●オキテ破り!?「ウインドシンセ音源をキーボード用に使う!」
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■はじめに

 ある日、「バードさん」とおっしゃる方から、僕宛に↓こういったメールをいただきました。

> 私は現在バンドでピアノを弾いています。
> オリジナル曲の作成にも取り組んでおり、その中に管楽器のサウンドも盛り込んでいきたいと考えております。
> 実は私、管楽器をまったく演奏することが出来ません。しかし、その美しく華麗なサウンドに魅了され、
> フュージョンの世界を求め続けてきたといっても過言ではありません。
> その中でも、EWIサウンドは、伊東たけしさんが使用して以来、ずっと注目してまいりました。
> そこで今後シンセの表現力と可能性を追求するべく、キーボードを使ってEWI3020mをコントロールしたいと
> 考えています。(以下略)

 僕は、このバードさんからのメールを拝見して、とっても嬉しくなりました。
 なぜなら、僕自身がリリコン全盛時代からシンセサイザーのブレスコントロールに興味を持ち、EWIやWX用音源が登場してからは、キーボードによるウインドシンセ用音源のコントロールに関しても幾度となく試行錯誤した経験があり、その時に抱いた全く同様な要望や悩みを持った方の存在を知ったからです。

 そして、バードさんとのメールによるやり取りを重ねていくうち、だんだんとあるひとつの思いが膨らんできました。それは、

「バードさんや僕以外にも、同様の悩みをお持ちの方々がいるのではないか? もし、いらっしゃるのなら、そういった方々にとって、僕自身の経験がほんの少しでもお役に立てれば、どんなに素晴らしいだろう!」

というものです。

 そこで、MIDIキーボードでウインドシンセ用音源をコントロールする為の考え方をまとめ、それをココ「JWSA」で掲載できるよう、よしめめ会長にお願いしたところ快く賛同して下さり、本コンテンツの実現となりました(よしめめ会長の寛大なご処置に、心より感謝いたします!)。

 また、バードさんとのメールのやり取りの公開については、バードさんご本人による了解をいただき、さらには下記のような暖かいお言葉を賜りました。

> ぎあさんよりご提案の内容全般にわたり、心よりの賛同を申し上げます。
> 是非とも頑張って下さい!応援しています。
> 「JWSA」における本コンテンツが誕生することで、キーボードによるEWI音源のコントロールについての
> 様々な疑問に対し、解決の手を差し伸べることが出来ることでしょう。我々のようなキーボーディストに
> とりましても、大変有意義なコンテンツになることは疑いないと思っています。

バードさんの後押しがなくては、本コンテンツへの取り組みもなかったものと思います。
バードさんのご協力に感謝すると共に、改めて御礼申し上げます。ありがとうございました。

 

 

■ここではキーボードでウインドシンセ用音源を鳴らすことを考えます

 こちらをご覧の方々で、「ウインドシンセサイザーは演奏しないがウインドシンセの音色は大好きで、出来ることならその豊かな表現力と可能性を“MIDIキーボード+ウインドシンセ用音源”で追求してみたい!」と、お考えの方はいらっしゃいませんか?

 ウインドシンセ用として使われるシンセ音源モジュールには、キーボード用として用いられる音源と同様にMIDI入力端子を装備しています。
 ウインドシンセ用音源は管楽器型コントローラー専用の端子が装備されていますから、ほとんどのウインドシンセ奏者の方々は、このMIDI入力端子を音色データの受信ぐらいにしか使っていないかもしれません。
 しかし、本来は管楽器型コントローラー以外の外部MIDI機器によるコントロールを目的にしたものであり、ウインドシンセの音色に魅了されたキーボード奏者の方であれば、 「ウインドシンセ用音源にMIDIキーボードを接続してメロディを奏でてみたい」と思うのはごく自然なことかもしれません。
 それに、ウインドシンセ用音源は一般的なPCM音源とは違う個性的な音源ばかりで、今では珍しいアナログ音源や、そのコンセプト自体がユニークなVA音源であることから、これらの音源をまだお持ちでないウインドシンセ奏者以外のシンセサイザー奏者の方も、大変興味をお持ちではないかと思います。
 ここでは、ウインドシンセ用として使われる音源モジュールを、MIDIキーボードでコントロールする場合に知っておいた方が良いと思うウインドシンセのコントロール方法に関する分析と、キーボードや音源の設定方法をまとめておきます。

 尚、前もって下記ふたつの点について、ご承知おきください。
 

 

 

■使用音源と受信できる情報について

 まずは、現在ウインドシンセ用音源として、最も普及しており入手もしやすいと考えられる、下記2種の音源を簡単に紹介しておきます。
 また、両者が受信できる情報=コントロールチェンジナンバー(
CC#)についても、ここでまとめておきます。

 

【EWI3020m】
 
ご存知アカイ・プロフェッショナル・エムアイ製EWI用音源の現行機種。
 歴代T-SQUAREのサックス奏者の方々もこの音源を使っており、今では珍しいアナログ方式の音源で、その特性から、とても温かみのある音を出すことができます。
 その仕様がモノフォニック(和音が出ず単音のみでしか演奏できない)でエフェクター無し・・・という大変潔い内容ながら、音の太さと圧倒的な存在感はプロのサックス奏者が選ぶウインドシンセ用音源の定番機種となっていることが証明しています。 詳細は
こちらをご覧下さい。

