●2005楽器フェア レポート
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2005 楽器フェア (パシフィコ横浜:2005年11月3日〜6日)

http://www.musicfair.jp/

11/3と11/5のレポートです。


■音ファイル追加

EWI4000sのAudio File をUPしました。(11/9改訂)


■11/3 速報

 初日の模様を、JWSAではきゅ〜ちゃん、あじゃさん、Kirinoの3人で取材してまいりました。文責Kirinoでレポートいたします。
 なお楽器フェアに行かれた方、これから行く方、ここに書いてない情報等ありましたら掲示板にどしどし書き込んで下さいませ


●AKAIブース

ウィンドシンセ界における今回のフェアの目玉は当然、EWI4000sであります。開場と同時にAKAIブースへ直行。

AKAIブース内 EWI4000s コーナー全景

堂々4本が試奏可能になっていました。下の方に写っているモニタースピーカーから音が出ます。ヘッドホンも用意されています。
試奏後のマウスピースやキーはおしぼりウエッティでしっかり拭いてくれますので衛生面も大丈夫です。

今日の時点では、右2台がワイヤレスセッティング、一台が通常のラインアウト&電源ケーブルセッティング、左端の一台が既存音源EWI3020mへMIDI経由で接続したセッティングになっていました。

EWI4000s 仕様要約(規格および仕様は今後変更される可能性があります)

ワイヤレスセッティングを吹くあじゃ氏
ワイヤレス部拡大

 大きさですが、確かにEWI1000/3000/3020より、幅広で長くて重いです。従来EWIに馴れている人は、最初はとまどうかもしれません。感覚的にはソプラノサックスと同程度か少し軽いといった感じです。サックスと掛け持ちの人なら全く問題ないでしょう。しかしストラップ(スリンガー)が必須な重量ではあります。演奏に使うキー配置はEWI3020と全く同じですので、ちょっとの間、重さと幅の違いに慣れれば従来EWIと同様に扱えるでしょう。

 ワイヤレス用機器については、今回ブースでは”SAMSON AirLine Wireless System(AG1/AP1)”が使用されていました。御覧の通りEWIのラインアウトに挿すだけで良く、大きさ/重さ的にも違和感なく収まっています。ワイヤレス用機器については特にAKAI純正とか推奨品があるわけではないそうで、好みのものを使用すれば良いとのこと。今後各販売店で独自にワイヤレスセットが販売されるのではないでしょうか。

通常のラインアウト&
電源ケーブル使用の状態
EWI3020mとMIDI接続セッティング
後にあるのは付属予定のソフトケース

通常はワイヤレスでなく、上左写真のようにラインアウトケーブルで音を出すのが一般的だと思われます。
また電源は単三アルカリ電池4個のほか、ACアダプターの使用が可能です。(ACアダプターは別売り)
ACアダプタ使用の場合、ケーブルが1本増えることになりますので、コンセプトとしては電池使用推奨なのでしょうか。アルカリ電池での連続使用時間は8時間、ただしラインアウトでなくヘッドホンジャック使用の場合は少し短くなるそうです。(そういえば充電池が使用可能かどうか聞くの忘れた・・・)

上右写真はEWI4000sからMIDI経由でEWI3020mに接続したセッティングのもの。吹くとEWI3020mから音が出ます。どうしてもアナログ音源を鳴らしたい、きちんとなるのか確認したい、という要望に応える試奏機です。個人的には特に問題なく従来通りのEWI3020&3020mの組み合わせと同じ感覚で吹けました。

また背後にあるソフトケースはRITTER社製のしっかりしたつくりのもので、なんと日本国内においてはこれが標準付属品として付属するそうです。(太っ腹!)ちなみにケースそのものはソプラノサックス用のものそのままの流用で、特にEWI用にクッションを変えたりしているわけではないそうです。またケースにAKAIのロゴがついたりとかも、とりあえずはないそうです

付属のマウスピースカバー
付属予定のストラップ(スリンガー)

