<1985.7発行 『すけっちぶっく』改刊VOL.2 より>
 
レコーディングも大詰めという日、
今度のアルバムや優平さんの曲作りなどについて
聞いてみました。         1985.6.14 CBS/SONY信濃町スタジオにて

 
ー− アルバムのテーマは何ですか?
優平 あんまり難しい事は考えなかった。只ね、今度のアルバムが、ホント、音つばめ最後のアルバムになるかもしれないみたいな気持ちで曲は書いた。ほんて、今回、僕の書いた曲をいろんな人が来年の春ぐらいまでに結構唄うかもしれないんでね。
ーー アルバムの中の曲をですか?
優平 …とか、別に書いたやつで、結構唄うっていう話がきてるから、いろんな歌手が唄えるくらいに、いい曲を書いたつもりなんだけどね。
アルバムの中からはそんなにないかもしれないけど、アルバムを作る為に沢山曲書いて、そん中で自分達でいいものを10曲選んだんだけど、その10曲以外にもれた部分でも、いろんな人が意外な人が意外な形で唄うんで、発売になったらわかると思うけど、会報にでも載っけたいけど。
ーー この前、三田村邦彦さんのアルバムとか、武田鉄矢さんの今度のシングル(8/25発売「コスモス」)にも書いたりしてますよね。
優平 そうそう、そんな形で。結構シングルでなんで、皆さんも耳に届くんじゃないかと。
ーー 曲の作り方はいろいろありますけど、どういう感じで?
優平 今回はね、森亜練さんって人が50編ぐらい詞を書いてくれたんだけど、それに全部僕があとで曲をつけて、それで10曲選んだわけなんだけど、普通、曲の書き方ってメロ先といって、メロディーを先に書いて、それに詞をパズルみたいに入れていく方法があるんだけど、僕は、詞先の方が曲書き易いのね。その詞を見てイメージを湧かせるってタイプだから。
そいうやり方で今回も全部やってます。
ーー 曲作りの中で一番重要に考えてるところは、やっぱりメロディーですか?
優平 やっぱりメロディーだね。メロディーにいかに詞が載ってるかっていうのが、一番気持ちいいから。
只、グループだから、こうしようとかいうのは全然なかった。と言うのは、うちのグループは、いわゆる3人で昔みたいに、ワ−ってハモるようなダークダックスみたいなグループじゃないから、あのー、むしろ僕は歌を唄ったり曲を書くのが仕事で、しげchanはいつもベースを弾く事が仕事、根岸(san)はギターを弾く事が仕事みたいな感じに、今回なったんで、あんまりワ−ワ−って感じはない。今まで以上にないんじゃないかなぁー。
ーー あと、楽譜(譜面)は書きますか?
優平 書きます。
ーー ピアノとかを弾きながら?
優平 ええ、ピアノとかギターで…主にギター。
ーー それは、テープに録音する前に弾いて、パッと書いちゃうんですか?一度録ってから、それを聞き直して書く人もいますが…。
優平 書きながら音確かめていって…うん。
ーー どういう時に作りますか、場所はどういう所で?
優平 場所…僕の部屋、仕事場…仕事部屋で。
仕事部屋がひとつあって、そこに隠って、えー、奥さんとか子供が寝た後、やりまーす。
ーー …突然、ふっと思い出したり〜。
優平 …したら、ガバッて起きて、やります。
あと、ノートを持ち歩いているから、ノートに5本線を引いて、五線紙書いて、忘れないように書いたりとか…ぐらいはします。
あとね、話は違うんだけど、デモテープって、レコーディングする前に“こういう曲なんだけど、どうでしょう”って、プロデューサーに聞かせるテープがあるんだけど、僕が自分の部屋で録音したやつなんだけど、それを『すけっちぶっく』の人にプレゼントしようと思うのね。
ーー いいですね、そういうのは嬉しいです。
優平 そうそう、だから発売日と同じくらいに、誰か欲しい人がいたら、あげたいと思います。
ーー お願いします。
優平 うん。これね、僕が一人で色々な楽器、多重録音してるから。“あっ、レコードになる前ってのはこういうんだったか”ってわかるんで、おもしろいんじゃないかな。
ーー で、その後、アレンジャーの川村栄二さんが入ると、その曲、デモテープと随分変わりますよねっ?
優平 そうだね、どのくらい変わってるかってどうかは、だからそのデモテープ聞けば一番わかるんだけど、そんなに変わってないのもあるし、驚く程変わってるのもあるね、う〜ん。
ーー もう、川村さんに対しては信頼出来るっていうか、絶対こうしてくれるみたいな事を…?
優平 うん。もう、それはあります、意志の疎通は。デビューの頃からずっとやってくれてるから。
前回はチトさんだったけど、今回の川村さんは、チトさんにやってもらう前とか、ほとんどそうだから、一番仲もいいし、で、一番僕の意志が伝わり易いっていうか、僕の事もよく知ってくれてるから。比較的安心して任せています。
ーー あと、いつもステージでは楽器を演奏してるんですけど、レコーディングではスタジオミュージシャンにやってもらった方が?
優平 うん。ステージでやればいいし、レコーディングはやっぱりスタジオミュージシャンに任せた方がいいんじゃないかなと、思ってるの。ドラムやキーボードのいるバンドだったら、また考え方変わるだろうね。例えば、昔からいるチューリップとか…。ああいうグループだったら、自分達で演りたいだろうね。つばめも、仮に…予定ないけど、メンバーが増えたらそうなるかもしれないね、もしかしたら。でも、メンバー増やしたくないんだよね、うん。
とりあえず、今回のアルバム、絶対売らないといけないし、まだ最終決定じゃないけど、いろんな人が唄って、そのうち何曲かがヒットすると、僕等のアルバムは、やっぱり相乗効果ってのが出てくるでしょ。きちっとした形でヒットを出して、そういう盛り上がった時から、ライブをやって、実際の我々の音を聞いてもらって、大きなパワーにしたいのね。
…と言うとこなんだよね。