FINAL FANTASY Y
〜Chapter 1 覚醒〜


1



「うっ…」


「目を覚ましたのか?まだあやつりの輪が外れたばかりだというのに…」


(あやつりの…輪…??)


目が覚めた娘の耳に、老人の声が聞こえてくる。


「大丈夫か?」


「わ、私は…」


意識がはっきりしない。


「君の名は?」


(私の名…私は…)


「ティナ…私はティナ…」


「そうか…君は、このあやつりの輪によって支配されていたんだよ。これをはめると、自身の思考が停止して、他人の意のままに動く…という粗悪な代物じゃよ」


そういって、老人は輪をティナに見せた。


「何も…思い出せない…」


「当然じゃ。当分は頭痛も続くじゃろ…まあ、ここでゆっくりしておれば…」


老人がそういったときだった。


「おい!娘を出せ!」


「そいつは帝国の手先だぞ!」


「ちっ…おいティナ!裏から外に出られる!逃げるんじゃ!ここは私が何とかする!」


ティナはふらつく足を叱咤しながら、裏口から外に出た…。



「あそこだ!あそこにいるぞ!」


ティナは追いかけられていた。何もわからぬままに。


しかし逃げるしかないのだ。


洞窟に入り出口が見えてきたが、そこに現れたのは、街のガードだった。


ティナははじに追い込まれる。


「観念しろ…もう逃げ場は無い」


「…っ!!」


そのとき、床に穴があき…ティナは奈落の底に落ちていった…。