(MIDI-INで受信できる情報)

<注>取扱説明書にはこう書いてありますが、ブレスコントロールを受信しながらモジュレーションデプスを同時に受信することは可能です。
  (詳細は後述「
Q&A」に示します)

 

【VL70m】
 
世界のヤマハ製WX用推奨音源。
 内部に「仮想楽器」を存在させてしまう驚異の音源システム=VA(バーチャルアコースティック)音源を持ち、生楽器シミュレーションの為に用意されたパラメータ群は豊富です。
 こちらもモノフォニック音源ですがエフェクターを内蔵しており、この1台で音作りを完結させられます。
 小さくて軽いのも非常に良い点です。 詳細は
こちらをご覧下さい。

(MIDI-INで受信できる情報)

VL70mはパラメータの種類分のコントロールチェンジを受信でき、それらの組み合わせで複雑な音色変化を生み出します。

尚、ベロシティはどちらの音源でも受信でき、受信MIDIチャンネル(CH1〜16)の選択が可能です。

 

 

■ウインドシンセ用音源はリアルタイムコントロールしてこそ価値がある!

 ウインドシンセ用音源の購入を検討されているキーボード奏者の方に、まず知って頂きたいことがあります。
 それは「ウインドシンセ用音源を使えば、必ずウインドシンセらしい音色を出せるワケではない」・・・と言う事です。
 実際、ウインドシンセ用音源にキーボードをMIDI接続して、ただ鍵盤を押しても、おそらく音源からは「ブー」とか「ポー」といった、非常に単純でつまらない音が出るだけです。(既にご経験のある方はお分かりだと思います)
しかし、多くのプロのウインドシンセ奏者によって奏でられる音色は非常に魅力的で、電子楽器でありながら“生々しさ”や“ゆらぎ”といった、生楽器特有の個性を持ち合わせています。
 一体、ウインドシンセの魅力である“生々しさ”や“ゆらぎ”を持った音色は、どうすれば得られるのでしょうか?考えてみましょう。

 

【ウインドシンセらしい音色が持つ大切な要素とは?】
 
「ウインドシンセらしい音色は?」と聞かれて、皆さんはどんな音を思い浮かべますか?
 伊東たけしさんの「まろやかで伸びのあるリリコンの音?」、本田雅人さんの「キレがありエッジの効いたEWIの音?」、それともトム・スコット氏の「ブレスノイズを生かしたシンセサックス風の音?」・・・きっと、返ってくる答えは千差万別だと思います。
 しかし、音のキャラクターこそ違っても、これらウインドシンセによって奏でられた音色には、必ず共通する条件があります。
 それは、当たり前ですが、どれも「息を吹くという行為によって鳴らされたシンセサイザーの音」であると言う事です。

 この「息を吹くという行為によって鳴らされたシンセサイザーの音」を、より具体的に分析すると、音の立ち上がりや消え方において、息を吹きこむ事で得られる管楽器的な輪郭を持っており、その輪郭は“吹くこと”で作られている以上、常に一定では無いと考えられます。
 更に、それをシンセサイザーの内部動作で表すのなら、一般のシンセサイザーで用いられるエンベロープ・ジェネレータ(以下「EG」と略す)には頼らず、奏者自身による息の増減によって、複数のパラメータをリアルタイム変化させ続けて鳴らされている・・・と、言う事が出来ます。

 つまり、どんな音源を使っても、そこから出る音をウインドシンセらしく聴かせる為は、使うシンセサイザーの機種や内蔵波形の質などより、奏法上のテクニック(管楽器的呼吸法)=リアルタイムコントロールが重要であり、これが「ウインドシンセらしい音色」を奏でる上で、最も大切な要素と考えられます。

 

【ウインドシンセらしい音色への第一歩】
 
ウインドシンセによってコントロールされるパラメータ値の変化が、息の増減や唇の動きによるものである以上、当然、動作するパラメータの動きを常に一定に保つ事が難しくなりますが、それによって得られた“適度な不安定要素”が正確な音量・音程を出すはずのシンセサイザーの音に、自然な“ゆらぎ”を与えることにつながっており、その結果として「ウインドシンセらしい音色」を得られるのです。
 当然、キーボードで「ウインドシンセらしい音色」を鳴らすことを目指すのであれば、音色プログラミングによって事前に用意されたパラメータ動作へのキッカケを鍵盤で与えるだけではなく、ウインドシンセ同様に音が出てから複雑に変化し消えるまでの操作を奏者自身によって行い、“適度な不安定要素”をシンセサイザーに与える行為が必要であると考えられます。

 では、主に鍵盤で演奏する状況下で、ウインドシンセと同様な “適度な不安定要素“を音源に与えるには、どんな事をすれば良いのでしょうか?
 その為には、やはり“複数のパラメータをリアルタイムに変化させ続ける”行為が必要と考えられますが、鍵盤のON-OFF操作+音色プログラミングだけでは、得られる結果はおそらく不充分なものになるでしょう。