他に付属品としては、マウスピースカバーと、ストラップ、クリーニングクロスがあります。ストラップは従来の正直イマイチだったヒモタイプから、サックス的な幅広布タイプに替わる予定だそうです。

各種感度調整つまみ

マウスピースの下側のカバーをあけると、従来は音源モジュール側にあったブレスSENS/ADJ、グライドTIME/ADJ、ベンドWIDTH/ADJ、ビブラートADJ用のツマミがでてきます。従来と同じ方法で感度を設定します。ここだけはツマミなので、本番中にちょっと微調整、とか、グライド使わないから常時オフ!とか、従来通りの感覚で簡単に出来ます。

裏側一部

オクターブローラーの左右にプレートがありますが、左(写真では上側)がアースプレート、右(写真では下側)がグライドプレートです。アースプレーとは従来通り右手親指の位置にもあります(写真では左端銀色部分)また「a」で示したネジ頭、これが音色切り替え用のタッチセンサーになっています。これを触れながら「b」で示した透明ボタンを押すことで使用音色を変える事が出来ます(UP/DOWN)また「b」で示した2つのボタンは、オクターブ奏法&ホールド奏法にも使用し、それ用のモードに設定した後各キーを押すことでオクターブ下の音を重ねて吹いたりすることが可能です(ちなみに、このときこの透明ボタンは赤色に光ります)

この辺の操作はちょっと複雑で少なくとも最初はマニュアルがないとなにがなんだかわかりません。ただし慣れれば、演奏中1拍あればオクターブ重ねあり/なしの切り替えができるくらい操作性と反応は良かったです。また音色切り替えも演奏中一小節あれば可能だと思いました。

肝心の音色

ですが、まずは心配ないと感じました。3020mにプリセットで入っている音の感じにかなり近いと言って良いのではないでしょうか。予想以上に良い音がすると思いました。トータルな吹奏感として、吹いた息と運指がスムーズに音になって出てくる感じで、吹いていて非常に気持ちが良かったです。個人的にはEWI3020/mより吹きやすかったです。

音量の大小は非常にスムーズですし、フィルター開閉時のザラツキやブチブチのイズについても全く感じませんでした。またEWI3020/mでは、強くタンギングすると、タンギング後「タツッ・タツッ」と短い音が出てしまうことがありましたが(奏法で解決できるが、これが苦手なひともいるわけで・・・)、EWI4000sではこの現象がありませんでした。(なおこれは特にこの問題を意識したわけではなく、たまたまこの内蔵音源ではそういう症状が出なかったということらしいです。実際、EWI4000sからMIDI経由でEWI3020mを鳴らしてみるとやっぱり「タツッ・タツッ」が出ました)

現時点での内蔵音色は次の通り

01 SINGING SAW
02 JUDD4000
03 MINI
04 WOOD WIND
05 MIX LEAD
06 BRIGHT WAH
07 DOUBLE REED
08 PULSE BRASS
09 MELLOW
10 TUBA
11 DETUNE SAW
12 FUNKY WAH
13 RECORDER
14 SOPRANO
15 SOLID BRASS
16 PIPE
17 SQ11
18 SQ63
19 SQ95
20 SQ115
21 FAT SAW
22 BRIGHT SAW
23 GROSS SAW
24 SAW-4
25 SAW+5
26 CLEAR SAW
27 FAT BOTTOM
28 CRISPY
29 SILKY
30 SOFT PULSE
31 DETUNE PULSE
32 WARM DETUNE
33 DUAL PWM
34 BRIGHT SYNTH
35 MEWI
36 WOOD WIND 2
37 EARTHY
38 REED
39 EDGY PULSE
40 SQ WAH
41 FAT PWM
42 SMOOTH SYNTH
43 WIDE PWM
44 SAXY
45 COMMON FANFARE
46 CANTABILE SAW
47 SYNTH SOLO
48 THIN SAW
49 DUAL PULSE
50 NEW WOOD

