つの数字のうち4つが当たったので4等でした。当選金は微々たるものな ので、これまで注ぎ込んできた金額を思えば全くもって割に合わないギャンブルです。つまるところ、宝くじは投資ではなく、単なる投機です。もちろん投機に は投機の魅力があります。ちなみに6つすべて当てたのはただ1人、彼もしくは彼女は今夜4億円の大金持ちになりました。もし自分だったら、今すぐワープロ で辞表を書いてメールで職場に送りつけ、一生静かに過ごすんだろうと思います。とりあえずはこのサイトの未完成コンテンツを気が済むまで書き続けるんで しょうね。音楽ネタも映画ネタも読書ネタも、書きたいことは山ほどあるのに時間がちっとも足りないのです。

---ではまず映画の続きからお願いします。

 はい。ジャック・ニコルソンの録画編パート2は "As Good As It Gets"(「恋愛小説家」)でした。これは公開当時からかなり見たかった作品だったのですが、何となく見そびれてしまい、 現在に至ったものです。ニコルソンが演じる小説家メルヴィンは、一言でいえばかなり嫌な奴です。気難しくて、潔癖症で、皮肉屋で、人付き合いが下手な厭世 家。アパートのゲイの隣人とも険悪な関係に陥っています。そんな彼が、悪態をつきながらも密かに心を寄せているのが、行きつけのレストランのキャロルとい うウェイトレスで、ヘレン・ハントが演じています。

---ニコルソンとハントはこの映画でゴールデングローブ賞とアカデ ミー賞の主演男優賞・主演女優賞をダブル受賞していますね。

 それもなるほどと思わせる素敵な演技です。ヘレン・ハントはここでも働くシングルマザー役を好演しています。ここでも、というのは "Pay It Forward" を意識していますが、あちらよりずっとナチュラルな演技に思えました。一定の歳を重ねた大人のロマンスというやつを深く優しく感じさせてくれる女性です ね。「大人のロマンス」というのに少しだけ抵抗を感じるのはニコルソンの役どころです。最初のうちは実に精神年齢が幼いというか子供っぽいというか、世間 との折り合いのつけ方の下手さにイライラさせられます。しかし、ひょんなことからゲイの隣人の犬を預かって世話をするようになり、次第に周囲に対して心を 開いていくのです。その過程をジャック・ニコルソンが例によって強烈な「なりきり」演技でぐいぐい引っ張っていきます。本人はこの映画で定着した「気難し いが、実は繊細な人」というパブリックイメージがイヤでたまらないそうですけれど。

---ちょっとニコルソンに肩入れしすぎでは?

 そうかもしれません。厳密には彼の役どころに肩入れしているわけです。恋愛小説家メルヴィンの生活はかなり僕の理想に近い。モノを書いては莫大な印税を 得て、しち面倒くさい世間のしがらみに巻き込まれないようにできるだけ距離をとりながら、世間から遠く引きこもって静かに自分の時間と空間を確保して暮ら す。まさに夢の人生です。ですがしかし、僕は毎日電車に揺られて職場に出かけねばならず、おべっかやお追従や義務的な飲み会などをこなしながら給料を受け 取る日々を送っているわけです。

 しかし世間から距離をとって安心していたメルヴィンも、キャロルのことを想う中で安定していた毎日が大きく変化していきます。ハリウッド映画ですから結 果はもちろんハッピーエンディングですが、だからといって「人は独りで生きるべきではない、必ずペアを作るべきだ」というメッセージだとは思いたくないで す。僕自身はもし行きつけのレストランがあって、そこで好きな女の子に出会えるならそれで満足だから。彼女を独占したいとか、常に構ってもらいたいとは思 わない。いや、本当は思うのかもしれないけれど、恋愛に伴う独占欲が全てのトラブルの根源だってことに目をつぶるには、どうやらあまりにも歳をとりすぎて しまったようですね。