 しかし、キーボードでできる演奏行為は、鍵盤のON-OFFだけではないはずです!
 主に鍵盤で演奏する状況下でも、下記に示す鍵盤以外のコントローラーを積極的に使えば、シンセサイザーに”適度な不安定要素“を与えることができると考えられ、これはキーボードで「ウインドシンセらしい音色」を目指す為の第一歩と言えると思います。
 多くのキーボード奏者の方々が、ソロ音色を生き生きとした音で聴かせる様、ブレスコントローラーやフットコントローラー(発音後のEGの動きを任意に変化させる)、それにピッチベンドホイールやモジュレーションホイール(音程やその周期を任意に変化させる)などの、鍵盤以外のコントローラーを使って演奏しようとするのは、表現性を高めるため生楽器のもつ“適度な不安定要素”を付加する行為と言えるのではないでしょうか?

 尚、ここで言うキーボードにおける鍵盤以外のコントローラーとは、パラメータの値を奏者自身が任意に変化させられるツールを指し、主に下記に挙げるものとします。

 

【キーボードにおける鍵盤以外のコントローラー】
 
●キーボードに装備されたコントローラー

 まずは、ピッチベンドホイールやモジュレ−ションホイール。
 これは一部の電子ピアノや電子オルガンを除いて、最近のキーボードにはほとんど装備されていて、多くのキーボード奏者の方にも馴染みのあるものだと思います。その形は円盤状のホイールの他、レバーやジョイスティック状のものもありますね。
 そして、複数のノブツマミやスライダー。
 これは、アナログシンセはもちろん最近のデジタルシンセにも装備されており、中には外部音源への送信情報(コントロールチェンジ)を割り当てられるものもあり、音づくり以外にも様々な音源コントロールへの利用が考えられます。
 その他には、リボンコントローラー(指先による接触の有無や動作を検出するもの)やビームコントローラー(手をかざしてその距離を検出するもの)など、ちょっと変わったコントローラーを装備したキーボードもあります。
 また、アフタータッチもキーボードに装備されたコントローラーと言えます。

●キーボードに接続する外部コントローラー
 
多くのキーボードには、外部からシンセサイザー内部の操作を可能にする機器を接続する端子が用意されており、主にブレスコントローラー(詳細は後述します)やフットコントローラー、サスティンペダルと呼ばれる機器を接続して使用できます。(ヤマハ製品であればこちら
 また、キーボードへのMIDI入力端子を利用することを考えれば、X-Yパッド(指先の前後左右の動作を検出するもの)など様々な機器の使用を想定できます。

 

 

■ブレスコントローラーを使ってみよう!

 「自分は管楽器の経験が無い。だからサックスと同じ様な指使いを必要とするウインドシンセはとても無理だ」と言う理由でウインドシンセを諦めているキーボード奏者の方にぜひお試しいただきたいのが、ブレスコントローラーと呼ばれるツールです。
 ブレスコントローラーとは、その名の通りブレス(息)を使ってシンセサイザーの音量や音色などをコントロールする為のもので、EWIやWXなどの管楽器型ウインドコントローラーのマウスピース部分(息の吹き込み口)を独立させたようなものです。
 これを使えば、管楽器経験がなくサックスやクラリネットなどの指使いに不慣れな方でも、音程の操作は鍵盤で行い、音量・音色などの変化を管楽器同様にブレス(息)によってコントロールすることが可能になります。
 ウインドシンセ用音源を生産しているメーカーからは、それぞれの音源に対応するブレスコントローラーを発売していました。

 

【X335i】
 
アカイ・プロフェッショナル・エムアイ製EWI音源用ブレスコントローラー。
 同社のEWI3000mとほぼ同時期に発売され、同機種の専用コントローラー=EWI3000専用ケーブル接続端子に接続して使用します(
EWI3020mでも使用可)。
 僕が以前試奏した時の感想ですが、やはり専用端子経由で音を鳴らすだけあって、その音色変化は非常に滑らかで、EWI同様にリップセンサーの噛み具合でビブラートなどをコントロールできるのも大変素晴らしい部分です。
 しかし、残念ながら現在は生産を終了しています(アカイさんに問い合わせてみましたが、在庫もないそうです。2001年10月30日確認)。

 

【BC3】
 
ヤマハ製ブレスコントローラー。現行機種で入手も可。
 ブレスコントローラー接続端子を持ったシンセサイザー(多くのヤマハ製キーボード)に接続して使用でき、
VL70mやVL1mなど一部の音源モジュールには直接接続が可能です。 詳細はこちらをご覧下さい。
 ヤマハさんのシンセのブレスコントロールに関するこだわりは強く、古くはかの有名なDX7をはじめとするDXシリーズや、
KX88(マスターキーボード)やKX5(ギターのように肩から下げて使用するショルダーキーボード)などのMIDIキーボードから、最近のMOTIFシリーズにも同端子が装備されています。
 この
BC3には息圧感度を調整できるツマミ状の半固定抵抗がふたつ装備されていて、息圧に対する感度への細やかな調節が可能です。
 それぞれの名称と機能は下記の通り。