100音色までありますが、51〜100までは上記01〜50と同じものが同じ順番で入っています。このへんには自分で作った音色を入れておく、ということでしょう。

 音色エディットは本体ではできません。PCかMac OS X上で動く専用ソフトで行い、MIDI経由でSENDします。エディターソフトですが残念ながら「現段階ではまだバグが多い」ということで見ることが出来ませんでした。機能的には、一般的なシンセでできること、できなくてはいけないことははひととおりできるが、いわゆるマトリクスモジュレーションまで複雑なことは出来ないようです。ソフトは発売と同時にAKAIサイトより無償ダウンロードできる予定。また、もしかしたら、製品にCD-ROMが同梱される可能性もあるかもしれないとのこと。

音色名を見ると、わかりやすい名前が多く見られますが、とりあえず01〜05あたりの音色でジャパニーズフュージョンは吹けそうです。02 JUDD4000あたりはかなりJUDD 3020に近いです。

内蔵エフェクトについては、モノラルエフェクトでもありますし、場合によっては不満を感じる方もいるかもしれません。もっともちょっと気分良く練習したい、とか、とりあえず簡易にライブを、と言う場合は内蔵エフェクトだけでも充分な場合も多いと思います。出音については、今回ブース内で試奏した限りでは問題ありませんでしたが、実際のところはバンドの中で使ってみないと保証はできないとは思っています。まあどちらにしろモニタとの間に外部エフェクトを一つ挟んでやれば大丈夫でしょうとも思いますが。

いずれにしろ、ライブにこれ一本持っていけばOK、重たい音源も面倒なセッティングも不要、ケーブル一本繋げばOK、こだわるならエフェクター一個挟めばOKと、まさに生サックスやギター感覚で気軽に使えるのは何にもかえてすばらしいですね。ライブ1回の中で、EWI使いたい曲は1曲だけ、でもそのために重い音源かついで時間かけてセッティングは面倒・・・いいやサックスでやっちゃえば・・・ってな人はかなり多いはず。(私もその一人)。これならジャムセッションに持っていってもいいくらいの手軽さです。

AKAIにおいてこのEWIを本格的に開発し始めたのは1年ほど前からだったらしいのですが、様々なアイデアを収束する中でキーワードとなったのが「可搬性」だったということで、ワイヤレス化も視野に入れて開発していく中、いろいろ試行錯誤の末、究極とも言える「音源内蔵」となったそうです。

実際、今回個人的に、試奏してみて最も強く感じたのが「ワイヤレスは最高」ってことでした。ケーブルを肩にかけるのが王道、ケーブルこそウィンドシンセのアイデンティティ、というご意見もあるとは思いますが、実際ケーブルから解放されるのがこんなに気持ちの良いものだとは思いませんでした。この感覚は一度知ったら戻れない・・・

さて、実際に音を録音もしたのですが、

いきなり持参ポータブルMTRで録音する
荒技を披露したきゅ〜氏

ネタバレにもなりますのでとりあえず楽器フェア期間が終わってから公開したいと思います。
(→11/8公開しました。このページの一番上からどうぞ)


EWI4000sの音がどーしても聴きたい方は是非楽器フェアまで足をお運びください(笑)

ちなみに、外箱。


AKAIブーススタッフの皆様長時間の取材にもかかわらず丁寧な対応本当にありがとうございました。
また、これだけのすばらしい製品を世に送り出してくれたことに、心より感謝いたします。


●YAMAHAブース

 NEW EWIの登場にノルとかノラないとかいう理由があるとかないとか微妙なところですが、今回はYAMAHAもWX5の展示に例年になく力を入れておりました。

YAMAHAブース内WX5コーナー全景

 4本が試奏可能になっていました。音はヘッドホンのみで、吹いている本人にしか聞こえません。だれかと一緒に聞きたい場合は、ヘッドホン持参しましょう。なお、マウスピースには使い捨てのビニールカバーをかけ、かつ試奏後ウエットティッシュで拭いてくれますので衛生面も大丈夫です。

