ギターは強くピッキングする

ここでの内容は個人的な感想であり、

効果や効能を示すものでありません。


ギターの初心者に限らず、ギター暦の長いアマチュア・ギタリスト(ギター・ベースギター)の中にも、ライブなどの人前の演奏になるとギターをか細く弾いている人がいる。

まだ演奏に自信がなく、ミスするかもしれない演奏を隠したい、目立たなくしたいという気持ちが働いているものと思う。

 

しかし考えてみれば、演奏というか音楽というのは聞こえてなんぼの世界である。

 

音楽に限らず、例えば人の会話であっても、話し声がか細いとか、段々と尻つぼみに声が小さくなる人がいるが、聞いていてイライラする。少なくとも話は相手に聞こえてなんぼの世界である。

相手に聞こえない話をムニャムニャとし続ける人は、独り言をつぶやいているのに過ぎない。それに付き合わされる相手はたまったもものではない。

 

ギターはある程度強くピッキングしないと、良い音がしない。ピッキングが弱いとこもった音になる。

ピッキングの強さは音の大きさにある程度は比例するけれど、音の明瞭さとか音のキレ、あるいは優しい音、柔らかい音というのは、音の大きさの比そのものではない。

 

ギターでは、まずは明瞭な音を出すために、ある程度は強くピッキングすることが必要である。他の音のニュアンスを出したいときは、それなりにピッキングを変えるが、基本は強いピッキングである。そうしないとギターの音にならない。

 

フォークギターの神様、石川鷹彦さんのピッキングは普通に強めのピッキングのようである。弦をなでて聞こえているか聞こえていないのか分からないような演奏で通すということはない。他のギタリストの場合にも、ピッキングはそれなりに強い。

 

優しい・柔らかいニュアンスを出す場合は、強いピッキングを基準として、そこからピッキングを変える。

 

ある時、「私のピッキングは叩いていると言われたんだけど・・・」と言われたことがある。そこですぐに他の人から話しかけられ、この話はそれで終わりになったが、「君のギターは叩いて音を出しているから駄目だと、そう言われたが、どう思いますか?」という話だったのではないかと感じた。

 

まだ会話が続いていたとして、私は返答に窮したろうと思う。

というのも私はギターは叩いて音を出す楽器だとずっと思っていたから。

 

叩くといっても、それはもちろん、ギターのボディーとか弦を手で叩くという奏法の話ではなく、ピッキングのニュアンスとして叩くということでの話である。

 

エレキギターの場合にはピックでなでるに近く、叩くという場合はタッピングなどの指を使って弦を叩く奏法ということになるかと思う 。エレキギターはビップアップを使って弦の振動を電磁気的に拾い増幅しているが、フラットピックの「面」で弦を叩き気味にピッキングするとピック面が弦に当たる瞬間の音がノイズとして入る。それでフラットピックをほんの少し斜めに構えて、ピックが弦に当たる時には面ではなく点で、できれば線で当てるように弦に当てる瞬間にピックを引き気味にして当てる。

 

それはアコースティックギターの場合にも当てはまるが、それなりに強く大きな音を出そうとすると、ピックが弦を離れる時の弾く(はじく)という動作だけでは強さに欠け気味であり、弦に当てる時にある程度の勢いをつけて置く。柔らかい音を出したい時にはエレキギターのようにして弾けばいい。

 

 

ギターというのは楽器の分類法のひとつとして、發弦楽器(弦をはじいて鳴らす楽器)であり、マンドリンとか三味線、琴とかも含まれる。チェンバロなども。

チェンバロに対し、ピアノは弦をハンマーで叩いて鳴らすから、打弦楽器ということになるのか。

あるいはバイオリンとかチェロとかは弓で弦をなでて鳴らすので擦弦楽器ということらしい。

 

別の視点から打楽器か弦楽器かという分け方もあるようであるが、弦を鳴らす楽器については打楽器ではなく弦楽器では、と私は思う。

 

が、ネットで検索すると音楽之友社の音楽大辞典によるとピアノは「有鍵弦打楽器」と書かれているとのこと。日本語では名称の後ろの方が分類名、最初の方がその中での形態等を表す部分であるから、ピアノは打楽器の仲間ということになる。

 

打楽器には太鼓とか木琴とかがあり、叩く相手は色々。直接叩く相手が皮が太鼓、木片が木琴であるから、弦を直接叩くピアノは打楽器ということには、うなづける。

 

もっとも、ピアノは「叩く」と「弦」の両方の性質を持っているのだから、打楽器でもあり弦楽器でもあるということにしておくのが良さそうに思われるが・・・。

 

この「叩く」は音を出す手段、「弦」は音を出す物であるから、手段と物との組み合わせの数だけ楽器の分類上の種類が出てきそうである。さらに物は材質で細かく分けられることもあるだろうし、共鳴で音を大きくする部分を含めるとさらに種類は膨らむ。

 

弦楽コンサート・吹奏楽コンサートといったものはピアノなしでも成立していて、またピアノコンサートを弦楽コンサートと称するのを聞いたことがないから、音楽演奏のジャンルとしてはピアノは弦楽器でも吹奏楽器でも、はたまた打楽器でもなく、ピアノであるということ。