●ゲインコントロール・・・・・ 息圧に対する感度を調整するのに用います。
●オフセットコントロール・・・ ウインドセンサーが反応し始める息圧を調節します。

 また「ドレインコントロールキャップ」と呼ばれる排気弁は特筆ものです。
 この「ドレインコントロールキャップ」とは、吹き込んだ息の抜け量を奏者が任意に調節するもので、ほぼ全量の息量を抜くことから、完全に息の抜けを抑える(排水孔をふさぐ)ことまで可能です。
 物理的な息量調節はいわゆる“吹奏感”を決定づける要素であり、これは音色そのものや奏でるフレーズの表情にも大きく影響するはずです。
 息圧に関係する微妙な息の抜け量を調節できることは、とても大切なことであり、「ドレインコントロールキャップ」の存在はBC3のコントローラーとしての扱い易さを示す点とも言えます。
 (この機能はEWIやWXにはありません。ぜひ追加していただきたいものです。)

 尚、ブレスコントローラーよってコントロールされた情報はキーボードや音源のMIDI出力端子を通じて、他のMIDI機器へ送信できますから、ブレスコントローラー接続端子を持たない他メーカーのシンセサイザーのブレスコントロールも可能です。
 例えば、EWI音源(EWI3000m/3020m)をキーボード+ブレスコントローラー「BC3」でコントロールしたい場合、キーボード側にブレスコントローラー接続端子があるものを使えば、MIDIを介してEWI音源のブレスコントロールが可能になります。
 また、キーボードにブレスコントローラー接続端子がないヤマハ以外のキーボードを用いる場合、音を出したい音源とキーボードの間にVL70mを接続できれば、ブレスコントローラー「BC3」をVL70mに接続することで同様のコントロールが可能です。

 

【ブレスコンローラーの名手】
 
本来がキーボード奏者でブレスコントローラー用いるアーティストと言えば、S.E.N.Sを思い浮かべます。
 特にメンバーである深浦昭彦さんは、初代VA音源シンセ「VL1」におけるブレスコントロールへの関心は厚く、実際にライブやレコーディングでもブレスコントローラー「
BC3」を使っており、その演奏は「S.E.N.S. Concert Tour 2000 "透明な音楽"」(VIDEO&DVD)でたっぷり見ることができます。
 特にフルートやオーボエなどの音色によるメロディは絶品(!)で、あの“ゆらぎ“はVA音源+ブレスコントローラーならではものでしょう。VA音源が単音でも充分に勝負できる事を証明しています。

他には松居慶子さんがKX5+ブレスコントローラーを使うことで知られていますが、その演奏映像については現在未確認です。
また、EWI3000m/3020m+X335iによる演奏例も耳にしませんので、もし情報をお持ちの方がいらしたら、ぜひ教えてください!

 

 

■ウインドシンセを演奏するって、どんなこと?

 ここで、「キーボードでウインドシンセらしい音色を鳴らすのに、鍵盤以外のコントローラーを使う必要性はなんとなくわかった。でも、ウインドシンセの演奏って、実際にはどんなことをしているの?」と、お思いになった方がいらっしゃると思います。
 この疑問に対する答えとして、
EWI3020WX5といった管楽器型コントローラーの各部に装備されたキースイッチやセンサーを紹介し、それらの主な役割を簡単に説明しておきます。
 尚、コントローラー又は音源から送出する情報=MIDIのコントロールチェンジナンバーを「CC#」と示します。

 

【ウインドシンセで操作されるセンサー類】

●ウインドセンサー
 息を吹き込む部分(マウスピース)にあり、息の増減を検出しこれを音源側に伝える非常に重要な部分で、主に音量と音色の変化を得るため、
CC#2(ブレスコントロール)やCC#7(ボリューム)を送出します。
 WX7では
CC#2にアフタータッチデータを付加でき、WX5ではCC#11(エクスプレッション)を送出することもあります。

●リップセンサー
 
マウスピースに内蔵される形で存在し、唇や歯の噛む圧力でビブラートなどの効果を得ます。
 主にピッチベンドデータや
CC#1(モジュレーションデプス)を送出しています。

●ノートキー
 
音程(ドレミ)を変えるため親指を除いた両手の指で操作する部分で、キーボードの鍵盤にあたります。
 WX5では一部のノートキーに
CC#80CC#81を送出する機能を付加できます。

●オクターブキー(オクターブローラー)
 
オクターブ移動をするため左手親指で操作する部分です。
 ウインドシンセは広い音域(約7オクターブ)での演奏を可能にする為、オクターブの移動を頻繁に行います。
 (約7オクターブと言えばピアノのフルスケール=88鍵に匹敵します)
 管楽器型コントローラーはコレを使わないと、せいぜい1オクターブ半くらいの音域しかコントロールできないのです。
 その構造の違いからWXではオクターブキー、EWIではオクターブローラーと呼びます。

●ピッチベンドホイール(ベンドアップ/ダウンプレート)
 
ノートキー以外の音程変化を得るため右手親指で操作します。その効果と動作はキーボードのそれと同様と考えても良いでしょう。
 WXではキーボードのホイールを小型化したものと言えますが、EWIはタッチセンサー式なので右手親指の接触面積によって音程変化をコントロールします。