2台はVL70-m
2台はMOTIF-RACK ESが音源。

特に目新しい点はないのですが、4台中2台は音源にVL70-m、2台はMOTIF-RACK ESが音源になっていました。MOTIF-RACK ESにはVLプラグインボードPLG150-VLがささっていて、VLの音色も吹けるようになっています。またミキサーにはQY100や、DTMソフトを入れたPCが繋がっていて、伴奏を流しながら合わせて吹くことができます。(PCはあくまで伴奏用で、PC上のソフト音源をWX5で鳴らすようなセッティングにはなっていない)MOTIEF RACKの音はVL70-mよりD/Aがしっかりしているからか、同じVL音色でも若干VL70-mより線の強い音のような気がしましたが、気がしただけかもしれません。(ヘッドホンだけでは、なんとも判断が・・・)

また14:00〜14:30まで、ブース内ステージで日本におけるWX5奏者の第一人者である鈴木明男氏と、キーボード奏者氏家克典氏によるデモが行われました

(以下ヤマハサイトより引用)

デモ前  右側譜面台のそばにあるのがWX5+VL70-m+MOTIF-RACK ES

このデモは11月5日 13:00〜 にも行われます。

WX5+VL70-m+MOTIF-RACK ES

鈴木氏はWX5に、音源はMOTIF-RACK ESに挿したVLプラグインボードと、ANプラグインボードの音色を使用していました。VL70-mはピッチベンド表示が出ることを利用してピッチゼロのインジケーターとして使用していただけらしく、VL70-m内の音色は使用しませんでした。またこのほかに、フットコントローラーのYAMAHA MFC10を利用し、曲毎に音色を切り替えていいました。MIDI配線的には、

WX5---(WXケーブル)---MFC10---(MIDI)---VL70m---(MIDI)---(MOTIEF RACK)

となっていると思われます。VLの特徴が活きたハーモニカ音色、トランペット音色、ANボードによるアナログ音色によるバラードなど、VLの魅力がたっぷりアピールされたステージでありました。途中氏家氏はブレスコントローラBC3を使用しMOTIEFを演奏、2種のウインドコントローラーのバトルも楽しめました。なお鈴木氏は「杏里」さん他のライブツアーで今回と同じWX5セットをバリバリ使ってらっしゃるそうです。

このデモは11月5日 13:00〜 にも行われるので、フェアに行かれるかたは是非ご覧下さい。

デモの後のWX5コーナーは非常に盛況で常に老若男女でいっぱいで大人気でした。

ヤマハはこの他EZ-TPも2台展示。こちらも人気を集めていました。

EZ-TP




■11/5 速報

 11/5(Sat)の模様を、大脇D-O、きゅ〜ちゃん、Kirinoの3人で取材してまいりました。文責Kirinoでレポートいたします。

●宮崎隆睦氏EWI4000sデモンストレーション

 今日の目玉のひとつは宮崎隆睦氏によるEWI4000sのデモ演奏ですね。AKAIブースのすぐそば、プリマ楽器のブース内で11時、13時、15時、17時より各30分弱、計4回行われました。

EWI & Sax奏者 宮崎隆睦
ご本人に写真掲載許諾済。禁転載
A.O.ICD(ポスター&直筆サイン入り)も販売

 上写真はいずれも4回目のものですが、いずれの回もたくさんの人だかりで大盛況でした。EWIを知らなさそうな通りがかりの人も良く足を止めて見入っていました。曲は宮崎氏と高橋亜土氏のユニット「A.O.I 」のアルバム「Mouth to Hands」収録曲から3曲ないし4曲、CDによる伴奏をバックにEWI4000sおよび総14金製のネックを装着したヤナギサワのアルトサックスを吹奏。EWIの音色ですが、アルバムで使われているEWI3020mの音、EWV2000の音、それぞれに近い音色を使用し、曲の途中で音色を切り替えるなどしていました。グライドを駆使するなどEWIの特徴を活かしきった宮崎氏の演奏を堪能致しました。
 最初のデモでは伴奏の音が一瞬消えたりするトラブルや、他のブースの音がちょっとうるさかったりと、楽器フェアなのでしょうがないところもありましたが、宮崎氏御自身のライブでは既にEWI4000sが大活躍しておりますので、落ち着いて観たい方は是非ライブ情報をチェックして見に行きましょう!(もっともライブでもいろんなことがあるとかないとか・・・?)

