カポタストの位置

ここでの内容は個人的な感想であり、

効果や効能を示すものでありません。


カポタスト(capotasto)を略してカポと読んでいるが、その昔、ギターを始めた高校生の頃は、フォークギターではゴムバンドのが主流であって、

 

これらを良く使っていた。あるいは

のタイプのもの。

 

現在愛用しているのは、シャブ(SHUBB)で、12弦用のを6弦ギターに使っている。

12弦用のを6弦に使うというのは少々おかしな話であるが、ちゃんと理由(歴史)がある。

 

ギターを始めたのはクラシックギターの通信教育でのガットギターからであり、次に買ったのは(フォークの)12弦ギター。その後フォークの6弦とかエレキとか、いろいろ買ったけれど、ギターでいうと私は12弦弾き。ついでに書いておくと、本質はアコースティックギターではなく、4弦のエレキベース弾きである。

 

カポタストの話に戻ると、12弦は6弦ギターの6コース6本を、6コース12本にしたギターであり、それぞれのコースに2本ずつの弦を張っているが、高音側の2コースは同じサイズの弦を、低音側の4コースにはオクターブ高い弦との組み合わせで張っている。

 

低音側には、オクターブ高いプレーン弦と、巻き線とがセットで張っている。つまり太さの違う弦が隣り合って張ってある。

 

ネック側にはフレット金具があるから、フレットを押さえた時には、フレット金具の上で凸凹になるが、カポタストで押さえた部分は、カポタストの面を基準に逆向きに凸凹になる。

 

この時、普通のカポタストの使い方である、フレット金具とフレット金具の間で押さえる時、細いプレーン弦を確実にカポで押さえようとするなら、太い巻き線の弦は、ネック側により深く押さえ込まないといけなくなる。

6弦ギターでのカポタストの弦の押さえ込み具合とは異なり、12弦ギターの場合には巻き線の弦をより深く押さえ込む。したがって音がよりシャープしやすい。

 

 

押さえ込みを少しでも減らし、しかも太い弦・細い弦の両方を確実にカポタストで押さえようとするなら、フレット金具の上でカポタストを掛けることになる。で、それができるカポタストの種類で言えばシャブのカポタストということ。

 

 

こうした使い方は、イーグルスの「ホテル・カルフォルニア」でも見ることができる。12弦と6弦のヘッドをもつ双頭のエレキギターが登場するが、12弦側にはカポタストを使っていて、フレット金具の上にシャブのカポタストを掛けている。

 

エレキギターの弦はフォークギターよりも弦が細いので、カポタストを使うと音がよりシャープしやすい。チューニングで調整すればよいわけで、フレット金具の上に掛けた場合も少なからずはシャープするので、チューニングは不可欠ではある が、フレット金具の上に掛けると、強めに締めても影響は少なくなる。

 

6弦にカポをする場合も、12弦でのが感覚的に慣れていて、6弦用のシャブカポは小型でたよりなく感じるので、そのまま12弦用を使っている。

ちなみにカポは上から挟み込むやり方の方で、万一カポが緩んだ場合に転がり落ちるのを防止している。緩んだだけなら短時間にカポを付けなおせるけれど、床に落ちれば拾わなくてはならず、イスに座って演奏している時は場合によっては譜面台とかイスの位置を動かさなければカポを拾えないというケースも出てくる。

そして上からはさんで、カポの先端はネックの下側面に合わしている。こうすれば、左手人差指が窮屈な時もカポにジャマされずにカポより左に人差指を置くことができる。

 

フレット金具の上にカポを取り付ける場合に、幾つか欠点がある。

 

まずは、1フレット目を押さえるときに、左手のフォームによってはカポがジャマになることがある。あるいはハイフレットにカポをつけると、ジャマになりやすい。左手が窮屈と感じることも少なくない。

どうしてもジャマという場合は、1弦側の方を少しネック側にずらすこともある。

 

次なる欠点は、フレット上にセットすることで、カポをつけての1フレットのプリングオフがやりにくい。弦が堅く感じられる。1フレットのハンマリングオンも同様に、少し鳴りにくくなる。

 

そして欠点でもあり、利点でもあるが、普段カポをフレット間につけている人の場合、フレット上につけるとフレットの感覚が狂うことがある。しかし慣れてくれば、ナット(0フレット:オープン)と同じ感覚になる。まあ、どちらも慣れの問題ではある。

 

ちなみにライブでのチューニングのタイミングであるが、東日本の人には1曲毎にチューニングを点検する人が多いが、西日本ではライブの中間でチューニングタイムと称して1回だけチューニングするというのを見かける。

 

西日本では、それまでカポを使わなかったのをカポをつける、その逆にカポを付けていたのを外したという時にだけ、チューニングをする人もいる。その場合、チューニングは開放弦で行い、カポをつけてのチューニング、カポ移動でのチューニングはしない、という人が割といるように思える。開放弦でチューニングが合えば、あとからどのようにカポを付けてもチューニングは正しいという考え方。

 

東日本では1曲毎のチューニングが多いので、必然的に、カポを移動した時には、あらためてチューニングを確認している人がたくさんいる。

 

もちろん、これは微々たる傾向であって、東と西とでの特徴的な傾向を意味するものではない。