●グライドプレート
 
EWI独自のもので、EWI3000/3020ではオクターブローラーに並ぶ形で装備されていて左手親指で操作します。
 いわゆるポルタメントの効果を得るために用います。
 元スクェアの本田雅人さんが得意とする「ピュ〜ン!」と一気に何オクターブも下げるワザは、このプレートに触れた指をオクターブローラー上で移動させた結果です。
 専用音源からは
CC#5(ポルタメントタイム)として送出します。

●プログラムチェンジボタン
 WXのみに装備されたもので、その名の通りプログラムチェンジ(音色変更)をする為のものです。
 本来演奏に使うものではありませんが、WX5ではオクターブキーとの組み合わせ方によってポルタメントのON-OFFを行うことができ、音源側との設定と合わせて上手に使えば EWIのグライドプレートと同様な効果が得られます。
 
CC#65(ポルタメントON-OFF)を送出します。

●キーホールドボタン
 これもWXのみが持つものです。一度鳴らした音をホールド(鳴らしっぱなしに)したまま、別の音程を鳴らすためのもので、例えばコードのルート音を鳴らしながら違うメロディを奏でたりします。
 WX5ではオクターブキーとの組み合わせによって
CC#64(サスティンON-OFF)を送出します。

 

【ウインドシンセを演奏すること】
 
ウインドシンセにおける演奏を、上記したキースイッチやセンサーの操作と、それらに割り当てられた主な役割で表すと、下記の様になります。
 「ウインドシンセを演奏すること」とは、これらのキースイッチやセンサー類を常に操作し続ける行為でもあるのです。

●発音と消音・・・・・・・・・ 息量の有無
●発音後の音量・音色変化・・・ 息量の加減
●ビブラート(音程の揺れ)・・ 唇の噛み具合の加減
●音程(ドレミの決定)・・・・ 両手8本の指の位置・押すキーの組み合わせ
●オクターブ・・・・・・・・・ 左手親指の位置の決定と移動
●ピッチベンド・・・・・・・・ 右手親指の操作

(上記以外にポルタメントやその他の効果を狙って、その他の操作を行なう場合もあり)

 

 

■発音のための設定方法

 ウインドシンセ用音源にMIDIキーボードを接続しても、すぐに音が出ない場合があります。
 これは、鳴らそうとした音色プログラムがウインドシンセ用に設定されたものであることが、主な原因と考えられます。
 ウインドシンセ用音源のプリセット音色には、キーボードで鳴らす事を前提にしたものと、専用の管楽器型コントローラーで鳴らす事を前提にしたものがあります。
 キーボードで鳴る設定に関しては、とりあえずそのままでも音は出るのですが、ウインドシンセ用に設定された音色を鳴らしたい場合、その為のコントロール情報が不足していれば、当然発音はしてくれません。
 下記にキーボード用とウインドシンセ用に設定された音色の主な違いを示します。

●キーボードで鳴らす事を前提にした音色
 鍵盤のON-OFFで発音させることを可能にするため、主にEGやベロシティによる発音が可能なように設定されています。

●ウインドシンセで鳴らす事を前提にした音色
 音量や音色の変化をEGの設定に頼らず、専用の管楽器型コントローラーから独自の信号を受けて音を出すように設定されています。
 この場合、MIDIキーボードからノートONとベロシティだけを送信しても音源側は音を出すことが出来ません。

 

【音を出すための考え方と設定方法】
 ウインドシンセで鳴らす事を前提にした音色プログラムを発音させる為には、とにかく音を出す為に不足しているコントロール情報を追加する必要があります。
 まずはキーボードに装備されたモジュレーションホイールやノブツマミなど送信情報を増減する為のコントローラーに、モジュレーションデプス(
CC#1)、ブレスコントロール(CC#2)、ボリューム(CC#7)、エクスプレッション(CC#11)、アフタータッチのいずれかを割り当てて見て下さい。
 ウインドシンセ用音源はこれらの情報で音量コントロールされている場合がほとんどなので、どれかを設定すれば音は出てくれると思います。
 それらの接続・設定方法は、使用するキーボードや機器の取扱説明書を参照して下さい。

 お手持ちのキーボードにこういった送信情報を割り当てる機能がない場合、または送信できるコントロールチェンジナンバーに制限がある場合は、音源側で受信するコントロールチェンジを選択・設定(例えば、モジュレーションホイールの動きでブレスコントロール(CC#2)をコントロール)することで解決できます。
 この場合の音源側における設定方法を下記に示します。

●EWI3020mの場合

(1)「MIDI」ボタン→「VCF/2」ボタンを押す。
(2)液晶ディスプレイに表示される『BREATH=○○』の設定を下記のいずれかより選択します。
   ( )内にはMIDIキーボード側で送信されるべきコントロールチェンジを示します。

上記設定で音が出ない場合は、更に下記(3)〜(5)を行なって下さい。

(3)「EDIT」ボタン→「MOD」ボタンを押す。
(4)液晶ディスプレイの表示を、『BRTH→[VCA]=00』または『BRTH→[VCF]=00』にする。
(5)それぞれの値=00→99に増加させる。

●VL70mの場合

(1)「EDIT」ボタン→液晶ディスプレイ内のカーソルを“CONTROL”に合わせ「ENTER」ボタンを押す。
(2)「SELECT」ボタンで下記パラメータを選択・設定する。