宮崎氏使用EWI4000s
ワイヤレスセッティング、スタンドに背面置き。
マウスピースカバー装着

 さてデモに使われた宮崎氏のEWIはAKAIブースにあるのと同じワイヤレス装置によるワイヤレスEWI4000sのみです。(普段のライブでもこれと同じものを使用とのこと)音響機器はALESISのCDプレーヤー、ミキサー、返し&メインモニターという構成で、EWIの音にはエフェクタはかかっていないか、かかっていても極薄い程度でしたが、伴奏にも周辺ブースの騒音にも負けないよく通る心地良い音色でした。

 出音も良い、EWI3020m系の音もEWV2000系の音も出る、ということで、なんだか褒めすぎなんですが、どうにも文句のつけるようがない製品なんですよどうしましょう困っちゃうな本当に。

 なお上の写真のEWIスタンド(AKAIのブースでEWIを置いてあったスタンドと同じ)は、プリマ楽器からEWI専用スタンドとしてEWIと同時発売予定だそうです。

●再びAKAIブース

 AKAIブースで音源仕様や部品等々、再度取材しました。かなりマニアックな部分についてはKirinoには正確に書く自信がないので割愛しますが、スタッフの方にうかがった話で印象的だったのは、機能や、音源のパラメーターは増やそうと思えば増やせるのだが、複雑になりすぎる恐れがあり、今回はとにかく「シンプル」で「使える」ものを目指したという話でした。プリセットで入っている音色も、あまり奇をてらわず、シンプルだけど「実際に使える」ものにしたとのこと。機能追加その他今後については市場の反応を見ながら色々考えていきたいとのことです。

 なお現行のEWI3020 , 3020m , 3030mですが、3030mは今後新規生産はせず在庫のみの販売は決定だそうです。EWI3020,EWI3020mについてはとりあえず新規生産も販売も続けるが、部品の問題もありいつまで続けるかはなんとも言えない、とのこと。どうしてもどうしてもリアルアナログじゃないとダメだ〜と言う声が大きければ、案外長く続く可能性もあるし、EWI4000sで問題ナシ!と言う声が大きければそれなりの期間で、ということでしょう。

さて3日のきゅ〜氏の荒技はメカニカルトラブルにより失敗していたことが判明。よって本日は大脇大王の吹奏によりリテイク。

荒技D-Oバージョンにてリテイク中

といっても著作権上アレなので公開できませんが、どんな音色かわかるmp3ファイルは近日公開予定。(→11/8公開しました。このページの一番上からどうぞ)

その他メモ


●再びYAMAHAブース

 これも立派なウインドシンセサイザの仲間だと思います。EZ-TPを試奏。

EZ-TPに挑戦

 音色はとても良いです。倍音モードが変わる(ド→ソ→ドとか)ときのトランペットの感じなんかも良く出ていて、本物のトランペットぽくて感心します。ただ、「カラオケに合わせて簡単に演奏するモード」はとても簡単なのですが「普通に楽器として自由に演奏するモード」は結構慣れが必要だと思いました。僕は10分くらいいっしょうけんめい練習しましたがどうしても倍音モードのつなぎめがうまくできなかったです。金管経験も長い大脇氏はさすがにすぐに音階をすらすら吹いていましたけれども(ちょっとくやしい)、アドリブをスラスラ吹くというところまではいかず、本格的なことをするにはそれなりに練習が必要だなぁと思いました。
 楽器フェア期間中にはEZ-TPのデモ演奏もあったのですが、日程があわず見ることができませんでした。残念。EZ-TPの真の実力が聴ける日はいつの日か。