 いずれにしても、肩の力を抜いて楽しめる高品質のヒューマンドラマです。いい感じにまったり付き合っているオトナどうしのカップルなんかには特にお勧め できるんじゃないかな、と思います。


8 Jun 2004
Tuesday

---最近観たというビデオ録画映画ですが…

 まず一本は1992年の "A Few Good Men"(「ア・フュー・グッド・メン」)です。当時から興味はあったのですが、映画館に出かける習慣がなかったので、テ レビ放映にうまくぶつかるまで待っていたという感じです。米国海軍を舞台に、キューバ基地で起きた殺人事件に携わる若き海軍弁護士トム・クルーズ。彼の補 佐役にデミ・ムーアとキーファー・サザーランド、法廷でぶつかる検察官役にケヴィン・ベーコン、そして何といっても悪玉のトップ、基地の指揮官役にジャッ ク・ニコルソンを配したロブ・ライナー監督作品でした。

---豪華キャストの割には…という評も聞かれますが?

 そうなんですか? 法廷ものは好きなので、基本的にはその線で楽しみました。自分が法廷ものというジャンルを知ったのはポール・ニューマンの「評決」をTVで見た頃だと思う のですが、最近は「Ally McBeal」のヒットなどで広い層にその面白さが知られるようになっていますね。それにしてもトム・クルーズが若い。この数日前にTVでジョン・ウー監 督の「M:I-2」を放映していましたが、全然違いました。もちろんそれが悪いのではなくて、彼はうまく歳を重ねて いるなあと思います。

---「ア・フュー・グッド・メン」の見どころはどの辺でしょう?

 驚くべきことに、トム・クルーズとデミ・ムーアのラヴシーンは一切ないのです。ハリウッド映画の常識からいうと、このキャラ設定でこのキャスティングで あれば当然展開が予想されるところで、キスすらしません。そうではなくて、法廷でひたすら真実を暴き出すチームとして描かれているのです。ハーバードを卒 業したての「優秀な青二才」役で、野球が大好きなトム・クルーズが、お気に入りのバットを持って訴訟の作戦を立てるシーンはなかなか楽しいですね。

 ケヴィン・ベーコンとトム・クルーズのバトルはやや薄味かもしれません。それでもあちこちでケヴィンがいい脇役仕事を重ねていた時代の1本ですし、彼が 出てくるだけで「フットルース」世代としては何となく嬉しいものです。

 多少なりともこの映画にリアリティを与えてくれたのはやはりジャック・ニコルソンの存在でしょう。強大な権力を振り回し、裏ですべての記録を捻じ曲げて しまう悪の権化キャラクターですが、まるで生粋の軍人の如く、今回も強烈な「なりきり」演技を見せ付けてくれます。実生活でもこうなんじゃないかと思うく らい、信じられないほど自然に「イヤな奴」を演じています。トム・クルーズと戦うラストの法廷シーンの存在感は圧倒的ですが、このシーンには決まった台本 はなくて、ほとんどニコルソンのアドリブ演技を撮ったというすごい噂も聞きました。本当かどうかは分かりませんが、そんな凄みのある逸話が残ること自体が 彼らしさなのでしょう。

 実はこの後続けてニコルソン主演の映画を観ることになったのですが、続きはまた次回に。


6 Jun 2004
Sunday

---梅雨入りしました。

 雨降りは嫌いではないのです。どちらかというと心が落ち着く方です。読書や部屋の片付けなど、静かな時間を過ごすことができる点では気に入っているくら いです。ただ、外出するとなると多少億劫なところはありますね。

---そんな雨の日曜日に外出を?