 尚、もっと具体的な状況・場面での設定方法は、「音づくり実験室」で考えたいと思います。

 

【ベロシティも効きますよ!】
 キーボード奏者の方にとって、発音の為のコントロールチェンジの送信を100%ホイールやノブツマミなどの動きでコントロールすることは、非常に難しい事だと思います。
 EWI3020m、VL70m共に他のシンセ同様なEGによる発音設定も可能ですから、発音時の強弱は通常のベロシティによるコントロール(打鍵強さ)によって行い、発音後の音量・音色コントロールをホイールなどでコントロールする方が自然な場合もあるかもしれません(本件はバードさん発案によるものです。情報提供感謝です!)。
 ここでは詳細な設定方法については省略しますが、両機種ともベロシティ+コントロールチェンジによる演奏が可能であることを、ここに明記しておきます。

 

 

■Q&A
 本コンテンツ発案のキッカケともなった、バードさんとのメールによるやりとりの中で、僕自身が有益であると感じたいくつかの話題について、バードさんの了解を頂いた上で、Q&Aと言う形で掲載することにしました(文面についてはよく見るQ&A形式をマネて、実際のメールとは違った少々フランクなものになっています)。
 尚、前項までの内容で重複する内容も一部含みます。

 

Q:EWI3020mはモジュレーション情報とブレス情報を同時に受けられないってホント?
 もし本当なら、音量・音色をブレス(CC#2)でコントロールする時、ビブラートはどうやるの?ピッチベンドを小刻みに揺らさないといけないのかな?

A:いえいえ、モジュレーション情報(CC#1)とブレス情報(CC#2)は同時に受信できます
 EWI3020mの使用説明書巻末にあるMIDIインプリメンテーションチャート(MIDIに関する機能の一覧表)の、受信できるコントロールチェンジを説明する部分で、専用管楽器型コントローラーからの入力情報であるブレスの動作を「アフタータッチ(AT)、モジュレーションデプス(CC#1)、ブレス(CC#2)、ボリューム(CC#7)の4項目から1つを選択する」・・・という説明があります。これがいけません、誤解の元です(笑)。
 実際には、ブレス(
CC#2)やボリューム(CC#7)で音量・音色を変化させながら、モジュレーションデプス(CC#1)でビブラートをかけること(LFOの効果深さをコントロールすること)が可能です。
 ですから、ピッチベンドを小刻みに揺らす必要はないです。ただ、実際にやって上手くいけば、それはそれで素晴らしい演奏技術として評価されるでしょうね(笑)。

 

Q:EWI3020mはモジュレーションデプス(CC#1)やブレス(CC#2)と同時にピッチベンドは受信できますよね?

A:はい、できます。ご安心を!

 

Q:VL70mって音が良いの?悪いの?
 VL70mに関して調べると、その音に関する評価は「良い」と「悪い」に真っ二つに分かれているみたい。一体どっちを信じればいいの?

A:VA音源の音の良さは、リアルタイムなコントロールをすることで発揮されます。
 VL70mなどのVA音源全般に言える事ですが、おそらくMIDIキーボードを接続して、ただ鍵盤を押しても思ったほどリアルな音は出ません。むしろ従来のPCM音源の方がずっとリアルな音がします。「音が良くない」とおっしゃる方の大半はこういった理由からでしょう。
 でも、なぜVA音源が「素晴らしくリアルな音」になり得るか?と言えば、発音直後から始まる微妙な音程・音色変化を起こすコントロールをする為、リアルタイムに二度とない演奏をしているから・・・という理由につきると思います。

 

Q:VA音源の音作りって難しい?
 VL70mをはじめとするVA音源って、なんだか理論や出てくる言葉が難解で、音作りも難しそうなんですが・・・。

A:Kirinoさんの「VL70m音づくり入門講座」を読もう!
 VL70mの音づくり(音色編集/エディット)に関するパラメータは、アナログ音源やPCM音源などのそれとは異なり、あまり耳にしない独特の名称で呼ばれるものばかりなので、確かに最初は戸惑うと思います。
 しかし、理論的なことを後回しにしても、パラメータの持つ効果をひとつひとつ知ることで、音づくりは充分に行なえます。
 また、Kirinoさん主催の「
WX5 workbook」では、VL70mに関する詳しい説明もあり大変参考になります。ご一読を。

 

Q:VA音源にはアナログシンセの物理モデルもあるらしい・・・じゃ、VL70mでEWI音源の音が出せるの?
 EWI3020mとVL70mのどちらを購入するか迷っています。
 そんな時、Kirinoさんの「
WX5 workbook」の「音づくり実験室」にある“EWIの音をVL70mで再現する”のレポートを読んでビックリ!
 ホントに、EWIの音をVL70mで出せるのでしょうか?もし可能ならばEWI音源は買わずにVL70mだけを購入すれば良いのでは?