 またWX5関連では初日にひきつづき、デモンストレーション「鈴木明男(WX5) vs 氏家克典(S90ES)
がありましたので見てきました。

鈴木明男氏デモ機材(WX5,VL70m,MOTIF-RACK ES, MFC10

 初日はちょっと離れた立ち見席から見ていて、周りのブースの騒音もあり細部がよく聞き取れないところもありましたが、今回は2列目でじっくり聴いてきました。演奏曲は初日と同じですがMCはちょっと違うところもあったりして、またアドリブのアプローチもかなり違っていたりして参考になりました。

 初日と同じく実際に音を出していた音源は「MOTIF-RACK ESにささっているVLプラグインボードとANプラグインボード」でした。
さて、じっくり聴いてみると、今回のデモ演奏の音は自分が普段使っているVL70-mの音よりかなり良いような気がしました。もちろんPA機材が良いというのはありますが、特にトランペット音色の残響(ディレイ+リバーブ)がほれぼれするほど濃密で美しい。エフェクト音が段違いに高品質なんですね。VL部分そのものはVL70-mもVLプラグインボードもほぼ同一なので、MOTIF-RACK ESとの差はD/A部、アンプ部、エフェクト部ということになりますが、特にエフェクタの品質が出音にかなり影響しているのかな、と思いました。それからANボードをウィンドシンセで演奏したのを聴いたのは今回が初めてでしたがなかなか「いかにもウィンドシンセ」な良い音だと思いました。なんでも現在の鈴木明男氏はライブではVLよりもANボードの音をつかうことのほうが多いのだそうです。その他にハーモニカ音色でも演奏されましたが、私がVLの「ウリ」のひとつだと思っているハーモニカ音色とその表現力については同席の大脇氏もいたく感じ入って下さり、普段音源としてVL70-mをメインで使っている私は大いに溜飲を下げたのでした。
 鈴木明男氏のWX5の奏法は、リップべンドの幅は余り広くなく、かわりにベンドホイールの特にアップ側を多用するもので、自分にとっては大変参考になりました。すばらしい演奏をただただ堪能いたしました。

 その後しばらくしてWX5の試奏コーナーに行きましたが、せっかくANボードを使ったデモ演奏をしているにもかかわらず試奏機にはANボードが挿さっていない。YAMAHAブースのスタッフの方に聞くと、そもそもANボードはプリセットではウィンドシンセ用のパラメータになっていないので挿してもそのままではWX5で演奏できない、ということでした。確かにその通りなんですけど、もったいないなあと思いました。考えてみればYAMAHAには他にFMボードもあるし、せっかくMOTIF-RACKという音質的には最高品質のベースと、個性的なプラグインボードという、ハードウェア的には文句の無いモノがそろっているのに、ウィンドシンセとして使うためのソフトウェア(音色そのものの設定やエディターソフト)が整備されていないんですね。

 一応WX5派の私としては「EWI4000sが予想以上にものすごくすばらしいです、ちょっと考えないとWX5ヤバイですよ」とスタッフの方に言ってしまいました。YAMAHAとしても今回の展示にあたりEWI4000s発売を確かに考慮しているようですし、また、いままで全くプロモーションをやってこなかったという認識もあるとのことで、今後はウィンドシンセ方面に注力することも考えている、とのお話でした。期待してます!まずは今回のようなデモ演奏の機会を増やし、同時にデモ演奏CDの無料配布。およびその演奏で使用したVL70-mおよびVL,AN,FMプラグインボード用のウィンドシンセ音色パッチファイルの無料配布、なんてのは如何でしょうか。是非、御願いします!


以上、ひさしぶりにウィンドシンセ関連が盛り上がった楽器フェアのレポートでした。
EWI4000s関連につきましては、掲示板に寄せられた他の情報も追記して後日別にまとめる予定です。引き続き情報ありましたら掲示板によろしくおねがいいたします。

・関連リンク


●2005楽器フェア レポート