 仕事だったのでやむを得ず、といったところです。池袋のサンシャインシティアルパ噴水広場でちょっとしたイベントを行いました。今は水道水を製造する仕 事に携わっているわけですが、どうも最近水道のお水は人気がないというわけで、実は結構おいしいんですよと広くお知らせするためのイベントです。「安全でおいしい水プロジェクト」というのを 立ち上げて、職場全体で盛り上げようとしています。主なターゲットは主婦層+子供たちで、その心は食品の安全性に敏感な層と、将来のユーザー予備軍といっ たあたりです。それで、昨日のイベントでも「だんご3兄弟」で知られる速水け んたろうさんのミニコンサートなんてのも実施しました。お母さんたちの中に熱心なファンがいるようで、中には追っかけもいましたね。ちょっと驚き ました。

---水道水がおいしいなんて、にわかには信じられませんけれど。

 確かに「おいしい」という表現は微妙だと思います。
 何をもっておいしいとするかはかなり主観に左右されるので、自分たちとしては少なくとも「まずくない」というレベルをめざしています。逆に言えば、水を おいしくなくする要因はかなり把握できています。いわゆる雑味のほかに、カルキ臭やカビ臭といったにおいのようなものです。そして、これらを浄水処理過程 でほとんど完全に取り除くことも可能です。既に金町浄水場など一部に導入されている「高度浄水処理」というオゾン処理+生物活性炭処理の組み合わせです ね。ただし、これには結構お金がかかります。それで、一気に導入するのではなく、各浄水場の設備を少しずつ置換しながら、何年かかけておいしい水道水を実 現するのです。

---蛇口からおいしい水が飲めるんですね。

 そうなってしまうと、僕の愛用しているBRITAは どうなってしまうんだろう、という思いはありますけれど… いずれにしても、日本の水道水はかなり安全でおいしい部類に入ります。世界的に見ても、蛇口か らコップで直接飲める水道なんてほとんどないのです。そもそも水道の敷設すらされず、子供たちが何時間もかけて水汲みに行くのが当たり前の国だってたくさ んあるのです。日本の水道の高度な技術には誇りを持っていい。あとはおいしさにより磨きをかけ、さらには世界中にこの技術を輸出していくのが使命なのだろ うと思っています。

---話は変わりますが、最近、映画なんて観てますか?

 映画館に行く時間がなかなかとれなくなりました。最後に出かけたのはもう何ヶ月も前で、その時の数本についてはあとでご紹介する予定ですが、今週末はビ デオに録画してあったテレビ放映ものを2本観ました。この続きは次回お話しようと思います。


2 Jun 2004
Wednesday

---最近どんな本を読みましたか?

 未読の本が積み上がっているのです。正確には、100円ショップで購入した大きめのプラスティックかごに大量に放り込んであります。この中から、手当た り次第に取り出しては、未読を消化していきたいと思っているところです。

 今日読んだのは文春新書の「人生後半戦のポートフォリオ 時間貧乏からの脱出(水木 楊 著)です。今年の1月に発売された際にすぐ書店で捕まえておいたのですが、読み始めるまでに半年もかかってしまいました。ただ、最近は店頭における新書の 回転が速いの で、見つけたときに買っておく、というスタンスは重要だと思っています。

---どのような内容なのでしょう。

 筆者の指摘は、多くの人は生活を築こうとしながら結果的に失っているということです。人生において「モノ」「お金」「時間」の3つの要素があるとしま す。これらは互いにトレードオフの関係にあります。モノを増やせばお金が減り、お金を稼ぐためには時間を要する、というわけです。ところが多くの人は、モ ノあるいはお金にはたいへん執着するものの、「時間」については比較的無頓着です。自分では使い切れないほどのお金を貯めることにあくせくして一生を終え る人や、部屋に入りきらないほどのモノに囲まれて身動きが取れない人は、そのために本当に自分が自由に使える「時間」を失っていることが多いのです。