A:う〜ん、音への印象は個人差が大きいのではっきりとは判断できませんが・・・
 あのレポートに関して僕個人は、生楽器のシミュレーションが得意であるVL70mでも、アナログシンセ風の音が出せる好例だと思っています。ただ、T-スクェアっぽい音とは違います。念のため。

 

Q:楽器屋さんでEWI3020mを試奏した時、ノートオフで「ブッ!」と音が出た。なに?コレ。
 楽器屋さんでEWI3020mをMIDIキーボードで試奏してみたんだけど、ノートオフした瞬間(鍵盤から指が離れた瞬間)、「ブッ!」という音を急激に切った時に発生するような音がモニターから聞こえる。店員さんが専用コントローラー(管体=EWI3020)で演奏しても「ブッ!」は出ない。なんで?

A:おそらく、鳴らそうとした音が「ウインドシンセで鳴らす事を前提にした音色」だったのでは?
 試奏時にお聴きになったEWI3020mの音色は、息による音量コントロールの感度が最大になるような設定になっており、かつエンベロープの設定がほとんどされていない状態だったことが要因だと思います。
 その結果、専用管楽器型コントローラーではスムーズな音量変化が得られるのに、コントロールチェンジによる音量が最大になった状態でキーボードを演奏すると、鍵盤を押したとたん音量が最大になり、離すとゼロになります。
 つまり、スピーカーにつながれたシンセ類をいきなり「電源オフ!」に近い状態になったのでは?と推測されます。
 あと考えられるのは、最近のアンプ・スピーカー自体が低音の鳴りを重視している為に、不要なブースト現象があり、この事が「ブッ」という音が出やすくしているとも考えられます。

 

Q:じゃ「ブッ!」と出る音を是正する方法はあるの?

A:音量コントロールをブレスコントーラーやモジュレーションホイールなどで行なってみましょう。
 用いるアンプ・スピーカーにもよると思いますが、音源側での対策方法を考えれば、音量コントロールをブレスコントーラーやモジュレーションホイールなどのコントローラーで行えば、練習次第でいくらでも音の出はじめを滑らかにしてやる事は可能だと思います。
 その操作自体が難しいと感じる場合は、エディット(音色編集)でEG(エンベロープジェネレーター)のアタックタイムとリリースを調整して、音の立ち上がりと消え具合を滑らかにしてあげれば良いと思います。
 ただやりすぎは禁物。エンベロープだけに頼れば、それは“単なるキーボードの音”になってしまいます。

 

Q:EWI3020mってベロシティ効くの?
 おおまかな音量コントロールをモジュレ−ション(CC#1)でコントロールし、微妙な音量変化はベロシティで行いたい。
 でも、鍵盤でのベロシティは効くの?音量の二重制御はできないのかな?

A:大丈夫。ベロシティによる強弱のコントロールは可能です。
 ちなみにEWI3020mではふたつのVCOにそれぞれベロシティ感度の設定ができます。
 EWI3020mはブレスやモジュレーションによる音量・音色変化以外に、ベロシティの音量・音色変化を同時に得られるのです。

 

Q:EWI3020mをMIDIコントロールする上で、犠牲にしなければならない事ってある?

A:MIDIコントロールによる音のザラつきですかねぇ・・・。
 少々悲観的な話になりますが、アナログ音源であるEWI3020mにおける音量・音色変化をMIDIでリアルタイム制御する場合、その出音は専用管楽器型コントローラーを使った場合に比べあまり滑らかではありません。
 特にフィルターを絞りぎみのソフトな音色を、明るくしようとフィルターを開く動作をさせる(ホイールなどで操作する)場合は、その“ザラつき”が顕著に出てしまいます。
 その理由は「専用コントローラーはアナログ制御だが、MIDIコントロールの場合はデジタル制御=128段階制御」・・・だからです。
 「なんだか音がザラつくなぁ・・・」となりますが、これは仕方のない事だと思ってください。
 しかし、EWI3000m/3020mでは前述したブレスコントローラー「X335i」を使えば、MIDIによるコントロールよりかなり滑らかな音量・音色変化を得られます。

 

 

■ウインドシンセ用音源はベース用マシンとしても使える!

 「ウインドシンセ用音源を購入してみたが、思った通りの音が出なかった」とか、「元々は打ち込み専門だった(またはピアノ弾きだった)から、シンセの鍵盤以外のコントローラーによるリアルタイムコントロールは正直自分に合わなかった・・・」と言う方もいらっしゃると思います。
 本コンテンツの主旨とは若干異なりますが、そんな方へのフォローとしてEWI音源をキーボード/打ち込みで使えるベース専用マシンにする方法を考えます。(ま、オマケ企画です)

 

【EWI音源はアナログだからベース用にも適している】
 プロのミュージシャンの方で「シンセベースはアナログに限る!」と言う方は少なくないようですね。
 EWI3000m/3020mはMIDIコントロールできるアナログ音源シンセとしては、比較的安価で手に入る非常に貴重な存在ですから、ぜひともEWI音源をベース専用マシンとして使ってみたいものです。
 現行EWI3020mのプリセット音色は、ほとんどが“ウインドシンセで鳴らす事を前提にした音色”ですが、先代のEWI3000mにはキーボードで鳴らすべく、EGによる音作りが 積極的にされたプリセット音色が多く内蔵されていました。僕はこれらの音色は文字通り「本物のアナログシンセの太さ」を持ったものだと思っています。
 EWI音源はプログラムチェンジの受信や受信MIDIチャンネルの変更も可能ですから、あとはその音色設定をベース用にできれば、充分に“ベース専用マシン”になると思います。

