●音量関係のパラメータ(BALANCE、OUTPUT LEVEL、BREATH VCA)
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8.音量関係のパラメータ(BALANCE、OUTPUT LEVEL、BREATH VCA)

 VCA関係について解説したいと思います。章のタイトルに「VCA」の文字がありませんが、これは各EWI音源のVCAパラメータ類が決まった所にない(3020mはまとまってありますね)ためです。
 よって、少々変則的ではありますが、各々のパラメータを解説した後、各EWI音源の解説をしていきます。

 

8−1.BALANCE
 EWI音源は全て複数のVCOを持っています。その音量バランスを取るためのパラメータです(EWV2000にはないパラメータです)。
 2つのVCOの音量バランスを相対的に変えることができます。つまり、2つの数値を足すと100になります。
 例えば、
 

  1. 各VCOで鳴っている音両方を同じ音量で鳴らす場合
     A 50 = 50 B
     
  2. VCO-Aのみ使用する場合
     A 100 = 0 B
     
  3. VCO-AがメインでVCO-Bを薄く鳴らす場合
     A 75 = 25 B

のようにバランス取りをします。
 現在この講座で作っている音色はVCO-A(3000mはVCO-1A)しか使用していないため、「2.」の「A 100 = 0 B」の状態になってます。

 

8−2.OUTPUT LEVEL
 各SOURCEの最大音量を決めます。つまり一番強く吹いた時に出る最大音量のことです。
 こちらはBALANCEと違い、絶対値で決めます。
 つまりSOURCE-1、SOURCE-2が同じ音量の場合は

OUT-1:99
OUT-2:99

でもいいし、

OUT-1:50
OUT-2:50

でもいいわけです。
 勿論片方のSOURCEだけ音を出したい場合は片方を0にします(例題として作っている音色はそうなってます)。

 これは例えば、他の音色と比較した時に音の太さなどが違うため、いちいち音源本体のOUTPUTツマミやミキサーのフェーダー、フットボリュームなどを使って最大音量を変えずに済ましたい時や、外部シンセとEWI音源を一緒に鳴らす際のバランス取りなどで重宝します。

 音を単純に太くする目的でSOURCE-1、-2共に同じ音色を作ったときは

OUT-1:99
OUT-2:99

で問題ないのですが、SOURCE-1、-2で違う音色を混ぜて音づくりするならばここで調整します。

※3020mユーザの方へ
 「SOURCE」という概念がない3020mの場合、普通、数値は最大値の「99」に設定しておきます。
 なぜ複数のSOURCEがない3020mにこんなものが付いているのかと言うと、3020mにはINST IN-OUTというEWIケーブルを使ったEWI音源制御用の専用規格があります。これはMIDIなどの音源制御ではなく、コントローラの信号を直接分岐させるような方式で、「3020mと3020m」、「3020mと3030m」、「3020mと3000m」、「3030mと3000m」、またはバブリーに「3020mと3020mと3030mと3000m」・・・などの組み合わせで複数のEWI音源を1本のコントローラで直接制御させることができます。
 こうした時には、それぞれの音源をひとつの「SOURCE」と考えて音づくりしやすいようにあるのだと思って下さい。

 

8−3.BREATH VCA
 VCFの所で「BREATH VCF」ってありましたよね? あれは「息でVCFのカットオフを制御する」ためのパラメータでした。ということは、今回もパラメータ名から想像できる通り「息(BREATH)で音量を変える(VCA)」ことができるモノと考えれば正解です。

 ウィンドシンセを使おうというからには「息での音量制御」をしたいわけで、普通は最大値に設定(例題の音色ではなっていますよね?)します。数値が下がっていくにつれ、息での音量変化が乏しくなりますので我々は迷わず最大値を設定してやりましょう(例外もありますが、まずは基本ですから)。

 

8−4.各EWI音源の説明

 各EWI音源で音量関連パラメータを設定するやり方です。今作っている音色は1つのVCOしか音が出ていませんが、今後2VCOの音づくりをする時には必要となることも書いてあります。一応覚えておくと良いでしょう。

■EWV2000の場合
 EWV2000には「OUTPUT LEVEL」でSOURCE-1と-2の音量を制御します。各SOURCE内にはVCOは1つしかないので「BALANCE」はありません。
 「BREATH VCA」は各SOURCEの「BREATHパラメータグループ」の中にあります。

■3000mの場合
 3000mには各SOURCE内に2つ、合計4つのVCOがありますので、以下のようなやり方が作りやすいと思います。

  1. SOURCE-1のOUTPUTを99、SOURCE-2のOUTPUTを0にする。
     
  2. SOURCE-1のVCO-A、VCO-Bの音量バランスを「BALANCE」パラメータで決める。
     
  3. SOURCE-1のOUTPUTを0、SOURCE-2のOUTPUTを99にする。
     
  4. SOURCE-2のVCO-A、VCO-Bの音量バランスを「BALANCE」パラメータで決める。
     
  5. SOURCE-1とSOURCE-2のOUTPUTを両方99にして、どちらか片方を下げていき、SOURCE間のバランスを決める(つまり片方は必ず「99」)。

 「BALANCE」パラメータは「VCOパラメータグループ」の中に、「OUTPUT LEVEL」パラメータは「VCAパラメータグループ」の中にあります。注意しなければならないのは、VCO-A、VCO-B共に「BALANCE」パラメータが見えますが、同じものが見えているだけなので混乱しないように!

 「BREATH VCA」は各SOURCEの「BREATHパラメータグループ」の中にあります。

■3020mの場合
 OUTPUTは99にする。後はVCO-A、-Bのバランスを「BALANCE」パラメータで整えます。
 「BALANCE」、「OUTPUT LEVEL」共に「VCAパラメータグループ」の中にあります。
 「BREATH VCA」は「MODパラメータグループ」の中から「BREATH→VCA:99」のように呼び出します。


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