●シンセとのパッチング例

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●シンセとのパッチング例

 原本マニュアルには

の3つが掲載されていますが、”ウィンドシンセ”という楽器が確立しつつある現代にはいかんせんそぐわない内容となっているため、時代に見合った内容のパッチ例に差し替えさせていただきます。


●セッティング方法

  1. 楽器本体のコネクターをBodyセクションにあるソケットに差し込みます。コネクターの凹凸が合う一方向のみプラグを差し込むようにして下さい。コネクターに付いているネジ山がキャビネットの凹ソケットに合うまでゆっくりと右回りに締めて下さい。その際ケーブルやコネクタも一緒に回さないように注意して下さい。
  2. 電源ケーブルをキャビネット右側のソケットに差し込んで下さい。凹凸がある一方向にのみ差し込めるようになっています。そして、110〜120VAC,60Hz(海外モデルは220VCA,50〜400Hz)の正しくアースされたコンセントに繋いで下さい。
  3. Outputsセクションから必要なCV出力をシールドケーブルを使ってシンセサイザーに接続します。また、シンセサイザーのオーディオ・アウトプットをアンプに繋ぎます。
  4. Outputセクションの必要なCVのスイッチをon(右に押す)にします。
  5. Accessoryセクションの「オクターブレンジ切替えスイッチ」を好みの位置にセットします(演奏中に切り替え可)。
  6. Wind Synthesizer-Driverとシンセサイザー、アンプの電源を入れ、5〜15分ほどウォームアップさせます。


●ベーシックパッチ

■ベーシックパッチ図
矢印のスイッチをonにする(LEDが点灯したのを確認しましょう)

 基本的なパッチングです。リップベンドできてVCFとVCAを息で駆動できる・・・ただそれだけですが、これだけでもLyriconの醍醐味を味わうことができます。

 このパッチで調整しなければならないのは、

の3つです。

 問題はwind 2から2本のパッチコードが分岐されているところでしょうか。原本マニュアルには「オーディオストアなどで売られているY字ケーブルを購入し・・・」などと書いてありますが、今日び「モノラル→モノラル2本」のY字ケーブルなんぞ楽器屋ですらお目にかかれたためしがありません。よって、現在では取り寄せ(あるなら)するか、ケーブルを自作するか、シールドケーブル分配アダプタ(雄×1、雌×2で分けられる800円位のアダプタ。これは楽器屋さんでもよく見かけます)を使って分岐するか、モジュラーシンセのMULTIPLE(Anarogue Systems製ならRS-170、DOEPFER製ならA-180。共に単なる分岐モジュールなので電源はいりません)を流用するかのどれかになるでしょう。
 MULTIPLEはそんなに高価なものではありませんし、CVを分岐することの多いであろう(モジュラーシンセの場合沢山分岐が必要です)Lyricon Driverならひとつ持っていても損はありません。


●よしめめ推奨パッチ

■よしめめ推奨パッチ図
矢印のスイッチをonにする(LEDが点灯したのを確認しましょう)

 よしめめがお勧めするパッチです。VCFをwind 1で、VCAをwind 2で制御するのがミソです。

 偶然発見したのですがこのセッティング、かなり気持ちのいい演奏ができます。EWI音源のエディットをする際もBREATH→VCFとBREATH→VCAの数値が全く同じということはあまりないですよね? それと同様の考え方です。ベーシックパッチとは違いスコーンとヌケる感じがグッドです。
 VCFにwind 2を使ったのはスライダーでカットオフレベルを調整できるからです。ようするに音源だけではなくDriverも音色エディットの一部に含めてしまおうという発想です。また、wind CVのパッチングを逆に(wind 1→VCF、wind 2→VCA)にしても面白いですよ。

 シンセサイザーによってはベーシックパッチの方が具合が良い場合もあるとは思います(特にwind1はパコーンとイッちゃうので)ので、「なんか鳴りが弱いんだよなー」という場合はぜひ試してみてください。

 このセッティング、特にモジュラーには最適で、CVの感度調整できるツマミがあれば音色作成の幅がグンと広がります。

このパッチで調整しなければならないのはベーシックパッチ同様、

の3つです。


●EGドライブパッチ

■EGドライブパッチ図
矢印のスイッチをonにする(LEDが点灯したのを確認しましょう)

 アコースティック・エンベロープ(息を使ってエンベロープを付ける)ではなく、ADSRなどのEGを使ってシンセを制御するパッチングです。wind gate 2以外はとりあえず「よしめめ推奨パッチ」になっていますがお好みで。

 普通一般のシンセサイザーを外部からEG駆動させるためにはゲーティング・パルス(GATEパルス)を送信し、その信号をGATE inputに入力します。「今音の頭ですよ〜、GATEを開いて下さ〜い」とシンセに教えてあげるわけですね。
 Lyricon Driverにはこのゲーティング・パルスを息によって送るため「wind gate」という名称になってます。wind gate 1とwind gate 2があります(違いは
ここのWind ControlセクションとここのOutputsの各wind gate項目を見て下さい)が通常はwind gate 2を使用するようです。ゲーティング・パルスを出しっぱなしにするというのはあまり考えられないので、wind 1はよほど特殊なシンセか、よほど特殊な用途に使用するみたいですね。

このパッチで調整しなければならないのは、

の5つです。
 ゲーティング・シグナルはお使いのシンセサイザーの規格に合うように調整します。
※wind gate 2は、moog、ARP、OBERHEIM、Eμなどのシンセサイザーに合うゲーティング・シグナルやトリガーパルスを出力することができ、それはこのwind gateスイッチで切替えできます。具体的にはスイッチがSの場合moogタイプが、LだとARP、OBERHEIM、Eμの各タイプのシグナルとなります。
 スイッチを切り替えた後ゲーティング・パルスの長さをwind gate 2スライダーで調整して下さい。

 EGが複数ある場合はゲーティング・シグナルを前述したMULTIPLEなどを使って分岐させます。EGがあればVCAのSUSTAINを使って音の頭を強調させたりピッチEGに使ったりVCFに使用して複雑なエンベロープを組んだり・・・シンセサイザーの楽しみが増えますね。


●チューニング方法

  1. シンセサイザーのオッシレータのひとつから音が得られるまでWind Controlセクションのthresholdツマミを右に回します。
  2. 音が出ている状態でPitch Controlセクションの「tuningスライダー」を調整しながらチューナーなどでピッチを合わせます。
  3. 音が出ている状態でAccessoryセクションの「オクターブレンジ切替えスイッチ」を左右に切替えながら、「scaleスライダー」で正確なオクターブになるよう調律します。
  4. bend downを使用する場合はLyriconコントローラをきちんと銜えた状態で、もう一度「tuningスライダー」を使いピッチを合わせます。
  5. 正確なピッチになったらthresholdツマミを音が消えるところまで左にまわします。
  6. それぞれ必要な調整(wind 2やAトリム、wind gate 2やwind gateスイッチ、bend upスライダーやRトリムなど)を行います。
  7. 表現力豊かなLyriconを堪能して下さい。


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