 

【EWI3020mでつくるシンセベース!】
 EWI3020mをベース専用マシンとして使うのに、その一例として僕が作った音色を紹介します。
 その設定内容は、Kirinoさん主催「
WX5 workbook」の「音づくり実験室」同様に、プリセットからの修正箇所を挙げることで示します(最後にパラメータシートは載せておきます)。
 元となるプリセット音色は「
S01:Strut 2」です。

 設定を終えてから間違ってその内容を失くさない為、設定中にサウンド・バンク(保存エリア)No.51〜00にストア(保存)しながら下記作業を行なう事をオススメします。

 では、EWI3020mでシンセベース音色を出す設定を下記に示します。

 プリセット音色「S01:Strut 2」は、いわゆる“ウインドシンセで鳴らす事を前提にした音色”ですから、まずは「EDIT」ボタン→「MOD」ボタンでモジュレーション画面に入り、ブレスに関する設定をすべて無効にします

(1) 表示を『BRTH→[OSC-A]=00』→『BRTH→[OSC-B]=00』→・・・と順番に選択していき、値が0(ゼロ)以外のものを探し出します。
(2)値が0以外のパラメータは、すべて「VALUE」ボタンで0に変更します

 次に、EGによる設定を行なう為、「EDIT」ボタンでエディット画面に入ります。

(3)『ENV1=00:30:00:00』→『ENV1=00:00:99:00』に変更。
(4)『ENV2=00:10:85:00』→『ENV1=00:60:00:00』に変更。
(値は左から順にアタックタイム、ディケイタイム、サスティンレベル、リリースタイムを表します)

 そしてEGで設定した内容を発音へ反映させるため、モジュレーション画面で下記設定をします。

(5)『ENV1→[VCA]= 00』→『ENV1→[VCA]=+99』に変更。
(6)『ENV2→[VCF]=+15』→『ENV2→[VCF]=+99』に変更。

 ここで音は出たと思いますが、不要な音程変化を感じる場合は、エディット画面でこれを無効にします。

(7)『ENV1→[OSC-A]=+5』→『ENV1→[OSC-A]=0』に変更。
(8)『ENV1→[OSC-B]=+5』→『ENV1→[OSC-B]=0』に変更。

 ここからが本来の音色づくりになりますが、オシレータに関しては下記。

(9)『OSC-A:FREQ=00』→『OSC-A:FREQ=-12』に変更。
(10)『OSC-A:WAVE=
』→『OSC-A:WAVE=』に変更。
(11)『SYNCRONIZE=OFF』→『SYNCRONIZE=ON』に変更。
(12)『OSC-B:FREQ=00』→『OSC-A:FREQ=-12』に変更。
(13)『OSC-B:WAVE=
』→『OSC-A:WAVE=』に変更します。

 そして、フィルターとレゾナンスの効果を整え、鍵盤での弾き易さを考慮してトリガーモードを変更します。

(14)『VCF:CUTOFF=05』→『VCF:CUTOFF=20』に変更。
(15)『VCF:RESONANCE=15』→『VCF:RESONANCE=10』に変更。
(16)『VCF:FOLLOW=-10』→『VCF:FOLLOW=00』に変更。
(17)『TRIGGER=SINGLE』→『TRIGGER=MULTI』に変更。

 まとめとして、(1)〜(17)をパラメータシートにしてみました。

 ベース音色サンプルパラメータシート◆(ウィンドゥが新規に開きます)

 これで、ごく一般的なシンセベースの音が出来たと思います。低音部分の鍵盤でノリ良く弾いてみて下さい。
 味付けとして『VCF:RESONANCE=35』くらいにすると、誰もが聴いたことのある“ミョンミョン”したベース音色になります。

 

【VL70mもベースに使える!】
 VL70mもモノフォニック音源であることから「〜Bass」といったベース音色を名乗るプリセットが多く入っており、選ぶにも迷うくらいその種類は豊富です。
 それらは、すでに“キーボードで鳴らす事を前提にした音色“として設定されているので、ここでは特に音色設定例を紹介することは省略します。

 「ウチのEWI3020mやVL70mは、ホコリをかぶってる・・・」とおっしゃる方、ぜひお試しあれ!

 

 

■おわりに

 単なる「キーボードでウインドシンセ音源を鳴らす」だけの話が、随分と長文になってしまいました(笑)。ここまでお付き合い頂き、ありがとうございました。
 ここでの内容が、前述した要望や悩みをお持ちの方々にとって、少しでもお役に立ったのなら、大きな喜びを感じずにはいられません。

 「ウインドシンセ用音源をキーボード用に使う」ことは、管楽器型コントローラー=EWIやWXなどとはひと味違った演奏や音色の誕生を期待できます。ぜひとも、多くのキーボード奏者の方による、ウインドシンセ用音源への取り組みをオススメします。
 そうして得られた音色や演奏手法によって、もし全く新しい音楽が生まれたのなら、とっても素晴らしい事ですよね!

 

以上。


●オキテ破り!?「ウインドシンセ音源をキーボード用に使う!」

協会宛メール(yoshmeme@rainbow.plala.or.jp)

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