 この本では時間に「バランスシート」の概念を導入します。時間は無料ではないのです。むしろ、かなり高い値段のついた財である。一人ひとりその値段は異 なりますが、この本では比較的簡単にそれを算出する方法を説明しながら、各人が自分の「モノ」「お金」「時間」のポートフォリオを意識することを勧めてい ます。筆者の主張は、各人の人生プランを立て、家族形態や人数に応じた必要な出費額を把握した上で、必要十分な収入を確保すること、その上で余計なモノを 減らし、ポートフォリオ上では「時間」を最重視して自分の時間をたっぷりキープすることを勧めています。文章は短くて歯切れ良く、論旨は明快でポジティヴ でブレがないので、非常に読みやすい本です。

 僕は現在34歳になり、70〜80年の人生を意識すればそろそろ折り返し点に向かいつつあります。無論、明日車にはねられて死ぬかもしれませんが、現代 ではむしろ80歳を超えて長生きするリスクの方が大きい。長生きはリスクです。膨大な経費と苦痛を伴う可能性があります。若い時からそこまで見越した人生 設計を、平たく言えば「モノ」「お金」「時間」の配分をしてきたかどうか。その瞬間になってからじたばたしても遅いのです。今ならまだ間に合う可能性があ ります。

 自分自身の生き方についても考えさせられます。本やCDや服や靴を大量に買い込んでも、すべてを同時に読んだり聴いたり着たりすることなんてできないの です。本当に必要なもの、必要な量は冷静に考えれば自ずと答えが出ます。また、職場における出世や昇進なんて長い人生で見ればほとんど何の意味もありませ ん。それよりは、多忙なポストからいかに距離を置いて、自由時間を確保できる働き方をする方がよっぽど重要でしょう。生み出した時間を自分自身を高めるこ とに充てたり、健康を保つために何か身体に良いことをする方が、人生の最終局面においては遥かに有益な財産となるからです。早めに読むことをお勧めしたい 1冊です。


1 Jun 2004
Tuesday

---いよいよ復活、というわけですね。

 そうです。とはいってもかなりブランクが空いてしまったので、勘を取り戻せるようになるまで、しばらくは書いたり休んだりということになると思います。

---何をしていたのですか?

 これといって何かをしていたわけではないのです。
 実際のところ、チャートもほとんど見ていなかったので、つい先ほど全米チャートと全英チャートを眺めて面白がっていたところです。全米チャートでの Usher の強さは尋常ではないですね。2曲でシングル1位リレーを演じたのを始め、もう1曲もトップ10入りしています。30代以上の方なら、20年以上前に 「ザ・ベストテン」で寺尾 聰が作った記録を思い出すのではないでしょうか。アルバム "CONFESSIONS" は上半期ではダントツのセールスを上げているようです。また、Dido の "White Flag" が38週目でまだトップ40内に残っていますが、彼女のアルバム "LIFE FOR RENT" を先日未開封640円で拾うことができました。これは非常に良い女性ヴォーカル作品だと思います。一方、UKチャートも面白いことになっていて、シングル 1位は Frankee という女性の "F.U.R.B." という曲なのですが、これは最近1位だった Eamon という歌手の "Fxxk It (I Don't Want You Back)" という曲の替え歌… というかアンサーソングになっていて、女性の側から男性を切り捨てるダーティワード満載の痛快な歌詞が話題になっているようです。タイトルはもちろん Fuck you right back の略ですね。

---なるほど。そろそろCDショッピングも復活というわけですね。

 できればそうしたくはなかったのですが、勢いがつくとつい、Inxs / Bryan McKnight / Dodgy / Michael McDonald / TLC / Dan Hill など、ベスト盤を一気に買い込んでいる自分を発見することになります。Inxs は2002年リリースの "DEFINITIVE" という盤で、ボーナスディスクにライヴ録音や最新ミックス、さらにはビデオクリップ映像まで収録されていました。彼らのベスト盤自体はこれで3枚目くらい になるので、400円だったとはいえあまり誉められた買い物ではありません。Michael McDonald のベストも2枚目ですが、これはRhinoから近年出た非常に良い音質の リマスター盤なので、600円程度であれば十分購入する価値があります。今調べていて気づいたのですが、これはヨーロッパ盤ですね。Doobie Brothers 時代の曲なども含む広範な選曲になっていますが、同じジャケットでアメリカ盤が存在しており、こちらの方が彼のソロ時代中心のセレクションになっているようです。急いで3枚目 を買いに行かなきゃ。

---(笑)。他に最近凝っていることは何でしょう?

 そうですね… 投資でしょうか。松井証券マネックス証券イートレード証券DLJ-Direct 証券に 口座を開き、小額ながら株式投資を始めました。どうしてこれほどたくさん口座を開かねばならないかというと、それぞれ長所短所があるからなのです。例えば 松井証券は今年の12月末まで、1日10万円までの取引に対する手数料が無料になっています。10万円以下で売買できる株もたくさんありますから、それは 松井でやればいいのです。追随して DLJ-Direct が1日20万円までの取引手数料を無料にし始めました。これは8月末までの時限サービスで、その後の料金体系がどうなるかはまだアナウンスされていませ ん。また、20万円を超える取引についてはイートレード証券が片道735円と比較的良心的な手数料を提示しています。マネックスは主として銘柄スクリーニ ング機能をただで使うために作ったのですが、これからミニ株でいわゆる値嵩株をいくつか押さえておきたいとも考えています。

---それで、儲かってるんですか?

 これからゆっくりご説明していこうとは思いますが、基本的に株式は短期で収益を上げるべき投資手段だとは考えていません。短期的に見れば損をする局面も 多くあります。しかし、中長期的に見れば経済成長に見合ったゲインが得られ、インフレにも強い資産になりうると考えています。日本経済のファンダメンタル ズが強固なのかどうかについては議論がありうるところですが、各種指標が上向きのトレンドを示していることには間違いなく、そうすると美人投票であるとこ ろの株式市場は勝手に過熱しますから、少なくともしばらくの間はあれやこれや楽しめると思います。質問にお答えすると、これまで5銘柄を購入し、そのうち 3銘柄を売却しました。最初の2つではちょこっとだけビギナーズラックの売却益を得ましたが、3つめの銘柄はまったく盛り上がらず、昨日損切りしたばかり です。スターバックスコーヒージャパンの株でしたが、一株だけなので、損といってもまあさっきの Inxs と Michael McDonald のベスト盤を足したぐらいの額ですけれど。

---何が貴方を株に引き寄せるのでしょう?

 株に引き寄せられているつもりではないのですが、敢えて言うならば「経済に参加している」という強烈な実感を得られるところでしょうか。非常に安い投資 でいいのです。ミニ株でソニーを10株買ってみるだけでいい。そうすると、俄然世の中の見方が変わってきます。たとえたったの10株であろうとも、貴方は その瞬間から、ソニーという会社の所有者です。年度末には配当を得る権利もあります。そうすると、街中のソニー製品について、機能と価格のバランスだと か、ライバル社製品との比較だとか、円とドルのレートだとか、いろいろなことが気になり始めることでしょう。実際、経済はそういう要因によって動かされて いるのです。貴方の見込みどおりにソニーが良い業績を挙げ、株価が上昇して配当が増配された時の喜びといったらないことでしょう。貴方が市場に投じたお金 は巡りめぐって日本の経済を活性化させ、その見返りに貴方に利益ももたらすのです。これをじっと戸棚の中に眠らせていたのでは経済は冷え込むばかり。そう するのではなく、貴方が、僕が積極的にマーケットを動かしていく。まだ多くの人が目をつけていない有望企業にほんの少しだけ資金を投じる面白さは、ブレイ ク前のアーティストのアルバムに入れ込むあの気持ちとかなり近いように思います。この辺のお話はまた後日、もう少し噛み砕いてお話してみる予定です。

バックナンバー

MUSIC / BBS / HOME / E-mail to winter